【勝手に上州料理】 第3回 しみあげ

更新日:2009年02月08日


竹の子グループのみなさん

凍み豆腐用の豆腐を試食 濃厚でうまかったぁ

昆布だしで一度煮て、刻みねぎとにんにくを少ししのばせた衣で揚げる

浅間山は目と鼻の先

全部手作業だ

凍み豆腐の歴史は古い。今から700年以上も昔、高野山の修行僧が極寒の屋外にうっかり豆腐を出しておいたらそれが固まり、これがおいしい豆腐に変わっ た、という言い伝えから始まるのだという。文字通り凍み豆腐が高野豆腐といわれるゆえんでもある。ちなみに凍み豆腐は、西日本では凍り豆腐という。
凍み豆腐は、昼夜の寒暖差で凍ったり溶けたりを繰り返しながらおいしくなる。寒い地方でなければ出会えない食材であり、今となってはとても貴重な食材だ。
群馬県の西の端、もっぱらキャベツとスケートで有名な嬬恋村に、この凍み豆腐作りの名人がいる。地元産の大豆を使った加工所を運営する竹の子グループの 女性たちである。ここで扱う加工品は、豆腐、納豆、豆乳、おからから凍み豆腐まで多彩だ。何よりその一つ一つの工程が、実に手が込んでいる。
納豆は、大豆を一晩水に浸し、翌朝から夕方までおよそ半日かけて蒸し上げる。火を入れては止め、入れては止めを繰り返すことで、大豆の甘みが最大限に引き出されるのだという。出来上がるまでに丸2日かかる大粒の納豆は、それだけで十分においしいご馳走だった。
はたしてこういうものをごくごく日常として食べているのかと想像したら、豊かとはこういうことかと考えた。こんなのあたり前だよ、という穏やかな口ぶりと、うらやましいでしょ、とでも言いたげな悪戯な笑顔が、印象的だった。

(文: 堀澤 宏之)

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