榛名山が薄っすらと雪化粧していて美しい朝だった。高崎も山沿いは雪だったようだ。
フロントガラスの隅に雪を蓄えた車を数台目撃した。うちのまわりは雪の欠片もなく、雪を蓄えた車は自然と目につく。高崎ナンバーである。
そういえば、雪化粧している榛名山も見えている部分の三分の二くらいは高崎だ。
高崎の広さを実感した3月のはじまりである。
2024年03月01日
榛名山が薄っすらと雪化粧していて美しい朝だった。高崎も山沿いは雪だったようだ。
フロントガラスの隅に雪を蓄えた車を数台目撃した。うちのまわりは雪の欠片もなく、雪を蓄えた車は自然と目につく。高崎ナンバーである。
そういえば、雪化粧している榛名山も見えている部分の三分の二くらいは高崎だ。
高崎の広さを実感した3月のはじまりである。
2024年02月29日
毎年新年を迎えるとなんとなく、今年の目標はなんだろうと考える。ここ数年はずっと同じで、「整理する」ということが目標だった。整理する、つまり整理したいなんて思うのだから、そもそも抱えているものが多いのだろうと捨てることから始めた。ちょうどコロナの時期だったためずいぶんと捨てて、モノから何から、それこそザブン閉店もその一つかもしれない。モノを捨てていて感じたのは、捨てるべきは捨てたモノではなく、抱えてしまうクセなんだと気づいた。クセを意識できたのはよかったし、抱えてしまうことの他にも自分の中でわかっていないクセっておそらくたくさんあって、それはわかっていないと恥ずかしいということであることが多くて、いずれにせよ自分のことはわかりにくいが、他人を見るとそう思う。整理する、はここ数年の目標で引き続き目標だが、これとは別に今年になってから始めたことが2つある。1つは1日1レシピノートに書くこと。本やネットでレシピを調べることはよくするのにそれをまとめることをしてこなかった。昨日の時点で59レシピある。大事なのはレシピの数ではなく、それらを相互に結びつけていくことだと改めて思う。もう1つは、1日1つ惹かれたものをノートに書くこと。日々限られた仕事に向かっていると、いったい何に惹かれ、何にいとおしさを感じ、大事にしたいのかがわかりづらくなる。なので書いている。箇条書きで前後のつながりがわかりにくいがこんな感じで。山高帽に垂らしかけマフラー、余所行き、満開の山茶花、クリスマスツリー、どんど焼きのてっぺんのダルマ、決まり悪さ、続かない羽根つき、健気、ノージャッジ、仲の良さがわかるエピソード、おのろけ=あたたかさ、ラーメン屋のアルバイトの女の子、「こちらから失礼しますがお使いください」、トラクターに乗ったまま一服するおじさん、麦踏み、中央分離帯の枯草、隙間なく生えたまま枯れている、風の止んだ川べり、散歩する女性、自転車の練習青年、飲まなかった翌日の私、真っ白に化粧した浅間山、、。つい嫌なことを書きがちになるが、大切だと思えるものをなるべく書くようにしている。
2024年02月28日
今日も風が強い。明日の市場はまた魚が少ないかもしれない。このところ時化続きである。船が出られないのは雨や雪のときばかりでなく風が強いときも出られない。こればかりは仕方がない。夜は食品会社のお客様。食の知識の多さから口に入った物を言語化することまで、職人目線で会話をされるお客様だった。会社の規模の大きさから、社長は経済先行の雰囲気かと思っていたらそんなことはなかった。裏を返せば、こんな職人気質の方が会社を大きくされたことが凄いと思う。
2024年02月27日
風の強い一日。冷たい北風が窓にぶつかる。気温が低くとも花粉の症状がある方は敏感に反応してしまいつらそうである。私はまだマシなほうなのか。今日は予約の時間を間違えてしまい大変だった。方が始まって初めてのことだと思う。準備ができていたのでこなせたが油断は禁物。油断なんてしていないのにね。
