日刊鶴のひとこえ

この鶴のひとこえは、「めっかった群馬」に携わる面々が、日刊(を目指す気持ち)で記事を更新致します。現在の担当者は堀澤、岡安、すーさん、抜井です。この4人が月替わりで担当しています。令和2年は、5月(堀)6月(抜)7月(岡)8月(す)9月(堀)10月(抜)11月(岡)12月(す)1月(堀)2月(抜)3月(岡)の順です。

4540声 筋トレ

2020年09月24日

木曜日。週のはじまり。市場で仕入れをして水洗い。今年初めて秋刀魚を買った。脂はないが腹の中がきれい。肝醤油にしてすだちで出そうと思う。昨日は3回目のピルスナーの仕込みをした。糖化で+2時間、煮沸で+30分かかるため、今まで5時間半で終了した仕込みが8時間かかるようになった。この2時間半、とくに糖化を低温からスタートすることで、独特の豆っぽい香り、旨みが出る。これがチェコスタイル、ボヘミアンの香り。これがいい。釜の上下の温度を揃えるため下からバケツに出して上から入れる。昨日はそれを15回くらいやった。1回15kgとして225kgになるのか。最初に釜に入れる麦芽が35kg。それを粉砕室から工場に運ぶ。お湯ができたらそこから釜に入れる。糖化後の麦芽が50kgくらい。釜からを出す時と、家に運ぶ時で合わせると100kg。仕込み後、釜25kg2つをガス台からおろして洗う。洗い終わったらガス台の上に戻す。これで100kg。そのくらいだな。225+35+35+50+50+25+25+25+25=495。なかなかの筋トレになっているな。最初の225kgの麦汁循環を自動にしたい。

4539声 この半年を振り返る〜世の中編〜

2020年09月23日

今年の3/28㈯、今でもはっきり覚えているが、いきなり土曜日の夜なのに街から人がいなくなった。3月になって徐々に減っていると感じていたものの、いきなり大晦日かと思うほど人気がなくなる。3/24に、オリンピックの1年延期が決定、3/25、志村けんさんが新型コロナウイルスに感染、この日から3日連続で、今まで10数人だった都内の感染者数が40人を超える。3/28安倍首相会見「長期戦になる」と発言、同日、都内の1日の感染者数が60人を超えた。そしてその夜、高崎の街から人がいなくなった。新型コロナウイルスが他人事ではなくなったのは、あの日から。さらに3/29、稀代のコメディアンであり生涯コント師、志村けんさんが亡くなった。恐怖は当然、私の中でも大きくなった。その後4月は感染者数が増え続ける。皆が持論を展開すればするほどすべてが決め手を欠くのは、皆が初めての経験だから。何がわからないかわからないという状況が、ひとまず全部止めよう、という雰囲気を作っていった。それでも5月になると感染者数は落ち着いて、とくに群馬はほとんど新規はナシという状況が続いた。4月頭に政府が発表した緊急事態宣言は、5/25に解除。けれども街に人は戻らなかった。都道府県をまたぐことをNGとする移動制限を要請したからである。もうこの頃には国民の行動様式は、コロナについて自分で考えて動く、ではなく、雰囲気に合わせる、というものになっていたと思う。そして一旦それを受け入れてしまうと、考えない、はどんどん人間の内部に定着してゆく。感染者数が落ち着いてきたこの9月の下旬でも、軽井沢の人気のない高原の木立の中で、皆マスクをしている。この同調力の強さを認識できたことが、結局、この半年で何がわかったのかといえば、これじゃないだろうか。この同調には、同調しないものを排除しようとする圧力と、同調してしまうことによる思考停止の肯定がついて回る。人間だから、それは日本だけでなく他の国でもそうかもしれないが、それがとても顕著なのが日本人だということが、この半年でわかった最も大事なことじゃないだろうか。コロナに関心があるうちに、コロナの動向と同じくらいの分量で、この日本人の性質について語られた方がいいと思う。コロナが収束したら誰も気に留めなくなるのだから。気に留めなくなって、何もなかったかのように同調圧力と思考停止の肯定だけが再び潜在化して、見えにくくなるのだろう。

4538声 連休最終日

2020年09月22日

昨日は11人のお客さんが来てくれた。そのうち5人が食べてくれて、6人はビール一杯を飲みに来た感じの方々。目標は達成。帰り道、20時頃の高崎の街は人で賑わっていた。お盆ですら、こんなにもいなかったと思う。問題は、平日に人が出るかである。テナントを週末だけ借りるなどできないのだから、平日が仕事にならないと、継続はしない。昨日仕事がはかどったおかげで、今日は自由時間ができた。なので軽井沢に来た。この3ヶ月くらい、暇ができると軽井沢にいた。暑い時期に来ていたから、涼しくなってからは初めて。いつ来ても空気が気持ちいい。レンタル自転車を借りて、木立の中を走る予定。

