日刊鶴のひとこえ

この鶴のひとこえは、「めっかった群馬」に携わる面々が、日刊(を目指す気持ち)で記事を更新致します。担当者は堀澤、岡安、すーさん、坂口、ぬくいです。この5人が月替わりで担当しています。令和6年度は4月(ぬ)5月(岡)6月(す)7月(堀)8月(坂)9月(ぬ)10月(岡)11月(す)12月(堀)1月(坂)2月(ぬ)3月(岡)の順です。

5368声 茂さん

2023年02月18日

六合入山の山あいに、山本茂さんは暮らしている。年は70を越えているが、お元気。数年前、六合山岳会に混ざらせてもらい、茂さん等とチャツボミゴケ公園から吉ヶ平ヒュッテまでスノーシューで歩いた。片道6時間くらいをかけての雪山横断だったが、僕はヒーコラ―ヒーコラ死にそうになっていたものを、茂さんは山の精のようにひょいひょいと、細身の体で顔色を変えずに行き来していた。

茂さんは、六合地区に伝わる昔語りや、おんべーやなどの伝統行事を調べ、記録に残す活動もしている。僕も何かある度に家に伺い、六合の昔を聞いてはへー、ほーっと関心ばかりしている。小学校存続で意見が飛び交うなど、六合も高齢化が進む地域。今のままでは良くないという思いも、茂さんの話の所々に見てとれる。

今回のお伺いはインタビュー冊子の取材であったが、六合に移住をしてきた夫婦にも声掛けをして、彼らと茂さんとを引き合わせた。それがすぐ何かの形になるわけではないが、そういうおせっかいもありつつ、地域の未来を作っていくものは「そこに住む人たちの覚悟」以外にないのではと思ったりもする。

5367声 現在に集中する

2023年02月17日

赤城に新しくできる名所に関連して、前橋近辺の、障害をもつ利用者さんとモノを作っている作業所を何か所か撮影に回った。パン、うどん、木工、そして農業。個人個人で働ける状況は違い、一生懸命に働いている人もいれば、ただそこにいる人もいる。中には期待を込めて仕事をきちんと教えているスタッフもいたが、大半はゆるく、強制ではなく自主的な参加を待つ、といった姿勢も見られた。

時に、集中力がすごい人もいる。休憩時間になるまで、ずっとその作業に没頭するのだろう。今読んでいる本で「過去と未来は人の頭の中の想像にしかなく、多くの人はそれに捕らわれがちで、でも実際行動できるのは現在しかない」みたいな内容があった。つまり、障害をもちながらにして作業に集中する彼は(彼女は)、過去も未来も考えているかもしれないが、多分大いに現在に集中している。そんな気がした。そしてそれは、とてもシンプルで力強い生き方に思えた。

5366声 フクロコウジ

2023年02月16日

なんだか友人知人の紹介ばかり恐縮ですが、中之条町に原沢香司という男がいましてね。長年勤めた中之条町観光協会を辞めて「フクロコウジ」なんていう個人事業をはじめるわけです。原沢こうじのフクロコウジ。彼は観光協会に努める前から観光業に携わってましてね。フクロコウジでは中之条町を中心に群馬でのとびきりな旅行をナビゲートしつつ、市城にある事務所では(奥さんがやっている裁縫と雑貨の店「うた種」の敷地内)本屋も始めるっていうんだから、思い切った人生だよね。

原沢こうじのフクロコウジ、が落語みたいな感じがしてこんな書き方をしてみましたけどね。ちょっと反省している自分がいますよこれ。(中之条町はそもそも四万にしても六合にしてもどん詰まりで、どん詰まりには文化が流れずに蓄積されている、という意もあったり、ロゴなどでフクロウももじっていて、福も呼びそうな感じです。頑張ってほしい)

