日刊鶴のひとこえ

この鶴のひとこえは、「めっかった群馬」に携わる面々が、日刊(を目指す気持ち)で記事を更新致します。現在の担当者は堀澤、岡安、すーさん、抜井です。この4人が月替わりで担当しています。令和元年は、5月(堀)6月(抜)7月(岡)8月(す)9月(堀)10月(抜)11月(岡)12月(す)1月(堀)2月(抜)3月(岡)の順です。

4276声 枝豆

2019年07月31日

自分から枝豆を買って、茹でて食べた。それでようやく、夏が来たことを認めた気分になった。今までになく忙しいと思われた7月は、確かに忙しかったけれど、ボーッとしている時も結構あって、間に合わなかったは多分なかったけれど、先送りにしたことは相変わらず多い。つまりは、いつもと同じ7月だった。

 

明日からここに書くすーさんとは、ご一緒したりしなかったりした諸々が終わったので飲みたい気分でいる。8月中に会いに行こうと思う。

4275声 家族の話

2019年07月30日

後回しにしても、いつか向き合わなければいけない時がくる

 

そんな話をしていたのは戦艦赤城にも乗船した沢渡温泉龍鳴館の故・都筑重雄さんだったか。彼が言っていた後回しにしたものというのはきっと戦争の意味であるとか大きなものであった気がするが、家族の話というのもまさにそうだなと思う。僕んちの母はまだ元気だが、もしもの時はどうするのか、そして父が残したこじんまりとしたけれども多くの植物が生えきっている庭は、母のみが手入れしているその庭は、僕に果たして手入れができるのだろうか。あと・・

 

母も高齢になっており、刈りきれていない松や、この時期縦横無尽に伸びる雑草たちを見てふと思った。ならば今のうちから早起きして庭仕事やれよ、自分。・・いや、まだやらないのだろう。今日も暑い。

4274声 差し入れ

2019年07月29日

シナリオ大賞2018中編の部大賞・笹谷遼平『黄金』と重なるようにして、短編の部大賞・胡麻尻亜紀『15歳の総理大臣』の撮影が中之条町役場で行われた。一応実行委員長的な立場なので、そのタイミングがあれば差し入れくらいはしようと思っていて、『黄金』の場合はコンビニはもちろん何らかの店もない森の中の宿舎にスタッフが長期缶詰状態であることを知っていたので、きっと深夜に腹が減るだろうとカップヌードルを2箱買って差し入れた。夏なのでなんとなくシーフード味とチリトマト味にしたのは我ながらいいセンスだったと思っている。

 

『15歳の総理大臣』の場合は撮影は1日。となれば現場で軽く取れるものだ。東京在住が主なメンバーだと思うので、せっかくなら中之条らしいものが良いと思い、かと言って昼飯が何かも知らない状態で中之条町民のソウルフードである若竹商店のコロッケを昼飯と一緒に食べてくださいと届けるのはマニアックすぎるし、そもそも買えるタイミングが午前10時前で何店かの菓子屋もまだ開く前であった。

 

であればととりあえずコンビニエンスストアに入る。アイス・・食べるために撮影を中断するわけにもいかないので逆に迷惑、袋菓子・・現場の隅には置かれるだろうが数人がつまむだけで残りそう、ペットボトルのコーヒーやお茶を20本ほどカゴに入れた後に、でも1日の撮影とはいえ飲み物は絶対に用意しているはずなので、現場にも自販機あるし、違うか・・と、結局シュークリームを20個ほど買い占め、会社の冷蔵庫にあった小さな保冷剤をその袋につっこみ、差し入れとした。

 

そんなことをしたことを自分でも早々に忘れていたのだが、胡麻尻監督より

 

「疲れた後の甘いモノが美味しくてみんなでバクバク食べました。撮影は無事にクランクアップしましたので、来月からいよいよポスプロに入ります」

 

