日刊鶴のひとこえ

この鶴のひとこえは、「めっかった群馬」に携わる面々が、日刊(を目指す気持ち)で記事を更新致します。現在の担当者は堀澤、岡安、すーさん、抜井です。この4人が月替わりで担当しています。平成30年前半は、5月(堀)6月(抜)7月(岡)8月(す)9月(堀)10月(抜)11月(岡)12月(す)1月(堀)2月(抜)3月(岡)の順です。

3994声 高崎の夜

2018年10月21日

昨晩は、10年くらい会っていなかった知人と、
4人で高崎市街で杯を酌み交わした。
年を取ると思い出話が楽しくなる気がする。
都合の悪い部分は補正して、
思い出の記憶を更新していくからだろうか。

3993声 稲架日和

2018年10月20日

昨晩いささか飲みすぎせいか、予定時刻にすんなり起きれなかった。
パンを齧りつつ慌てて家を出て、車を飛ばす。
こんな日に限って、外環も関越も高速道路は事故渋滞。
句会場の倉渕に着いて、小一時間ほど吟行、そして句会。
町内の田んぼには稲架がたくさん組まれていた。
秋の倉渕は、谷を抜けて来る風といい、
周囲を囲む真っ青な山の影といい、とても清々しかった。
句会が果てると、酒席の約束があったため、すぐに高崎市街へ戻った。

3992声 邪道

2018年10月19日

栄養が偏っているのか、口内炎が何個もできていた。
明日は群馬の山里まで行く用事があるので、
晩酌はせずにと思うが、口内炎が痛く、結局、缶麦酒をあける。
酔ってくると、当然、感覚が麻痺してきて口内炎の痛みが軽減される。
邪道な飲み方をしたことを悔いつつ、一杯二杯。

3991声 夜の蜜柑

2018年10月18日

夜、句会のため笹塚へ出かけた。
兼題が出ていいたので、地下鉄車内で作る。
題のひとつは「蜜柑」だったので、家を出る間際、
台所においてあった蜜柑をひとつ、急いで食べた。
暗がりで皮を剥いた蜜柑の白さに、やや驚く。
笹塚駅へ着いたら、吟行。
雑踏の駅前や、人家の立ち並ぶ路地裏などでは、
なかなか、集中できず消化不良のまま、句会場へ。
ここの句会は麦酒を飲みながらのラフなスタイルである。
空腹で飲んだ麦酒と風邪も相まって、
ややへろへろになりつつ、帰ってきた。

3990声 必殺

2018年10月17日

先日の台風の雨で、雨粒に塩気があったらしく、
家のポストが雨粒の形に錆びてしまった。
安物のポストだけに、いっそう、みすぼらしい様相である。
帰ると、注文していた山口波津女の句集「紫玉」が、
その錆ポストに届いていた。
紫陽花が好きらしく、紫陽花を愛でた句が多く、
ムカデが嫌いらしく、ムカデを殺す句が多かった。
ムカデを見つけると「必殺」していく姿に、
思わず笑ってしまった。
しかし、自身も夫も病を得ての生活、
それが切実な必殺であろうことは、伝わってきた。

3989声 リポD

2018年10月16日

風邪をひいてしまった。
引きたくない時期にかぎって引いてしまうから、やっかいである。
さしあたり、風邪薬は飲まずリポビタンDを飲む。
体が動かなくなってくると、なにかと忘れているような気がしてくる。
今週末締め切りの結社誌の原稿がひとつ。
いまからそれにとりかかるため、リポDをもう一本。

3988声 蜘蛛の家

2018年10月15日

雨の日および小雨のまじる曇天の日など、
どういうわけか、家の中に蜘蛛が出る。
小指の爪ほどの、小さな奴ならば良いのだが、
中には親指ほどもある大きな奴もいる。
今朝見かけた蜘蛛も、この大きい方の奴で、その姿は、
映画「エイリアン」に登場するフェイスハガーを彷彿とさせる。
とても、素早い。
そして、敏感。
こちらの殺気を察知したのか、構えると同時にさささっと、
棚の脇などに隠れてしまう。
これくらい大きいと、殺虫剤に対しての耐性が相当あり、
蚊や蠅に使用するようなものではあまり効かない。
しかし、一時弱らせることはできる。
追いかけては殺虫剤を吹きかけつつ、弱ったところをティッシュでつまみ、
ようやく窓の外へ落とした。
窓の外の植木には蜘蛛の巣があり、大きな女郎蜘蛛がいた。

3987声 白い旗

2018年10月14日

所用で柴又の帝釈天へ。
小岩から久しぶりにバスに乗った。
バス路線は新しい店などが出来ていたが、
参道までくると昔と変わらぬ雰囲気である。
小店に並んでいる寅さんグッズをひやかしながら、
江戸川の土手まで歩いた。
土手から江戸川をぼけっと眺めていると、
「旗」と声が聞こえた。
振り向くとすぐ脇におじいさんがおり、私に向って、
「白い旗が見えるか」と問う。
振り向いて、遥か対岸の旗を確認し、「見えます」と答えた。
うなずきながら「矢切の渡しがやってる合図だ」と、おじいさん。
私も小さくうなずきながら、おじいさんと旗を眺めていた。
人影を乗せた小舟が、ゆっくり旗に近づいていた。

