下仁田町の彫刻家・三輪途道さんの撮影は続いている。ここに書いたかわからないが、昨年の中之条ビエンナーレ以前から撮影をはじめ、三輪さんが代表を務める(一社)メノキの副代表・福西敏宏さん発起のもと、三輪さんと彼女を取り巻く環境や事象に関してのドキュメンタリー映画を作ろうと動いている。
今日は、メノキがメガネのJINSと協働で進めている「みんなとつながる上毛かるた」の展示・ワークショップの様子を撮影しに群馬社会福祉総合センターを訪れた。
目の見えない三輪さんが下仁田の工房でねんどをこねて立体かるたを作っている時から見ている者として(みんなとつながる上毛かるた=上毛かるた44枚の絵札を、見ずに触ってわかるように立体物として再解釈し作成したかるた。群馬県の許可も許諾済み)、制作後にどのように遊べば良いのか健常者と視覚障碍者を交えワークショップを繰り返したり、その反応をもとに三輪さんが全札を作り直したり、今までの積み重ねを感じ見ると、より感慨深い一日となった。
三輪さんにカメラを向ける。「かるたはやりきった感がある。あとは普及のための活動をしていってもらいたい。私は、自分の作品の制作に戻るわ」と。三輪さんはこのかるたの具現化の最貢献者であるが、かるたで活動をしていこうという作家ではない。自身の役割が明確で、自分以外に役割を託せる仲間がいるその状況が、気持ち良いと思った。
僕自身、いろんなところに足を突っ込んだり、関係を切らずに続けたりして、自分の役割があやふやになることが未だに多い。それが持ち味と開き直ってもいるが、そろそろ本気で自分の役割に焦点を絞る必要があると思ってはいる。