4537声 動けるのは当たり前でなく

2020年09月21日

昨夜はよく眠れた。眠りについてから4時間くらいで毎日目が覚めるのが6時間覚めなかった、くらい。48歳の現実である。それが理由かどうか、わからないが、身体が軽い。10kgのケグを持ち上げるのにいつもはストレスを感じるのが割と軽々持ち上げられた、くらい。それからいつもは腕立て伏せが10回でもういいと思うのが、20回やってもまだいけるなと思って、30回やれた、くらい。長かった夏が終わって、身体が細胞が活発化してきたのかもしれない。微生物と同じように。予定になかったケグ詰めまで終わり、これからザブンで営業をする。動けることがありがたい。

4536声 錆びていく

2020年09月20日

4連休の2日目。久しぶりに1日の終わり、夜に書く。夜に書けないのは、エネルギーがもうないから。思考停止したくて飲んでいるのに、そんなときに頭は働かない。酔うというのは、隅々まで意識がいかなくなること。書くとは、隅々まで意識を張り巡らせること。だから夜には書けない。けれども今日は書けるのは、余裕があるからだと思う。余裕は、どこから生まれるのか。余裕は、1つは身体の問題。疲れがどのくらい残って、溜まっているかで、余裕は左右される。それからもう1つ、大事なのは満足度。人間には一日一日満足度というのがあって、これは昨日と今日の違いという相対的なものだから難しいが、ふっと満足度が上がった一日、夜が訪れたときに、書けるときがあるのだと思う。本来は、とことん満足度が足りず、満足したいから書く、という方が本来のはずだが。満足するのがいいのか、満足できないのがいいのか、それは全くわからないが、なぜわからないと言えてしまうのかと言えば、どちらも必要だと思っているからである。つまり、ある程度年をとってきたら、結果が出る、という愛され方、満足がないと、技術や、身につけてきたもの、リズムなんかが、錆びていくのである。同時に、空腹感、物足りなさがなくなっても、これも人間自体が、錆びていく。少し前まであんなにその日暮らしだったはずなのに、どうしてこうなったか、上達したい自分が、日に日に強くなる。何かができるようになる快感に、こんな歳になって依存し始めたのかもしれない。同時に、錆びるのをすぐ目前に感じて、怖くなったのかもしれない。

4535声 落ち着くための断食

2020年09月19日

4連休の初目。17号から早くから、車の音が聞こえてくる。出かける人なのか。最近甘いものを食べすぎて、落ち着きがない。今日は夜まで食べないことにする。生活が自分の外側と向き合うことだとしたら、断食は内側に向き合うこと。向き合わなければならない外側が多いときは、内側に向き合うことは難しい。今日はやることも少ないし、夜まで断食しよう。

4534声 この半年を振り返る〜自分編〜

2020年09月18日

7月、8月の収支が出てきて、おそらく向こう1年くらいはこんな感じなんだろうなと思う。当然売上はマイナスだ。それでも、4月〜6月までコロナに合わせて大急ぎで変化させてきて、どうにか間に合って沈没せずにすんだ。ザブンの改装、寿司のトレーニング、プレハブ冷蔵庫の設置、地道な補助金申請、そこに運よく、本家ボヘミアンピルスナーを教えてもらえたことで、ビールの幅が増した。マイナス成長でぎりぎりのお金回しかもしれないが、私はなんだか成長していて、40代後半になってこういう実感を持てているのはたいしたもんだ、とすら思う。とにかくおいしいビールを作ること。ここが一番大事。あとは次への見極めの段階になった。今の形ではザブンは続かない。そもそも春の段階でザブンを続けるとなったときに決めたのは、給付金を市場につぎ込むこと、つまり仕入れをケチらないことと、寿司を握れるようになること、だった。要するにコロナとは関係なく沈没しかけていたザブンの起死回生は、安く寿司を、刺し身をお客さんに食べてもらう、ということだった。これは、毎日そこそこの数のお客さんが来て成り立つモデルで、また、私一人で継続はできないモデルなのもわかっていた。そろそろ次を考えないといけない。