2024年02月26日
午前中は動けたが午後はぐったり。疲れが出るのも歳とともに遅くなる。日用品の買い出し、包丁を研ぐなどして過ごす。少し前に自転車のブレーキが切れてしまい後輪のブレーキが効かない。もともとブレーキの調子が悪くだましだまし乗ってきたがこれ以上は危険である。近所の自転車屋を周り手頃な自転車を探すが、なかなかない。いったん諦めてビールを飲むことにした。
2024年02月25日
遅くまで寝ていて家で過ごす。外は雨。家の中の気温もなかなか上がらない。夕方近くなりようやく外に出た。出た途端に鼻水が出る。花粉か。寒さか。本庄までワインを飲みに電車に乗る。手頃な値段で質の良いワインが飲める店がある。マスターの話を聞けばどれだけ仕入れに気を配っているかがわかる。豊富な経験からくる話の引き出しは、こちらの希望なだけ開けてくれる。「春はアリゴテですよ」値の張るピノやシャルドネを造るドメーヌもアリゴテはリーズナブルだと教えてくれた。強めの酸と仄かな苦みは春にこそ似つかわしいと。話を聞きながら飲むお酒はひと味違う。
2024年02月24日
いつもと違うコースの要望を受けて一杯の仕込み。日本料理のコースでと言われたがどうするか。鮨のコースも焼き物、揚げ物あり日本料理の要素はあるがそれ以外となると、やはり鰹出汁中心に組み立てる。久しぶりに吸い地を合わせ、締めには雑炊を作った。久しぶりだがおいしいじゃないか。ここ数日普段と違う集中の仕方をしたのでおそらく明日はぐったりだろう。素敵なお客様達とのスピーディーな時間。いつもこちらがいい時間を過ごさせてもらっている。料理に出会えてよかった。
2024年02月23日
仕込みが満載の一日。数が多くどのくらいあるか把握ができないため、こういう時は片端からやっつけていくしかない。どのくらいまでかというと把握ができる数になるまで。ペースが大事。自分のペースで。夜のお客様は半年ぶり3回目のご来店。食べることを楽しんでいるのは目の前で料理しているからよくわかる。毎回真剣勝負。ゆっくりしていただけて、少しでもおいしかった記憶が残ったら嬉しい。
2024年02月22日
市場へ。4kgのクエを半身で購入。メジマグロもよかったのでこちらも購入。こうしていつも予定以上に買ってしまう。昼過ぎに土鍋を取りに実家へ行く。こなつがいなくなった実家は寂しい。隣の幼稚園に捨てられたいたのを拾ってきたのは22年前。ツツジの枝の間に挟まって泣いていた。随分長く生きた。人間に置き換えると100歳を超えるようだ。少食で大人になってからも身体は小さく、気が向けば擦り寄ってくるが抱かれるのを嫌がる猫だった。とにかくかわいかった。
2024年02月21日
朝のコメダ珈琲。出来立てだろうかゆで卵が柔らかくおいしい。さてノートとペンを取り出して日常の整理でも、と思っていたが、頭が働かない。もう少しゆっくりしよう。向こうの席では白髪の老婦人が静かに朝の時間を過ごしている。
2024年02月20日
今日は初めて米を使ったビールを仕込んだ。使ったのは酒米15kg。それに対して麦芽は30kg。先月パンを使ったビールを仕込んだときにスムーズだったから今回も期待していたがそうはいかなかった。15kgの米は研ぐだけで難題。その後おかゆにするのも焦がさずに仕上げるのが難しかった。粘性が強いため常に焦げやすく、いちいち詰まる。いつもより糖化時間を長めにとって切り抜けた。初期比重は1.084。今までで最も高い。アルコール度9%くらいまでいくかもしれない。
2024年02月19日
