5354声 足の冷たい車

2023年02月04日

僕が今乗っている車は三菱コルト。

その前の車を居眠り対物事故でおしゃかにして、どうしようかなと思ったら前会社の社長の奥さんが使っていた車をくれると言う。それが真っ赤なコルトで、二つ返事でいただいた。それからもう10年くらいは経つのかな。もらった時も相当だったが今では走行距離2.2万キロを越えている。度々東吾妻町原町の佐藤モータースで修理してもらっていて、次にエンジンが不調になったら買い替えかなという話をしている。その車検時期だった。

あまりお金がないということもあるが、もう少しいける気がして車検をお願いした。ずいぶん以前から、カーエアコンの暖気および寒気の出口を切り返す構造が内部でダメになっていて、正面にしか風が出てこない。冬場は、フロントガラスにも風が出せず曇ってきたら窓を開ける必要があるし、そこまでいかない日でも足元がとにかく寒い。一度そこ修理できませんかと聞いたけど、ダメなようだった。大枚をはたいて直す気はない。車検を終えても、運転する僕の足は冷たいままだろう。

車が帰ってきた。「どうだい?まだ走れるかい?」なんてやりとりをするほど、愛情を注げてきた車ではない。けれど数日借りていた代車にはない親密さがあった。鍵を回すと、ブルルンと音を立てた。