4533声 くなしり

2020年09月17日

朝から仕込み。3時過ぎに目が覚めて、布団の上でウトウトと5時過ぎまで。一旦目が覚めると眠れなくなってきた。今日は高比重ビールの仕込み。普段の1.5倍の麦芽を使った。いい感じになったと思う。ひと息つきにロイヤルホスト。くなしりのマスターが亡くなったと、昨日柴田さんから聞いた。心筋梗塞だったらしい。つい10日ほど前に、モントレーの食品売り場で見かけたばかり。魚売り場の若い子を捕まえて、コロナの愚痴をこぼしていた。このコロナが始まって、少し慣れてきた5月、はじめてくなしりにお邪魔した。とびきりの鮪と手作りの塩辛、ツマがまたおいしくて。骨まで食べられるというぶり大根は初めての味だった。とにかくすべてが、唯一無二の料理だった。その後2回ほど伺ってそれきり。マスターは若い頃北海道で漁師をしていて、毎日漁場の船の上で1,000本の魚の下処理をした、なんていう豪快な話を聞いた。78歳だったらしい。そんな歳には見えない。若かった。78歳まで調理場に立てることが、まず私には想像できない。立派だ。たしかに立派かもしれないが、昨日まで一緒に店を切り盛りしていた奥さんはどうするのか。その寂しさ、想像を絶する。同業者として、後輩として、どうしてああいう老舗名店の、しきたり、技術、心を残せないのかと、それがとても悔やまれる。どうぞ安らかにお眠りください。長い間、お疲れ様でした。

4532声 日本一おいしい松屋

2020年09月16日

今日も仕込みをしようと起きたが身体が重い。明日ザブンを休みにしたので、無理しないで明日にすることにした。事務仕事をやろう。4日続けて松屋の朝定食。4日同じでもおいしい。夜中担当のおばさんと、朝担当のおばさんがいて、どちらも仕事が丁寧。他の若いアルバイト、店長も含めて、他の人が作る料理にはない愛情が、この二人の料理にはある。朝たまに、この二人が重なるときがごくまれにある。今日がそうだった。そういう時、「いまこの店舗は日本一おいしい松屋だな」と思っている。

4531声 チェコ人の友達

2020年09月15日

朝から仕込み。デコクションのポイントがいまいち掴めない。何度もやらないとだめだな。デコクションを教えてくれたコチャスさんに電話をしたら、月末にまた高崎に来てくれるとのこと。「もうホテルは予約したから大丈夫」と。早い。2泊するそうで、会うのは中日の夜だけになった。他の時間は「遊ぶ」と言っていた。前回の、奥さんとの水入らずの旅が楽しかったのかもしれない。とても純粋に、目の前のことに取り組む人。同世代の、身長198cmのチェコ人。体は大きいが、まるで少年のようだ。一緒にいるだけで元気が出る。

4530声 酒を減らしたい

2020年09月14日

昨日は久しぶりに早く眠れた。早く寝たいと思うのに深酒してしまい、このところ布団に行くのが0時を回ることもしばしば。昨日は21時前に眠ることができた。なぜそこまで飲まないといられないのかというと、1日を納得するため。納得しないと、布団に行けない。それを酒で、酔うことで納得させることが常態化していいはずがない。酒を減らしたい。ほんとに減らしたい。なんとかしたい。今日は朝5時前に起きられた。ケグ詰め、タンクの洗浄まで終わり、これからひと休み。昨日一昨日とザブンがかなり暇だったので、今日は定休日だが営業するつもり。魚を無駄にしたくない。

4529声 どこで飲むか

2020年09月13日

昨夜はシンキチビールとミッケラーを飲む会が美食倶楽部で。おきらく亭の関さんが開いてくれて、ゲスト扱いで行ってきた。ミッケラーのヘイジーIPAは、トロピカルジュースのようだった。バランスもいいし、あと2割くらい糖が切れたら、ワインに対抗できる。飲んだあとが重い。ビールは喉で飲むものと舌で飲むものと、つまりゴクゴク系とチビチビ系と2種類ある。ピルスナーとセッションIPA以外は全てチビチビ系でいいと思うが、甘さと苦さが残るとチビチビでも飲み続けられない。ビールはアルコールの低さから、ゴクゴクを要求される。ワインはされない。ワインはゴクゴク飲んだらすぐ酔ってしまうアルコール度数だからである。ビールはどんなにチビチビ系として作ったとしても、アルコール7%くらいまでのものは、ゴクゴクを要求される。つまり喉越し、無防備に飲み込んだときの違和感のなさ、である。シンキチのビールは、チビチビとだけ飲んでいればおいしいが、ゴクゴクといこうとするとどこか引っかかる。昨夜それに気づいた。昨日のミッケラーは、チビチビもいけるしゴクゴクもいける。シンキチも7%までは喉越しを考えないといけない。喉で飲む、そして、舌で飲む。あと、当然もう1つある。身体で飲む、である。飲んだあとが軽いかどうか、そこをずっと大事にしてきた。そこはミッケラーよりシンキチに軍配が上がる。