フクロコウジ

5365声 方

2023年02月15日

店主・堀澤宏之。「鮨と燗酒とナチュラルワイン 方(kata)」がオープンとなります。本人ではなく僕(岡安)がそれを書いてしまうことに、それで良いのかと自問もしつつ、今月情報公開となったわけだし、予約サイトの写真も担当させていただいたので、良いかなとご紹介させていただきます。下記のサイトもご覧いただきて、グッとくる方は、グッとくる方のみ、ぜひ。

鮨と燗酒とナチュラルワイン 方

5364声 延命酢

2023年02月14日

めっかった群馬には食べ物に関心がある読者の方が多い気がするが、「延命酢」をご存じだろうか。今ググったら(お前も知らんのやんけ)静岡で醸されているというオレンジのお酢だ。なめてみると、酸味と同時に甘さを感じられる。

話は変わり。昨年福島県を2泊3日で旅した。最初の目的は、昭和村の農家民宿「やすらぎの宿 とまり木」。1人できりもりするキヌイさんは郷土料理の達人だった。山菜を煮たものや、砂糖がまだ身近にない頃に作られたという麦芽で作った麦芽飴など、はじめて口にするけれども懐かしい料理なども記憶に残ったが、「わたし、豆乳に酢を入れてヨーグルトを作るの」的に教えてくれたキヌイヨーグルト(通称)は、簡単に作れるので、群馬に戻ってきてからも何度も作るようになった。

で、豆乳は市販の無糖のものでこだわらなくても良いと思うのだが、延命酢を使うととても美味しい。豆乳を1分半くらいレンジで温めて、ぬるくなったそれに延命酢を少量。かき混ぜて少し置くと、下半分くらいはドロッと固まっている(化学式はわからないが)。ヨーグルトではないが、それっぽい。多分、延命酢ではなくて普通の酢でもできる。

旅をして、料理を知って、帰ってからも作る。今回のそれは料理と呼べるものではないが、その一連はとても豊かな行為であるように思う。

5363声 群馬朝鮮初中級学校

2023年02月13日

縁は不思議なもので、今年に入ってから2度、前橋市荒巻町にある群馬朝鮮初中級学校を訪れた。そもそも、敷島公園のすぐそばに朝鮮学校があることを僕は知らなかった。

アーツ前橋で開館すぐに始まった、アーティストと前橋市内の各コミュニティとの協働「表現の森」。アーティスト・中島佑太は南橘団地において活動をしていたが、その活動はアーツ前橋を離れ、活動を指示してくださるスポンサーによって今も続いている。そして彼と朝鮮学校関係者との繋がりから、今年の活動がスタートすることになった。

校内に入り全く読めないハングル語の横断幕を目にして、初めて伺った時こそちょっと身構えた自分がいたが(何に身構えているのだろうか?)子どもたちは活発で先生たちは理解力がある感じ。中島佑太ワークショップにおいても会話はほぼ日本語で、他の学校へ行っていた時と大差はなかった。

けれども、例えばワークショップ中に「お供えもの」を考えた子どもがいて、それはもしかしたら日本人の子どもにはない感覚なのかなとか、在日同士での結婚が多いという話を聞いて家族の在り方を考えたりして、何かしらの差異も確かに存在している。活動はまだ続くが、そんな大差ないことや差異を映像で提示できたら、と思っている。

5362声 家族の風景

2023年02月12日

めっかった群馬の堀澤さんの実家へ写真の撮影で伺った。お母さんは何度かお会いしていたが実家を伺うのは初めて。お父さんはにんまりと機嫌が良い感じで、お母さんも相変わらず朗らかだった。弟さんと甥っ子も含めて、何枚か写真を撮った。

堀澤さんは新しい店の準備があり、僕もすぐにそちらへ移動せねばなので、ゆっくりはしなかった。急いで家を出て行く堀澤さんを1枚写真に撮った。たまたまのその日の事情で彼一人が家族から離れただけだし、全然良い写真ではなかったが、何かを表しているようではあった。とても良い家族だった。