というメールをいただいた。マメな方である。ちなみに、もう公表されてるので言うが『15歳の総理大臣』には僕ら世代でいうとドラマ「高校教師」の演技が鮮烈な遠山景織子さんが主演をしている。あれから年月が経ちこんな形でお会いできるというもの、映画祭スタッフである特権だと思っている。町外からでも随時スタッフは募集してます・・

4273声 割田下総

2019年07月28日

「中之条真田忍者ウォーク」というイベントの広告を開催開始から5年続けて担当している。例年は中之条ガーデンズ(旧・花の駅美野原)を舞台に手裏剣を投げたり水の上を簡易筏で渡ったり、子どもたちをターゲットとした忍者修行イベントだったのだが、今年はぐーんと渋くなって「吾妻忍者とはどんな集団だったのか勉強しよう!実在した忍者の墓まいりも行くよ!」という歴史ツアーになった。そういうことが好きなコアな参加者の応募はあったということだが全体数が少なめというので僕も参加させてもらった。

 

吾妻忍者とは・・は割愛するが(忍者といえば伊賀や甲賀が有名だが、それに負けない忍者集団が武田・真田の配下として吾妻郡地域で活躍していたらしい)、真田の下で働いていた中之条町生まれの割田下総(しもうさ)という忍者が、戦乱が終わり平和な暮らしになったとたんに荒ぶれて盗みを働くようになり、それを見過ごせなくなったかつての上司に追い詰められ、実在する大岩にかぶさるようにして斬殺され「下総は戦乱の世でなければ生きられなかったのだ、あっぱれな男だった」と死して評価されたというエピソードは印象に残った。沼田市に住む実際の末裔が整地し直したという下総のお墓は、とても立派できれいだった。

 

ふと、そんな大層な歴史は残っているけれど、本当の最後は何の華やかさも大義名分もなく、この山の中で虫けらのように小さく静かに死んでいったのだとしたら、その方が好感がもてるな、などと思ってしまった僕は、ストレスが溜まっているのだろうか。蝉が静かに鳴いていた。

4272声 黄金

2019年07月27日

この山にはたくさんの宝が眠っている。気づかないだけだ。

 

伊参スタジオ映画祭シナリオ大賞受賞作品『黄金』の撮影が始まっています。毎年の関わり合いの中で、シナリオ大賞作品はどれも印象深いのですが、この『黄金』は笹谷遼平監督と共に映画協力者探しに東京を彷徨う経験もし(笑)、関わりも深めなので並々ならぬ思いがあります。

 

過去にも30人の受賞監督がいましたが、ガチなドキュメンタリー畑出身者は笹谷監督が初めて。北海道帯広市の「ばんえい競馬」などを追った笹谷監督によるドキュメンタリー『馬ありて』は今年劇場でも公開されています。ドキュメンタリーから劇映画へ移行した監督というのは、是枝裕和や河瀬直美など、今の日本映画のトップランナー的な方も多く「現実にあるもの、起こったことを、いかにフィクションとして立ち上げるか」が注目されます。その見方で言っても、笹谷監督のこだわりは並々ならぬものがあります。

 

 

この『黄金』は、1965年という時代設定であり、過去日本の山村に暮らしていたとされる「サンカ」と呼ばれた放浪民の物語です。時代設定から言って、ロケーションや映る背景・洋服・モノ・車に至るまで、当時のものを集めるのは用意ではありません。優秀な美術チームの他に、実に多くの町民の方にすでにご協力をいただいています。

 

下見の時から六合入山の山本茂さんにはお世話になってますし、竹カゴを編むおんとし90歳ほどの関完治さん、竹細工の飯塚真澄さんにも何度もお会いしました。今日の上毛新聞でもばっちり写っている川魚は山本秀明さんが釣ってくれたものですし、四万温泉・くれないさんも協力を快諾。隣町からも「昭和のくるま」のみなさんが自慢のレトロカーで協力してくださり、地元の伝統芸能保存会協力による重要なシーンの撮影もあります。そのほか、僕が把握しきれていない協力者も多々いて、なにより映画祭スタッフ・六合在住の諸角よーこちゃんがまるで「自分の映画だ」というような多大な協力をしてくれています。