古くからの友人が来店。小さかった娘はもう成人していて、最近の写真を見せてもらうが面影を見つけるのが難しいほどだった。「一緒に旅行に行ったの覚えてる?」と聞かれ、そういえば京都に旅したのを思い出した。20年前になるのだそう。今の生活はよくは知らないが、大変な思いもした人たちだけにせめてこれからは穏やかな暮らしを願っている。
2024年02月18日
ビールの仕込み。最近は倉林くんに手伝ってもらうことも多くなり助かっている。ビールも料理も新しいレシピに慣れていくまでの時間が必要だが、後ろから、以前のようには多くの仕事がこなせなくなる時間が追いついてきて、あっさりと追い越されることも増えた。これから増々追い越されてゆくのだろう。がんばれ。
2024年02月17日
午前中はビールの連絡整理、午後は夜の営業へ向けて仕込み。仕込みは食材の数以上にある。1日の営業でどのくらいのノルマを越えれば開店に辿り着けるのか数えてみた。1.ズワイガニ/2.もずく/3.デコポン/4.長芋/5.加減酢/6.マナガツオ/7.芽キャベツ/8.干柿/9.香茸ソース/10.マカジキ/11.塩麹/12.あん肝/13.大根/14.浅葱/15.金柑/16.醤油麹/17.マハタ/18.ふぐ白子/19.菜の花/20.山ごぼう/21.つぶ貝/22.一本しめじ/23.山うど/24.ふきのとう味噌/25.マグロ/26.サワラ/27.サバ/28.コハダ/29.イワシ/30.赤貝/31.ヤリイカ/32.ウニ/33.アナゴ/34.わさび/35.煮切り醤油/36.煮ツメ/37.卵焼き/38.シャリ。このくらいはある。ウニは盛るだけ。その他は手数の必要なもの。同じ状態は続かず刻々変わるから目は離せなくなる。
2024年02月16日
5:30に起きて市場へ行って帰ってきてそのまま仕込み。途中で椅子に座る時はこれからやることの整理の時間。営業が始まるまでに6時間は仕込みをする。これは手を動かしている時間。その時間の中に買い出しや食事、連絡のやり取りは入らない。仕込みが多い日はなるべくビールやその他のメールを見ないようにしている。頭の中がごちゃ混ぜになるから。隙間のない一日を今日も無事終えることができた。
2024年02月15日
昨日豆を浸した珈琲ビールを105本瓶詰めする。なるべく一度利用した瓶を再利用していこうと思い一昨日から瓶の洗浄をしているが、これが思いの外手間取る。慣れるまで仕方がない。それにしても今日は頭が重い。昨日コンビニで甘いものをいくつも買い込み、ほぼ全て食べてしまった。こういうことをやってはいけない歳である。そろそろ懲りろ。また今日から糖減らしをやる。糖断ちではなく糖減らしというところが甘い。
2024年02月14日
珈琲ビールの仕込み。ビールに豆を浸して5分毎に味を確かめる。最初は珈琲豆の香りと仄かな旨みがビールに移行する時間が15分ほど続く。20分を過ぎたあたりで香り以外の豆の要素が一気に出てくる。珈琲とビールのそれぞれが持つたくさんの味、要素のせめぎ合い。どこで止めるか迷う。今回は22分で漬け込みを止めた。珈琲の香りがしっかりする甘やかなピルスナーができそう。ヒットの予感。
2024年02月13日
キウイのビールの瓶詰め。皮ごと煮込んだので渋みも出ている。ドライホップをしてもよかったかもしれない。マンゴーやパイナップルに似た香りのモトゥエカが合いそう。方を始めてから、目の前の食材をどうやったら最もおいしく食べられるかを考えるようにしているのだが、そうすると自然と味覚が意識的になり、足りない味やいらない味が思いつく。例えば蟹に柑橘を合わせるときは文旦より日向夏の方が調和するとか、蟹でもセコと大きくなったズワイでは加減酢の割合も違う。何事も、意識を向け続けることで解像度は増す。