日刊鶴のひとこえ

この鶴のひとこえは、「めっかった群馬」に携わる面々が、日刊(を目指す気持ち)で記事を更新致します。現在の担当者は堀澤、岡安、すーさん、抜井です。この4人が月替わりで担当しています。令和2年は、5月(堀)6月(抜)7月(岡)8月(す)9月(堀)10月(抜)11月(岡)12月(す)1月(堀)2月(抜)3月(岡)の順です。

4406声 解除

2020年05月17日

休業要請の解除は昨日16日からだった。まちなかの往来も駐車場の車の数も急に多くなったと思ったら、そういうことだった。家にいなさいと言われればいて、出ていいよと言われれば一気に出る。こんなところで同調力の強さを感じてしまった。うちはと言えば、むしろこのひと月半くらいで新たに冷蔵庫の工事を始めたり、店のメニュー改定と準備をしたりしていて、そこにコロナ対応が加わったから、むしろ今ごろ疲れが出てきた。スタッフになにか言うのも疲れるから言いたくないくらい、できるんなら仕事を離れたい。あと少し、店のリニューアルと補助金申請が終わったら、少しだんまりを決め込んで、ステイホームしたい。

4405声 ビールと料理

2020年05月16日

朝から仕込み。5時にはもう明るい。ずいぶん日の出が早くなった。今日は久しぶりにスタウトの仕込み。最後に仕込んだのがヨーロッパに行く前だから、8ヶ月ぶりくらい。麦芽が新しくなってバリエーションが増えたから、全く違うものができそう。レシピを考えるのも楽しい。11時前には終わった。これから少し休憩して、ザブンで仕込み。こちらは料理。週に4日店をやって、加えて醸造を止めずにし続けるのは結構ハード。雨が降ってきた。

4404声 父との会話

2020年05月15日

親父から電話があった。電話などめったにかかってこないのだが、こんな時だからドキッとする。つい先日も、お袋が突然LINEでグループを作った。弟とその嫁、中学3年生の孫に私も。グループの名前が、「親族」。何かあったのかと思ってしまうが、未だとくに説明もない。そんな矢先に親父から電話。もう1年以上話をしていない気もする。去年1度くらいあったかどうか。「元気かい?もう心配でさ。お前の商売が大変だってずっと言ってるから」とてもはっきりした口調で、早口だし、まったくボケてる感じはない。俺は元気で、ビールがあることでお客さんが買って帰ってくれるから助かっている、という話をした。それでも「そうか、いや心配で心配でさ」と、何度も言われた。とても心配してくれていたらしい。「それよりお父さんの方が心配だよ」思わず本音を伝えたが、「いやお父さんは生きてるから大丈夫だよ」だって。得意気だった。冗談を言える元気があってよかった。親父に限らず、近しい人が元気でいてくれる、それだけで人生は明るくなる。

4403声 酒

2020年05月14日

昨日は断食の日、のはずが、飲んじゃった。飲んじゃったなぁ。今飲んだらきっとおいしい、という体調になってしまった。案の定、おいしかった。酒がおいしいとき、世の塵も自分の垢も、全部洗い流してくれる。やっぱりアル中なのかなぁ。結局いつも側にいるのは酒。本当に感謝している。

4402声 母子の棲家

2020年05月13日

ザブンを改装しようと思い、店内をああしてこうしてとぐるぐる考える。ひとまず今の椅子を改造して、壁際に小さめのテーブルを作ることにした。朝自宅の駐車場で椅子の採寸をしていると、倉庫の側でカサカサと音がする。覗いてみると、子猫3匹と母猫が、寝ぼけ眼で寄り添って寝ていた。母猫も眠そうだが、次第にこわばった顔つきになり、こっちを睨んでいる。子どもたちはまだよちよちあるきである。毎年我が家には、同じような猫の家族がやってくる。決まって母と子の母子家庭ばかり。父親はいったい何をやっているのか。駐車場はいらないものが置きっぱなしだったり、庭は雑草だらけだったりするので、野良猫には好都合なのだと思う。毎年生まれても、全部が残るわけではない。そのいなくなった猫たちはとこへ行くのだろうか。若松町は野良猫が多い。

4401声 いち蔵へ

2020年05月12日

久しぶりにいち蔵へ。マスターもおかみさんもマスクをしての営業である。いち蔵もGWに10日間休んだとのこと。その間もマスターは、家のペンキ塗りをしていたそう。働き者に休みは関係ないのだな。メニューの数はいつもより少なめの中、ビールに刺盛りをいただく。お通しにもつ煮。これがまたおいしかった。お客さんが戻るのはいつになるのか。