5361声 わたしは貴族

2023年02月11日

地元映画祭にも深く関わっているので、映画の情報はちらちら入ってくる(と言っても、知人がSNSで投稿するものが主である)。いい映画というのは複数人がそれについて語っていることが多く、やはり複数人がわざわざ投稿している映画は良い映画に違いないと思ったりする。公開はもう一昨年のようだが岨手由貴子監督『わたしは貴族』もそんな流れで知った映画だった。「もう信じられんくらい良い!」という投稿よりは「良かった」のようなしみじみした感想が多かったように思い、むしろそれが好感だった。

Netflixにて鑑賞。タイトルからして『下妻物語』(例えが古い)のような地域格差を皮肉った内容かと思っていたら、確かに東京に生まれ生まれながらにして成り上がりコースが決まっていたような人たちと、地方から東京へ出た人、という構図の映画とも言えるが、どちらかがどちらかをあざけ盛り上げるような内容ではなく、「そうやって生まれ育った人たちが出会って分かれて」という成り行きを静かに見つめる格式も感じる映画だった。良かった。

今年になってから「映画を観たい」と思うようになった。何まわり目のその欲求であろうか。時間をつくって観ていきたいと思う。

5360声 吉野家

2023年02月10日

映像は撮影こそ(僕の場合は)1日、2日で終わるものがほとんどだが、編集にはそれなりに時間がかかる。それを溜めてしまうのも良くないとはわかっているが、締め切りが近いと焦る。

映像の編集は(僕の場合は)パソコンに向かうだけの作業だが、たまに場所を変えたくなる。ちょっと前まではそれこそ締め切りが近くなると「精神と時の部屋(わからない人はドラゴンボールを読んでみよう)」と自らで呼ぶ漫画喫茶に籠っていた。

前橋で2日連続撮影だったので、間漫画喫茶に泊まった。編集作業は捗って目標の作業は終えた。電気は消せない部屋だったので、布マスクをアイマスク替わりにしてシートを倒して寝た。

翌朝は撮影前に吉野家へ。ふんぱつして牛鮭定食を注文した。ご飯は大盛りで。年に合わないことをやっているなと思いつつ、そんな一連が自分らしいとも思ってしまうのだ。

5359声 宮城リョータ

2023年02月09日

1979年生まれの僕等にとって『SLAM DUNK』は爆発的に人気がある漫画だった。中之条中学校は当時1学年に120人くらいいて田舎にしては多かったのだが、一番人気はバスケ部だった。『SLAM DUNK』の影響はばりばりにあったと思う。僕も一応は読んでいたが、そもそも球技と聞くだけで体育館の隅っこに小さくまとまりたい運動嫌い。部活は必須だったのでいやいやながら柔道部に入っていた(『柔道部物語』とか『帯をギュっとね!』も負けない名作漫画なのでみんな読んでね)。バスケ部の連中はなんだか眩しかった。

そんなだったので、今年『THE FIRST SLAM DUNK』が公開されたと聞いた時も、ふーん程度だった。が、観る人観る人「凄かった」の連発。タイミングが合ったのでイオンシネマ高崎で観た。なるほど、漫画原作者(この映画では監督も務めている)井上氏がやりたかったのはこれだったのかと。バスケの試合のコートの中で観戦しているような臨場感、本試合や実写では作れないアングルや動きでとにかく魅せる映画だった。まだ上映もしているようだが、これは映画館向きな映画だ。

今まで、散髪にはそれほどこだわりがなくサロンド・ジュンで済ませていたのだが、事務所の近くに「タカトコ」という美容院があり、せっかくだからそこで切ってもらうようになった。派手な店内で一人髪を切るお兄さんは映画も好きなようで、NETFLIXの『First Love 初恋』が良かったと繰り返し言っていた。『THE FIRST SLAM DUNK』も良かった、と話していた(僕はまだ観る前だったので、へぇー程度の返し)。

切り終わり、『今回は宮城リョータみたいにしておきました』とタカトコのお兄さん。ふむ。確かに似ているかもな、性別とかな。

5358声 カフェラテ

2023年02月08日

セブンイレブンでホットカフェラテのラージを頼んだのに、ぼーっとしてレギュラーを押してしまい、すみません間違えて押しちゃったんですけどなどとは言えず(回収されたら入れたやつがもったいないし)、そのまま店を出るの、これで4度目。