4528声 今日も報われたい

2020年09月12日

朝になって降り出す。昨日はお客さんが来た。常連さんに混じり、初めてと見えるスーツのお客さんが何人か来てくれた。希望の持てる出来事だ。忙しいのに売上は伸びない。安すぎるのだと思う。お客さんが来てくれればいい。今日は一日雨の予報。タンクを洗って熱湯消毒。珈琲館のモーニングへ来た。午前中から混んでいる。いつも大ママがいるが、自分のシフトのとき以外はお客に挨拶をしない。それでいいと思う。それが許されるのは、60歳過ぎかな。帰って休憩をしてザブンへ行く。

4527声 報われたい

2020年09月11日

工場は涼しいが相変わらず外は暑い。少し動いたら汗ばんでくる。今年の夏は長い。 今日はあまり動けない。頭もあまり、働かない。今日唯一高揚したのは、市場にたくさん魚があったこと。うまそうな魚を見ると元気が出る、という新しいスイッチが、50歳を目前にして備わったようだ。 そろそろザブンへ行く時間である。さて今日は、お客さんは来るか?仕入れも仕込みも完璧で、その時点で大半のエネルギーを使ってしまったとしても、営業中の忙しさを前提にして精神の準備しているから、忙しくなれば身体は動く。ところがこういう肉体状況のときに暇だと、最も堪える。飲みに来い。損はさせない。来てください、だろう。

飲みに来い損はさせない来てください

今飲食店は、皆同じ気持ちなんだろうな。

4526声 飲み過ぎ

2020年09月10日

シャリの外側にもう少し粘りがほしい。米の内部は固めでいい。ほんとに微妙な加減。休みがないと酒量が増える。それでまた余計に疲れる。ゆっくり動く、ゆっくり歩く、ゆっくり考える、意識的にゆっくりする時間が、1週間のうちに最低半日くらいは必要。さらに、ひたすら動かない時間も半日は必要。要するに週に1日は休みがないと、酒というクスリで半ば無理やり、自分を走らせることになる。休む時間を作らないといつか壊れる。

4525声 何かが伝わらならないと意味がない

2020年09月09日

昨日お客さんと夜中まで飲んでしまい、起きたのは9時過ぎ。10時から瓶詰めの予定なので、急いでシャワーを浴びる。いつも食中酒百席のあとは体重が減る。今回も1kgくらい減っていた。やりきった重い身体と放心の脳ミソで、昨夜の出来事を反芻。良かったところ悪かったところ。料理は残りがあるものは、はやく確認したい。いい友人、お客様に恵まれた。こちらから何かを伝えられる準備もできてきた。もっといい時間を味わってもらえるよう努力したい。いい時間のイメージを、もっと日頃からイメージし続けることが大事。

4524声 20回目の食中酒百席

2020年09月08日

食中酒百席の日だった。朝からどこにも隙間はなく、日をまたいで書いている。濃密な1日だった。ただ濃密であればいいというものでもない。的確な濃密さでなければ勝利を手繰り寄せられない。本番とはそういうもので、本番は何日も前からの準備があって成り立つものでもある。また次、2ヶ月後。

4523声 いつまで働けるか

2020年09月07日

朝市場へ。いい鮪、のどぐろが手に入った。いい魚を見ると買いたくて仕方なくなる。原価計算が追いつかない。板前を25年やってきて、今が一番楽しいかもしれない。もっと魚を触りたい。昔は市場が嫌いだった。魚に値段も書いてなければ買い物かごもない。ひと昔前の、市場独特の突進型の雰囲気も苦手だった。けれども今は魚屋も代替わりしてスマートになった。なにより丁寧になった。自分が年をとったから相手から丁寧に扱われるようになったのか、自分がいろんなタイプの相手を受け入れられるようになったのか。どちらもあると思う。時代もある。年を取るのは悪くない。昨夜You Tubeで談志師匠の映像を見た。おそらく60代前半くらいだと思う。矍鑠としてウィットに富んでいる。全盛期の寅さんの、いやそれ以上の頭の回転力だと思った。はたして60歳になったとき、あのくらいの動きをできるか。60歳まであとひと回り。12年。1つ何かを成すのに5、6年はかかるとすれば、あと2クールしかない。うまい寿司が握りたい。うまいビールが作りたい。頑張ってから死にたい。


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