 

つまりは、人や技術、モノや生き物・・「中之条町がすでにもっていたたくさんの宝を、映画の中で再び立ち上げるプロジェクト」が『黄金』である、とも言えるわけです。

 

 

長くなりましたが、近隣出身ながらなかなか映画祭で関係を持てなかった渋川清彦さんの出演も決まり、さらに期待が高まる『黄金』。11月の上映の際には、関わってくださった町民みなさんやあなたと共に、その誕生を祝いたいと思っています。

〈上毛新聞記事〉

4271声 中村佳穂

2019年07月26日

フジロックフェスティバルなんて、行くことはないけれど(でもあえてこの年だから行ってみたい気も)youtubeで生中継もしているので(フェスは生で聞きたい人がきちんと行くし、行かない人にも届ける意味でアリなんだろう)メインステージ1組目の中村佳穂さんのライブを見た。

 

僕が好きな漫画でさそうあきらの「神童」という漫画があって、少女にしながら天才的にピアノを弾く主人公が「私は、音楽だから」と言い放つシーンがある。中村佳穂さんはまさにそういう人だと思った。曲間の話と歌の間に境目がない。音楽好きの話題に上がってから短期間にしてフジロックの一番目を務めるに至り、今日のステージでますます評価を上げるだろう。

 

ここまで持ち上げておいてなんだが、彼女は特別美人ではないということも良い。顔立ちが良いから魅力的だ、ということではなく、「全身全霊で生きている人は、美しい」ということを再認識させてくれる。

4270声 同意語

2019年07月25日

数年ぶりに会う人みなに
なんか変わりましたね
と言われる。
それは、老けたね/太ったね
と同意語ととって
間違いないかね?

4269声 コメダ

2019年07月24日

前橋で仕事があると、なんとなくコメダ珈琲に立ち寄ったりする。

 

アイスコーヒー
甘みあり・ミルクありを頼み
コーヒーの上に静かにミルクを注ぎ
かき混ぜずにそのまま口をつけて飲む

 

という飲み方を、メニューあるいはネット?で知ってからそれが気に入っている。例えるならすっきりめのコーヒーゼリーを飲んでいる気分。珈琲通からは冷めた目でみられそうではあるが。ごくごく。

4268声 お引越し

2019年07月23日

の手伝いをした。高崎市内間の移動だったので、半日ほどでほぼほぼ移動しきった。駅からは遠ざかる形の引越しだった。仕事も変わるので、引越し主はわりとずっと緊張した面持ちだった。

 

別れて車を走らせた後に、ふと思い出して「新しいアパートの近所には大和屋っていう珈琲屋があって、無料で1杯飲めるし、新しい趣味としてドリップ式の珈琲をやってみてもいいんじゃない?」とメッセージを送った。「本当にありがとう、涙が出てきた」と返ってきた。

 

その通りのことはしないと思うけど、頑張ってほしい。

4267声 小麦

2019年07月22日

ここ数年、食べ過ぎると文字通り仕事にならない。体がずーんと重くなる気がして(実際に重くもなってるんだろうけど)、とにかく眠い。血糖値の問題なのかと思いつつ、血液検査はわりと普通で、胃が弱ってきたのかと思いつつ、改善に向けては何もしていない。特に、ラーメンやパンなどを食べ過ぎると睡眠薬を飲んだような眠気に襲われる。

 

もしや、年齢と共に「小麦」が合わなくなってきているのかもしれないとも思う。実際、炭水化物を抜いた飯の後はだるさや眠気も少ない気がする。ああ、僕の成長はラーメンやパンなど小麦と共に歩んできたようなものなので、ここへ来て生き方のシフトチェンジが必要なのだろうか(おおげさ)

 

ふと「いいか、年をとると話題は健康の話になりがちだ。周囲が引くから気をつけた方がいい」という誰かの言葉を思い出した。振り返れば、ここの連載陣も近年健康に関する話題が増えてきてはいないかい?