5357声 ひじき

2023年02月07日

スーパーツルヤの群馬県進出が進んでいる。もともとは長野県のスーパーである。僕のツルヤデビューはごく最近で1年くらい前かな。品揃えの良さもそうだけど、プライベート商品(自社開発)が多いのに驚いた。人気があるというりんごバターは美味しかった。お勧めされて特に美味しかったのが「ジャージーヨーグルト加糖」。ヨーグルトとさっぱりしたクリームチーズの間くらいのくどくないクリーミーさで、いちごなんかに添えたらそれだけで格別なデザートになる。プライベート商品はけっこう安い。でも高級品もある。そういうメリハリも受ける要因なのだろう。

そんなツルヤが前橋南、みどり市、吉岡町に進出してきた。広大な空き地だけは売るほどある群馬である(誰に喧嘩を売っているわけでもないが)。急に出てきたなという感はあるが、そういう事業展開なんだなと思う。僕もたまに寄って買い物もするだろう。

群馬で高級スーパーと言えば?・・スーパーまるおか、と答える人は少なくないと思う。10年以上前になるかな、縁があり、恵方巻やお節、パンフレットなどの印刷回りを担当させていただいている。まるおかは支店を設けない。プライベート商品だって3年前くらいまではなかった(現在は牛乳や揚げ餅などを作っている)。すべてが高級というわけでもなく、手間をかけて作られた野菜や食品を適正価格で売っている、というだけのことでもある。それは知っていても、行って売り場を見回して2~3個買って帰るに留めている。ジョセフィーヌドレッシング、寺田のキャベツ、田庄の海苔。中之条町からはらーめんダイニング庵の冷凍らーめんや、六合入山の舞茸もある。宣伝みたいな投稿になってきた。

弁当のテイクアウトチラシを新調するということで、写真撮影を行った。撮影した弁当をくださるという。やったー。仕事を終え車に乗り込むとさっそくいただいた(我慢できないタイプです)。どのおかずも、ご飯も美味しいのだが、一番美味しかったのはひじきの煮物であった。甘さと煮加減が最善。時代錯誤な言い方だが「これを煮れる女性であったら、それだけで嫁に行ける(男性だったら婿に行ける、と書いても良い時代か)」。

「食は命」と書かれた書がデーンと貼ってあるまるおかが、僕は好きだ。

5356声 中之条ぽわぽわ

2023年02月06日

僕が生まれ育った群馬県中之条町はいくつもの温泉を有する町である。もちろん群馬には草津温泉や伊香保温泉など、全国的に有名な温泉もある。僕も県内の有名温泉は一通りは入ったが、中之条町の温泉、負けてないと思う。新宿からの直通バスもある「四万温泉」、朝入れば一日元気になる(個人的感想です)良泉「沢渡温泉」、露天の尻焼き温泉が有名だがその他にも個性ある温泉を有する「六合温泉郷」。ほかにも、極めてぬるい源泉に1~2時間は浸かっていられる「大塚温泉」も捨てがたい。

飯塚花笑という映画監督がいる。前橋市出身、ご両親は中之条町となりの高山村に住まわれている。現在日本各地で公開中の『世界は僕らに気づかない』は海外映画祭でも高い評価を受けた。わりと昔から顔なじみだった僕は、ある日飯塚監督の「僕、温泉好きなんですよね」という呟きを聞いた。聞き逃さなかった。そこからブワンと広がった結果が「中之条ぽわぽわ」という温泉ドラマシリーズだ。