4400声 緊急事態の静かさ

2020年05月11日

8時過ぎに起きて、瓶詰めから明日の仕込みの麦芽粉砕までひと通り。そろそろ夕方。今日は暑い。醸造所の中まで温度が上がる。珈琲を飲みにロイヤルホストへ。今日はアイス珈琲にした。アイス珈琲もうまい。この2週間、群馬は新しい感染者が報告されていない。他の県も、多くが拍子抜けするくらい、出ていない。しかし夜の街はほとんどの店が閉まっていて、静まり返っている。我々はいったい何をやっているのだろうか。ひと息ついて、この静かな店内に心地よさを感じてしまったら、もう少し緊急事態のままでいいと思ってしまう。

4399声 母の日

2020年05月10日

今日は予約が重なった。日曜日のみ予約が多い。木曜日に、若い女性から予約を受けた。 「予約をお願いしたいのですが」 「いつになりますか?」 「今度の日曜日にお願いします。未成年なんですが、未成年でも買えるものありますか?」 「持ち帰りは寿司なんですけど、寿司で大丈夫ですか?」 「はい大丈夫です。母の日にプレゼントしたいと思いまして」 「お母さんはお酒飲むのかな?」 「そちらで飲んだビールが好きなんです」 買いたいのは、きっと寿司というよりも、ビールだったんだよね。持ち帰りでビールが買えることを、おそらくインスタグラムか何かで見たのかな。未成年の自分がビールを買っちゃいけないことをわかってて、でもお母さんには自分が買って届けたい一心なんだよね。かれこれ20年以上も予約の電話を受けてきたが、まさか予約の電話で泣きそうになるとは思わなかった。ビール始めてよかったな。

4398声 一日を整理する

2020年05月09日

朝醸造所で仕事をして、その後ザブンへ行って仕込み。8時を過ぎたらロイヤルホスト。これが日課。サラダモーニングをトーストで。英国風パンにもできるが、あの薄切りトーストが好き。珈琲は2種類ある。ハンドドリップで淹れたものがポットに。あと機械がその場で淹れる珈琲と。ハンドドリップは毎日味が違うが、ハンドドリップのよさ、みずみずしさがいい。機械のもこれがまた十分おいしい。どちらもそれぞれいい。お茶類はティーバッグだが、種類がたくさんある。アップルシナモンティーか黒豆ほうじ茶が定番。珈琲2種類とお茶2種類を、その時の気分でいただく。いただきながら、今日一日を整理する。ロイヤルホストはほんとに、ロイヤルなホストである。

4397声 やり直そう

2020年05月08日

市場へ行ったらおいしそうなメジ、平目があったので買ってしまう。赤貝と帆立も。こんなに買って売れるのかわからないが、買わないと売れない。魚をどんどん買おう。買って、できるだけ価格を抑えて売ろう。自分がおいしいと思うときは、どうですか?と聞こう。聞いて、ニヤリと笑おう。そして、またよろしくお願いしますと、さりげなく言おう。お客さんとの関係を、全部一からやり直すつもりで。

4396声 コロナウイルスとは

2020年05月07日

コロナウイルスとは何なのか?私なりに考えた結論がある。コロナウイルスは新種のウイルスのため、ワクチンがまだない。ワクチンがない中での解決策は、言い方が強引かもしれないが、ウイルスにかかる、しかない。仮に日本中の人が一時的に活動を停止できたとしても、一時的に減りはしても、ゼロにはならないだろうから。 次に、コロナウイルスの何が最も辛いか、である。そこを考えないと一歩も前に進まないことに、ある時気がついた。私にとってコロナウイルスの何が辛いかと言えば、自分がかかってそれを他人に移してしまい、自分が生き残り、その人が死んでしまったとき、だと思う。あるいはその人に、なにか後遺症のようなものが残ってしまったとき、もあると思う。 コロナウイルスに関して、いろんな恐怖がある。自分がかかって苦しい思いをする。自分が死んでしまう。他人に移してしまい、その人が苦しい思いをする。これらももちろん辛いが、苦しい思いをしても回復ができたならば、それは解決にもなる。自分が死んでしまうと終わりだが。 だから私にとってのコロナウイルスとは、人に移してしまいその人が死んで私が生き残ってしまったら、もしかしたら自分が死ぬよりも苦しいかもしれないもの、である。それ以上でもそれ以下でもない。最期に立ち会えない、など、考えただけで辛い。

