5368声 茂さん

2023年02月18日

六合入山の山あいに、山本茂さんは暮らしている。年は70を越えているが、お元気。数年前、六合山岳会に混ざらせてもらい、茂さん等とチャツボミゴケ公園から吉ヶ平ヒュッテまでスノーシューで歩いた。片道6時間くらいをかけての雪山横断だったが、僕はヒーコラ―ヒーコラ死にそうになっていたものを、茂さんは山の精のようにひょいひょいと、細身の体で顔色を変えずに行き来していた。

茂さんは、六合地区に伝わる昔語りや、おんべーやなどの伝統行事を調べ、記録に残す活動もしている。僕も何かある度に家に伺い、六合の昔を聞いてはへー、ほーっと関心ばかりしている。小学校存続で意見が飛び交うなど、六合も高齢化が進む地域。今のままでは良くないという思いも、茂さんの話の所々に見てとれる。

今回のお伺いはインタビュー冊子の取材であったが、六合に移住をしてきた夫婦にも声掛けをして、彼らと茂さんとを引き合わせた。それがすぐ何かの形になるわけではないが、そういうおせっかいもありつつ、地域の未来を作っていくものは「そこに住む人たちの覚悟」以外にないのではと思ったりもする。