製作は中之条町観光協会。それまでも僕は単独で観光映像などを撮らせてもらっていたが、毎年同じ景色や行事を撮影するのではなく、何か手はないかと思っていた。そこに飯塚監督のつぶやき。温泉を舞台とした本格的なドラマを作ったらどうだろうと思い立ち観光協会に提案。そしてさらにそこに「中之条町出身の俳優が主演を務める」という要素を加えた。伊参スタジオ映画祭に来場もしてくれた宮内杏子さん、劇団東京乾電池の松沢真祐美さん。そして親同士が仲良しで(共に四万が仕事の場だった)いつか中之条町関連の映画に出て欲しいと願っていた劇団大人計画の村杉蝉之介さんの顔が浮かんでいた。出演依頼に対し3人とも快諾。生まれ故郷のために文字通りひと肌脱いでくださった。

1月末の「第21回伊参スタジオ映画祭」でこの「中之条ぽわぽわ」3部作の一挙上映をした。自分が関わったドラマだから優遇というわけではなく、客観的に見ても高いレベルのものができたと思っているので躊躇はなかった。上映後、村杉さんはトーク登壇もしてくれて、最後の作品まで観続けてくれた(去り際「伊参映画祭のこと、正直ナメてました。すごくいい映画祭ですね」と言ってくれたことは忘れられない)。この本気でふざけたドラマを通じて、1人でも多くの人が中之条町の温泉に浸かってくれることを願っている。

中之条ぽわぽわ in 沢渡温泉〈中之条町公式〉

中之条ぽわぽわ in 六合温泉郷〈中之条町公式〉

中之条ぽわぽわ in 四万温泉〈中之条町公式〉

5355声 浅間山を眺める牛

2023年02月05日

北軽井沢へよく行くようになった。

交際が理由なのだが、数か月経っても「よその場所へ出向いている」感があった。普段の環境と北軽井沢の環境があまりに違うからだ。普段の環境、はかなり劣悪で1年前は中途半端に町中な会社で暮らすような生活。キッチンもなくコンビニ弁当をかっこんではソファーで寝ていた。そこから北軽井沢へ行くとまず違うのが雄大な浅間山のお膝元だということ。「生命力のないお前がなぜここに来たぁ」などと山は話さないが、圧を感じる。そして薪ストーブのある家。はじめの方、それはもう旅行であった。

1年以上が過ぎ、普段の環境と北軽井沢の環境には未だ埋められないギャップがありながらも、慣れというものはすごいもので、北軽井沢にいても、ここに来ても良いのかもなと思えるようになった(まだ受け身)。そうすると、行っても見えていなかったことを見たいという余裕も出てくる。

浅間山のふもとは平地が広がる。まっすぐな道が多い。日中であっても寒空の下(濡れたタオルぶん回したらシャキーンと凍る)てくてく歩いた。はじめて歩く道、簡易的な柵の向こうに牛たちがいた。僕らを見ても微動だにしない。周囲は雪に覆われていたが、ふんをしたところは温かいのだろう、雪が溶けかかっていた。そこからは浅間山がとても広く、とてもきれいに見えた。

牛たちはこの山を見て、何か思うのだろうか。見慣れるなどということがあるのだろうか。

5354声 足の冷たい車

2023年02月04日

僕が今乗っている車は三菱コルト。

その前の車を居眠り対物事故でおしゃかにして、どうしようかなと思ったら前会社の社長の奥さんが使っていた車をくれると言う。それが真っ赤なコルトで、二つ返事でいただいた。それからもう10年くらいは経つのかな。もらった時も相当だったが今では走行距離2.2万キロを越えている。度々東吾妻町原町の佐藤モータースで修理してもらっていて、次にエンジンが不調になったら買い替えかなという話をしている。その車検時期だった。

あまりお金がないということもあるが、もう少しいける気がして車検をお願いした。ずいぶん以前から、カーエアコンの暖気および寒気の出口を切り返す構造が内部でダメになっていて、正面にしか風が出てこない。冬場は、フロントガラスにも風が出せず曇ってきたら窓を開ける必要があるし、そこまでいかない日でも足元がとにかく寒い。一度そこ修理できませんかと聞いたけど、ダメなようだった。大枚をはたいて直す気はない。車検を終えても、運転する僕の足は冷たいままだろう。