4395声 断食

2020年05月06日

連休最終日。人生で初めて経験する静かなGWは、今日で終わり。高崎のまちなかは、5/6まで休業と貼り紙をして休んでいる店舗がほとんどである。はたして明日から、街に人は戻ってくるのか。少しずつ、だましだまし、そういう再スタートなのだと思う。だがそんな調子で、庶民の生活はいつまで成り立つのか。コロナの感染者よりも、生活の成り立たない人の方が増えるんじゃないか。こんな状況に、私はもうずいぶん慣れてきた。社会実験に参加している気分。それは身近な人に感染者がいないからだろうと思う。感染者が出れば、動揺するのだろうなと思う。しかしそうだとしても、私を含めた、いつ出るかわからない身近な感染者を恐れ続けるには時間が長すぎる。慣れてきてしまった。この2ヶ月間、週に一度だけ断食をしている。水以外飲まず食わずで1日を過ごす。なかなか大変だが、自分を落ち着けるには必要な日でもある。前のめりな自分に待ったをかけて、冷静になることができる。コロナ渦のこの状況も、ある意味では断食に違いあるまい。断食は、やると脳で決めないとただの苦痛にしかならない。遊びも仕事も遠慮なくしたいと思えば思うほどじっとしていることにストレスがかかり不健康になってしまう、という今の状況と同じだ。今日は断食の日。仕事も昨日で一旦きりがついたので、ゆっくりする。

4394声 麦芽の味

2020年05月05日

朝から仕込み。今日から新しい麦芽に切り替わる。麦芽は仕込みの度に3種類〜6種類を使う。その種類のすべてを、毎回仕込みの前に食べる。今回はラガー麦芽、ライ麦麦芽、カラメル麦芽、デキストリン麦芽の4種類。新しい麦芽はどれもはじめての味で、どれもおいしかった。それだけで嬉しくなる。温度調整をしながら、味をみながら、丁寧に仕込んだ。麦汁の香ばしい香りがちょっと今までと違う。順調に終わった。集中できた。あー、やりきった。

4393声 仕事を詰め込む

2020年05月04日

いよいよ疲れが溜まっている。昨日は仕事中立っていられず何度も椅子に腰掛けた。なのに仕事のあと醸造所で飲みすぎて、今日は少し遅めの起床である。朝醸造所に行ったら、ケグの上に食べ残しの干し芋を発見。いい歳をして恥ずかしい。瓶詰めを30本やって珈琲館へ。久しぶりである。このところモーニングはロイヤルホストと決まっていたが、ロイヤルホストが5/6まで店内営業を閉じているので珈琲館へ。開店直後だが、普段より多いかもしれないお客さんの数だった。皆静かに過ごしている。これからもずっとこのくらい静かでいてほしい。醸造所に戻りケグ詰め、タンク洗浄、熱湯消毒。日が暮れる前に、ジョギングへ。こちらも多くの人が土手を歩いていた。戻って麦芽粉砕をする。これで、明日仕込みができる。この忙しいスケジュールもあと少し。

4392声 寿司トレーニング

2020年05月03日

朝も暗いうちから仕込み。新しい麦芽が大量に届いたため、古い麦芽をなんとかしたい。古い麦芽だけを組み合わせて、過去にないレシピで仕込んだ。古麦芽一掃ビールである。予想以上に糖度が上がらなかった。phもかなり低い。でもこれはこれで、どんな味になるか楽しみである。ザブンへ行ってシャリの準備。シャリ酢の配合も米の配合も少しずつ試す。酢が違うだけで、米が違うだけでとても変わる。寿司はシャリである。うまいシャリが作りたい。毎日、寿司トレーニングだと思ってやっている。

4391声 上達している

2020年05月02日

朝から昨日やり残した発酵タンクの洗浄をする。熱湯消毒、麦芽粉砕までやる。4月の半ばから、週のうち4日はザブンで一人営業をやっている。連休に醸造仕事が集まってしまったため、この数日は朝〜昼過ぎまで醸造所、昼過ぎ〜夜までザブン、というスケジュールになった。余裕はないが、楽しくやっている。体調がいいから楽しくやれるのもある。加えて、料理と醸造のレベルが楽しめるだけのところになってきたという感覚もある。上達が楽しい。

4390声 コロナの現実感

2020年05月01日

3ヶ月前には思いもよらなかったことが起きている。ズーム飲み会、なんていうのは3ヶ月前の日本にはなかった。コロナウイルスにかかる人かからない人、高熱が出る人、呼吸困難になる人、死んでしまう人、なんの症状もでない人。目に見えないものの伝染が、人間を怖がらせる。死ぬのが怖いのか、苦しむことが怖いのか、もはや何が怖いのかもわからない、なのか。街は静かで、人は人との距離を保ちながら動いている。私にはそれが心地いい。幸い群馬県は感染者数が少ない。そんな日々が続くと、いったい自分が何に怯えているのかわからなくなってくる。5月に入って急に気温が上がった。たんぽぽが至るところで咲いている。緊急事態の現実感が乏しくなっていく。

4389声 淡々

2020年04月30日

ここ数年4月を担当しているが、卯月は気持ちがフワフワしていてどうにも筆も落ち着かない。クラス替えのある学生みたいな境遇である。今、ひと月を思い返せば、喜怒哀楽はあるものの、これはこれで割と楽しいもの…とするしかない。ウィルス騒ぎで痛感するが、大切なのは生活を守ること。変わり映えのしないように見える日常を淡々と生きること。