3986声 秋祭

2018年10月13日

近所の秋祭へ行った。
あたたかい食べ物が美味しいのも、
夏の祭にはない楽しみである。
しかし、焼きそばがすぐに冷えてしまうのは、
夏の祭にはない悲しみである。

3985声 守宮の瞳

2018年10月12日

すっきりしない天気が続いている。
今日も小雨まじりの一日であった。
そんな天気だからか、最近家の中に守宮が出現する。
群馬に住んでいたころは守宮など見たことがなかったが、
千葉に越してきてからはよく見かける。
先ほども、風呂場の天井に張り付いていた守宮をとって、
窓から外に放り投げた。
蜥蜴よりもずんぐりしていて、かわいらしい。
てのひら、というのが正しいか分からぬが、丸っこくて、
愛らしい形をしている。
つまんで灯下にまじまじと眺めていたら、守宮と目があった。
目は、その瞳は、やはり爬虫類だとはっきりわかる光が宿っていた。

3984声 歯車

2018年10月11日

歯車が徐々に狂っていくときは、歯車が徐々に狂っていることに気がつかないものである。

3983声 その人の酒

2018年10月10日

句集を献本いただいたので、この作者へ何の酒を贈るかここ数日悩んでいる。
なぜ、句集のお返しが酒かというと、私が句集を献本した際、
その人の住む土地の酒をいただいたからである。
土地の酒蔵と懇意にしているらしく、自信を持って贈ってくださったことが、
うれしかったことを覚えている。
私には、自信を持って贈呈できる酒があるだろうか。

3982声 軽みについて

2018年10月09日

 「ザ・モルツ 麦香る3.5%」という缶麦酒を帰り際に買ってみた。このごろよくある「コンビニ限定」らしい。その名の通り、アルコール度数は3.5%と控えめで、軽い。けれども、モルツらしさは感じる。かたや同じサントリーでも「ストロングゼロ」なんて缶チューハイは、一般的なそれよりも、度数9%と高めである。麦酒においては「軽み」や「キレ」が重視されているのであろうか。「プレミアムモルツ」でも「ザ・モルツ」でもない「モルツ」が好きだった者としては、いささかさびしい。

3981声 小走り

2018年10月08日

 体育の日。毎年のことであるが、小走りもせずに終えてしまった。

3980声 スターマイン

2018年10月07日

 車を飛ばして、深谷市の岡部へ。今日、コスモス祭りが開催されおり、夜には花火が上がる。その花火を観に来た。
 十月の花火は夜空が澄んでいるので、鮮やかに見える。その鮮やかさがなんだか寂しく、八月の花火とは違い、気持ちが乗らぬところもある。箸を入れているやきそばもすぐに冷えてしまい、いっそう、興が冷める思いである。それが、この荒涼と畑の広がる景色と合っていると言えば合っているのだが。

3979声 珈琲時間

2018年10月06日

 高知からの帰路。羽田発の飛行機の搭乗時刻までは二時間ほどあるので、高知駅前で時間をつぶそうとするが、よい時間のつぶし方が思い浮かばない。近場のどの観光地に行くにも時間が足りない。こういう時間を上手く使えないところに、旅慣れていないもどかしさを痛感する。仕方なく、目抜きとおり沿いの老舗喫茶店に入った。
 店舗は老舗だが開店して一周年とのこと。姉妹、それとも友人であろうか、五十年配の女性二人がきびきびと立ち働いている。駅前はイベントなどでやや騒々しかったが、店内は体育の日を月曜日に控えた、三連休の初日とは思えぬほどの静けさ。慌ただしく観光するよりも、この香ばしい珈琲は、案外、上手い時間の使い方だったかもしれない。

3978声 ともかくカツオ

2018年10月05日

台風25号の進路も逸れ、ひとまず日本列島に直撃することはなくなったようである。台風特有の蒸し暑さの中、ともかくカツオのたたきを食べた。

3977声 高知へ

2018年10月04日

 高知竜馬空港に着くと、雨が音を立てて降っていた。高知の市街地に来るのは、高校一年生の夏以来なので、かれこれ二十年ぶり。高知駅前はバスターミナルや大型の商業施設などが出来ており、あのころと比べ、格段に都市感が増していた。それでも、はりまや橋方面に歩くと、川沿いの道や路面電車など、当時と変わらぬ面影があった。当時訪れたときは、丁度、日曜市が開催されており、路上にびっしり露店が出ていた。はじめて見た「冷やし飴」と、プラスチックのパックで売られていた、つがいのかぶと虫を買ったことを鮮明に覚えている。
 そのかぶと虫は、その晩に泊まったユースホステルの枕の脇に置いて一緒に寝た。一晩中、かさこそかさこそ、うるさかったが、翌朝目覚めて見ると、パックの中が空っぽになっていた。二匹ともパックをこじ開けて逃げ出していた。


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