車が帰ってきた。「どうだい?まだ走れるかい?」なんてやりとりをするほど、愛情を注げてきた車ではない。けれど数日借りていた代車にはない親密さがあった。鍵を回すと、ブルルンと音を立てた。

5353声 チーム

2023年02月03日

また多少大がかりな映像を作っている。群馬県が推奨する地元食材、今回はやよいひめ、ギンヒカリ、上州地鶏の3つを紹介する映像だ。それにSNSで支持を集めるインフルエンサーを絡ませるという。


今もそうだが、基本映像制作は一人でディレクション・撮影・編集を行っている。器用というわけではなく、群馬に帰って映像制作仲間も身近にいなかった状況だったのでそうせざるを得なかったとも言える。もともと性に合っていたとも言える。


が、近年は予算がありその方が良いものができると思えばチームを組んで映像制作をするようになった。今更感もあるが、ずーっと1人でやってきて(間違った理解もあると思うが)一通りはざっくりわかっているからこそ、部分部分を人に委ねることが楽しいし、今更だからできるようになったとも思う。


今回は、自分はディレクションと編集のみとし、普段は映画の現場にいる角洋介くんと渡邊玲さんに撮影・録音で入っていただいた。目下編集中。新しい代名詞となる映像にしたい。

5352声 めっかった軍団

2023年02月02日

この知る人ぞ知るサイト、「めっかった群馬」で行っている毎正月の「お気楽俳句ing」は、実は(とあえて言わなくても良いけど)毎年行事の中でもトップクラスに楽しみにしている行事である。俳句は普段書くのはもちろん読むこともしないが、それだからよりその1日だけ俳句脳になるのも楽しい。今年は、店をやっている堀澤さんだけ最後の合流、抜井、鈴木、坂口、僕、そして彼女のゆーきさんとで安中の磯部温泉に吟行に出かけた。

道中、もちろん楽しかったのだが割愛して(そこが大事な気もするが)今一つ印象に残っていることを挙げるとすると、このめっかった軍団(とは誰も呼ばないし僕もはじめて呼んだが)もいい感じで年をとってきて、温泉に入ったからというのもあるが、みながつるっとまるっとして来た気がしたことだ。はげてきたとか太ってきたと言っているわけではない(それはみんなわかるから書く必要はない)。

正月以外もやろう、という声もたまに上がるが、次回はいつになることか。でも少なくとも正月のその俳句ingは行き続けたいし、その行為はめっかった軍団と顔を合わせる、というだけでも年を追うごとにより大切になってきている気がする。

5351声 寒波

2023年02月01日

昨年より、東吾妻町植栗という「植栗には何があったっけ・・マルイチっていうスーパーがあったけど今はない・・田畑と民家」という穏やかな場所に事務所を構えた。

事務所と言っても、もとは中之条町内の薬局の社員向け住宅だった建物。3件の同じ形の平屋が並んでおり、その一番吾妻川寄りの1件なのだが、そこそこ古くて簡易的な建物であった。

2月早々に寒い日が続いた。撮影でまる3日ほど事務所を空けていたら、室内に置いておいた植物がみなぐったりしている。やられた。大きめの木などは実家に避難させたが、小さな花は花も葉もぐったりしたまま戻ることがなかった。

しかもガス台が点火できない。え、寒くて火がつかないとかあるの?とも思ったが、とりあえず経理のTさんに報告して撮影に出かけた。その後Tさんから「むしろ外の水道管が破裂してた。水道用の×××(聞いたけど忘れた)が稼働し続けるとガスも止まるらしい」という報告が。やられた。

そんなふうに寒さに弱い事務所であるが、そんなところも含めて気にいっている。むしろ、立派な場所を賃貸で借りて・・では落ち着かなかった自信がある。寒さもそうだがお金の心配もあるからだ。

今月は撮影こそ少ないものの、きちんと終えねばならない大仕事も抱えている。やらねば。(岡安)