 

恋セヨ乙女。おじさんたちはもう、七方塞りである。

4266声 道

2019年07月21日

映画を見ようという話になった
当時だから「ぴあ」とかで調べたかな
中野あたりの映画館に名画『道』を見に行った
デートと呼んでよいのか、仕事以外で初めて会った
その子は自分の首元を気にしていて
このネックレスは友人から借りたの、と言っていた
映画の記憶はほとんどない
それが彼女に会う最後だったという事を知るはずもなく
映画が終わりさらっと別れた後にぼんやりと
公園で騒ぐ若者たちを眺めていた記憶がある

 

あれは、夏だったか

4265声 ニューシネマパラダイス

2019年07月20日

子どもの世界は、映画で広がる。

 

上毛新聞の日曜版に折り込まれている子ども向け新聞「週間風っ子」で、県内の映画好きが子どもに見て欲しい映画を紹介する「みんなに見せたいこの一本」という連載が始まった(第五日曜日がある月のみに連載)。その記念すべき初回にお声がけいただき、先月末に紙面で『ニューシネマパラダイス』(1988/ジュゼッペ・トルナトーレ)を紹介した。

 

お話をいただいた後、マイベストではなく、子どもに観せたい映画・・うーん何にしよー・・と悩んだ末に、僕が通った「日本映画学校」の入学式でこの映画を観せられた記憶が蘇り、連載もはじまりだしある意味「映画のはじまり」的な一本としてこれを選んだ。

 

子どもに推薦したいのは「劇場公開版」で、実は今回コメントを書くにあたってはじめて「完全版」を観た。完全版には、劇場版にはなかった「運命的な恋愛をしたが別れてしまったかつての恋人と再開するシーン」が足されている。それがないなら「映画愛」を描く映画なのだが、それがあることにより「果たされなかった恋」についての映画に印象が変わる。それを「蛇足」とする声も多かったらしいが、いい年をとってしまった僕には完全版の未練タラタラ感がやけに刺さった。

 

新聞記者には話さなかった話として、記事の最後に「映画はいいものです。好きな子を誘って映画館に行ってみてください」などと言っているが、僕自身はそれができるまでに24年かかったので、クラスの隅の冴えない男子もめげずに生き延びてほしい。

4264声 子どもは宇宙を抱えている

2019年07月19日

今日からアーツ前橋は、ただならぬことになる。

 

夏の企画展「山本高之とアーツ前橋のビヨンド20XX展 未来を考えるための教室」において、子どもが自分の願いをプラカード行進という形でアッピールする「チルドレンズ・プライド、前橋」と、アーツ前橋の学芸員たちが美術館を飛び出し文字通りの海の荒波に揉まれるという学芸員ファンにはたまらない(!?)映像の撮影・編集を担当させていただいた。

 

また展示導入部には各学芸員が過去現在の活動を振り返る展示もあり、2018年から僕も撮影で関わってきたアーツ前橋「表現の森」事業のひとつ、中島佑太くんが南橘団地の子どもたちと協働してきたVTRも初公開されている。

 

◼︎

 

今回、山本さんと中島くんという2人のアーティストのアプローチに接する事が出来て、子どもが抱える小宇宙(大人になると消えてしまう)をクリティカルに批評し作品化する山本さんと、ビックバン的に規制なく膨張させる中島くんのアプローチの違いがめちゃくちゃ面白かった。・・ってその説明よくわからないよって方は、ぜひぜひ現場で見てみていただきたい!

