6132声 リフレインする

2025年03月22日

 今日は『黄金の一 岩島麻』の2回目の上映、「やんば天明泥流ミュージアム」に場所を移し、こちらも全席満員の素晴らしい上映会となった。僕は昼間から前橋で撮影があったので上映開始を見届けてから場を離れてしまったのだが、上映会に駆け付けた岩島麻保存会のこれまたレジェンド、久一さんが立派な精麻(麻の茎を発酵させてその表皮を挽いて繊維にしたもの)を持参で来てくれたことが嬉しかった。「映画見せるんだから、実物があった方がいいべ」と。ああ、いいものが残せたな、と思った。

 昼からは、アーツ前橋主催、3年に渡り前橋で滞在制作を行っている演劇団体「マームとジプシー」の藤田貴大さんらのトークの撮影だった。場所はしばらくぶりの前橋文学館。色々な話が面白かったが、「うちの母は、あれ買ってきて、って何度も言うんですよ。1回聞けばわかるのに。でも繰り返し言う(リフレイン)って気になっていて。舞台上で役者がいいセリフを1度言うのは普通だけど、聞き逃すこともある。ならば何度も言わせても良いのではないかって」というような内容が面白かった。そして、前橋空襲などもリサーチしている彼は「それが大事だと何度も言い続けてきた人がいたから今に残ってるんですよね」という話をした。

 それは僕の中で、午前の保存会の記録とも繋がり、「それだ大事だと何度も言い続けることの大切さ」を思った。その話はもう聞いたよ、と言われようとも、大切なことは何度でも伝えたい。