 

また、このビヨンド展と並行して行われる「Art Meets」は今回地下で展開され規模がスケールアップ。本場中国での長期滞在を経て館内に縦横無尽に走り回る馬を描いた門馬美喜さんの水墨画や、「美術を見る」という行為を痛快に批評するやんツーさんのメディアアートは、それ単体を見にきてもお腹が膨れる気合いの入れようです。

 

時は20XXの今、アーツ前橋で巻き起こったこのただならぬ感じを目撃しない手はない(特に大友克洋「AKIRA」が好きな人には堪らない世界観っス)。体験して下さい!

http://www.artsmaebashi.jp/?p=13695

4263声 むしろとパピコ

2019年07月18日

今月行われる映画の撮影で使うかもしれないということで、「むしろ」を大量にお借りした。草で編まれたそれは、過去には敷物や日よけとして使われていた。そういうものに詳しい元地域おこし協力隊の古川葉子さんや丸伊製材のお母さんは、これは○○で編んであって、これは○○で編んであるね、とすぐに判別できるようだが(藁や菅じゃなかった気がする)、僕が見ても違いはわからない。

 

ここ丸伊製材は、すでに製材業としての仕事は畳んでおり、けれど職人だったお父さんは今でも屋号付きのはっぴを粋に着こなしたりして、過去には中之条ビエンナーレの会場としても使われた。家主のご夫婦の人徳が厚く、今もビエンナーレ作家たちはご夫婦を慕い時たまここに集まっている。

 

「ほら、疲れたでしょ」と丸伊のお母さんがパピコを持ってきてくれた。それをチューチュー吸いながら、皆が楽しそうに話すのをぼんやりと眺めていた。

4262声 編集

2019年07月17日

会社に泊まる日が多かった。近年メインになっている映像撮影・編集の仕事。撮影は、日も時間も決まっているので「もっとうまく撮れたな」という後悔こそあっても割と滞りなくこなしている。問題は編集で、撮る内容によっては撮影の数倍時間がかかるものもあり、段々と「編集待ち」の案件が増えていく。日中は何かしら仕事や用事があるので、夜エイっとやることが多い。

 

いわゆる映える映像は得意ではない。どんな映像を撮るの?と聞かれると「ドキュメンタリー的なものが多いです」と答える。実際、インタビューやイベント撮影、観光映像など実際にある場所・人を撮影することがほとんどだ。それでつい最近まで「多少たいくつでも(僕自身はたいくつじゃないのだけど見る人が、ね)間や現場感を大切に繋ぐこと」を良しとしていて、その真逆にあると思われる「youtube的な言葉の余白をカットしてまくしたてる映像」は嫌だなとさえ思っていた。

 

けれど、今携わっているアート系の映像で、作家から「言葉の余白をカットしてテンポよくやってみよう」と指示をもらい、やってみたところ単純に面白くなった。ああそうか、やってみなきゃわからないもんだなと。

 

「違和感なく現場に入り込み、その場で起きたことを丁寧に撮影で汲み取り、編集によって大事なことにフォーカスを当てられる」というのが僕の仕事に対する好意的な意見である。今後はそれに意識的に「面白さ」を加えてみようと思う。世の流行りに迎合するのではなく、もっと良い仕事がしたい。

4261声 咲耶美

2019年07月16日

新宿ルミネイベントには多くの「メイドイン中之条」が販売されたが、個人的に再認識したのは貴娘酒造が造るセカンドブランド「咲耶美(さくやび)」の飛び抜けた新しい日本酒感だった。

 

咲耶美のことは、このめっかったでも書いた気がするし、蔵元がある中之条町で唯一購入できる「平形酒店」に行けば僕の顔を見て店主に「咲耶美ね」と言われる程度には買っている。と言っても自分で晩酌する用ではなく、映画やビエンナーレの集まりがあると持っていって「この町で造ってる酒なんです!」と僕自身何もしていないにも関わらずドヤ顔で勧め、「何これ美味しい!」という反応を聞くことを快感としているのだ。タチが良いのか悪いのか。

 

ルミネでは、このイベントが実現するきっかけを作った高崎生まれの本木陽一氏が「口に広がってストンと落ちるそのタイミングが絶妙」みたいな賛辞を送っていた。僕は昔から本木さんのそういった直感力?感受性を手放しで受け入れるたちで、それならばそうなのだろうとまた(僕自身何もしていないのに)得意になってしまった。そんな本木節を聞く咲耶美作りの当事者・貴娘酒造の吉田さんとその奥さんが嬉しそうなのもよかった。今後、さらに広がる酒だと思う。

4260声 役者はそろった

2019年07月15日

先日、群馬きっての風来坊と話していて、彼が「高崎には誰がいて、前橋には誰がいて、館林には誰がいて・・プレイヤーが見えるから面白い」と話しているのを聞いて、なるほどそうだよなと思った。群馬に戻ってすでに15年以上が過ぎ(早い)、僕自身同じようなことを思っている。頻繁に会わなくても、SNSなどを通して「ああ、あの人相変わらずやってるな」と思い、なんとなく「同じ何か」も共有している気になって、仕事や飲みで会えば1~10でいうところの5以上から始められる、そんな人が幸せなことに複数人いる。

 

では、自分の足元、中之条町で考えた時はどうだろうか。野菜を作っているあの人がいる、牛を飼っているあの人がいる、石を彫っているあの人がいる、移住してきたアーティストがいる、一風変わった観光協会員がいる、四万温泉に顔が効く人がいる、イベントにも顔を出せる商売人がいる、わざわざ野反湖でフェスをやる人がいる、山の中で伝統工芸を続けている人がいる、政治の舞台で奮闘している人がいる・・いい感じの顔が次々に浮かぶ。僕が知らなかっただけもあるが、なんだ中之条町の中だけだって役者が揃っているじゃないかと思える。

 

ルミネでのイベントは、中之条町民が力を合わせるとこれくらいのことはできる、という試みだったとも言える。イベントを繰り返す必要はないが、何かあった時はお互いに関係し合い、「この町は暮らしがいがあるな」という人が一人でも増えたら嬉しいし、関係し合える一人になりたいと思っている。

4359声 職業監督

2019年07月14日

「旅ルミネ meets 中之条」には、「伊参スタジオ映画祭」の宣伝のために参加したのだった。

 

今でこそ映画祭の実行委員長などしているが、2000年に行われた第一回目の映画祭には、たまたま客として出かけた。映画学校に通っていたが、撮影のために地元中之条町に戻っていた。この映画祭の成り立ちを簡単に説明すると、1996年に『眠る男』(小栗康平監督)と『月とキャベツ』(篠原哲雄監督)という2本の映画が公開され、その撮影地だった中之条町に『月とキャベツ』主演の山崎まさよしさんのファンなどが数多く訪れることになった。そして撮影拠点となった木造校舎には資料展示室が設けられ、地元の町おこしグループと山崎さんファンがチームとなり、中之条町役場の全面的なバックアップにより映画祭が立ち上がったわけである。

 

その映画祭の立役者として外せないのが、篠原哲雄監督である。篠原さんはとにかく面倒見が良い。映画祭発足時も、山の中の名もなき映画祭に俳優を呼んだり、知り合いの映画人づてで上映する映画を推薦したり、その後はシナリオ大賞という骨の折れるシナリオコンペの審査員も15年以上続けてくださっている。このルミネのイベントでも「映画祭でトークしていいらしいんですが、来てもらえませんか?」と送ったら「その時なら行ける」と即答いただいた。実際今日のトークでも篠原さんファン、山崎さんファンが新宿まで来てくれた。

 

日本アカデミー賞にもノミネートされるような監督だが、その風貌は周りを和ませる熊さんのごとし。現場でも真剣でこそあれ荒れるところも(僕は)見たことがないし、その日集まったエキストラにも丁寧に芝居のアドバイスをしたりする。「僕は脚本を書かないし、依頼があれば学園ものでも時代劇でもやる。職業監督なんですよ」という篠原さんのことを、年を隔てるごとに僕自身も好きになっている。


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