日刊鶴のひとこえ

この鶴のひとこえは、「めっかった群馬」に携わる面々が、日刊(を目指す気持ち)で記事を更新致します。現在の担当者は堀澤、岡安、すーさん、抜井です。この4人が月替わりで担当しています。平成30年前半は、5月(堀)6月(抜)7月(岡)8月(す)9月(堀)10月(抜)11月(岡)12月(す)1月(堀)2月(抜)3月(岡)の順です。

3789声 食生活

2018年03月29日

昨年頭にひどく体調を崩し、この春も肩から肘にかけて不調をきたしたことで、「僕ももう正真正銘の逃げも隠れもできないおっさんなんだな」という諦めを抱くと共に、夜22時に濃厚とんこつラーメンを食べたり、会社向かいの唐揚げを常食するのは辞めにしないといけないなと思った。そんな思いで手に取った本は、明確に「体にいいもの、悪いもの」が書いてあるやつだった。信じ切ったわけではないけれど、文章を読んでくださっている方への付録として(!)メモを残したい。

 

○体にいい食べ物

 

オリーブオイル、ナッツ、甘くない白ワイン、ビターチョコ、大豆、チーズ、ブルーベリー、きちんと淹れたコーヒー、酢、生物

 

○体によくない食べ物

 

炭水化物(これ最近よく言われるけどどーなんですかね)、砂糖、野菜ジュース、果物、加工肉、コゲたもの

 

この本では、「肥満の原因は炭水化物であり、肉などの脂肪は太る原因ではない」と断言されていた。いいじゃん、それ信じようじゃん。ということで、近日中には僕の大好物である脂身たっぷりめのステーキを食べに行きたいと思う。

 

本末転倒?

3788声 極楽うどん

2018年03月28日

梅林が有名な駅に降り立った。

 

先日に続き、著名な画家へのインタビューのためだった。車で迎えに来てくださり、僕と美術館関係者の2人を「先に飯でも食いましょう」と行きつけの店に連れていってくれた。

 

途中、車窓から見える梅林は花がいっぱいで、中之条町はまだ春のはじまり位だったので、その春らしさ目一杯の光景に目眩を覚えた。暖かい日だった。

 

「でもね、この店はあったかいうどんが有名なんだよ」席に座り、そんな画家の勧めにしたがってみんなで同じものを頼んだ。洗面器のように大きな丼に入ったうどんには、野菜とひき肉がたっぷり入った「あん」がかけられていた。うどんは、あまりコシがないものの、このあんとの相性が抜群。するするとうどんが入っていった。3人共完食。つゆの一滴も残さない。

 

そのうどんの名は「極楽うどん」と言った。食後まさに「言いえて妙」だと納得した。

3787声 モノに優しく

2018年03月27日

西加奈子原作・映画『まく子』の、四万温泉を中心とした撮影が順調に進んでいる。

 

ロケハン時に監督らと一緒に回ったり、映画制作周辺でのお手伝いをしてきたが、映画美術部の配送車の運転を手伝った時があった。映画美術というと大掛かりな映画のセットから、映画内での消耗品的な小道具まで、仕事の幅が広いものなのだと思うが、『まく子』においても学校や旅館を映画の中の学校や旅館に見せるための自然かつ意味のある装飾、一番の盛り上がりシーンとなる祭りで使う6〜7体の子ども神輿の作成、主人公の一人コズエの特徴でもある、コズエがまくための木の葉集めなどなど・・手伝ったわけでもないのにその果てしない仕事量の多さに尊敬せずにはいられなかった。

 

美術部を優しく時々厳しく束ねるのは、是枝作品や西川作品など数々の日本映画に関わってきたAさん。「美術は3割映ればいい方です。映らない部分までをいかに作るかが僕らの仕事です」みたいなことも言っていた。僕はほんのちょっとだけ、教室の裏に書き初めを貼る作業を手伝ったのだけど、端をピリッと破いてしまった。申し訳ないことをした。それだけで、僕に美術は無理だと思った(おいおい)。

 

モノに優しく。来春全国上映のこの映画では、何気ない背景や、連日根つめて作られた神輿たちにも注目して欲しい。

3786声 曖昧な子ども

2018年03月26日

子どもたちの境界は曖昧だ。

 

太田市美術館・図書館がシドニーオペラハウスとの共同事業として行ったプロジェクト「ジョイン・ザ・ドッツ」の映像記録・編集を担当させていただいた。

 

説明が難しいプロジェクトなのでぜひ映像を見ていただきたいのだけど(そう言って楽をする)とにかく素晴らしかった。様々なカットが印象深い中、「スクリーンを食い入るように見つめる子ども」の顔をマメに撮った記憶がある。それは、大げさに言えば『ミツバチのささやき』でフランケンシュタインの映画を見た少女が、実人生とフィクションとの境界が曖昧になるくらいの衝撃を受けたくだり・・つまりは「子どもの頃に見た映像は、人生を変える可能性がある」ということを示唆したかったのかもしれない。

 

それはさておき、このプロジェクトは本当に「太田市とシドニーとの境界を曖昧にする魔法」を含んでいた。これに参加した子どもたちが将来、オーストラリアや海外との垣根を軽々と越えていくことを期待したい。

 

3785声 拝啓、うつり住みまして

2018年03月25日

10年前は「町おこし」という言葉をあちこちで聞いた気がする。何をもって「町おこし」かは難しく、その結果各市町村にゆるキャラが生まれた程度なのかもしれないが、そんなふうに各町がおこしきっていない間に次の流行り言葉が出てきた。「移住」である。町はもはや観光客を招いているだけでは人口減少に歯止めがかけられず、「家賃が安くて人情に厚い地方に移住すればよりよい生活が送れますよ」と移住促進にお金と人を使いはじめた・・

 

・・棘があるね、俺の言い方棘があるね。すみません。別に「町おこし」や「移住促進」に批判的なわけではなく、むしろそれに近いことを仕事にしていたり大事だと思っているので、自戒の意味も込めて書いてみました。

 

中之条町には、中之条ビエンナーレをきっかけとして移住してきた作家たちがいる。そのうち何人かは再び中之条を離れ地元や違う場所へ移り住んでいったが、今なお残り美術活動以外で生活を立てながら暮らしている作家がいたり、「イサマムラ」と名付けられた廃校をアトリエとして貸し出す仕組みに魅力を感じ、近年移住して来た作家もいたりする。そんなみなさんとは顔見知りで、彼らの制作・生活のスタンスを、僕はとても尊敬している。

 

4/13より、中之条町へ移住してきた6人の作家が旧廣盛酒造にて「拝啓、うつり住みまして展」というグループ展を開催する。特筆すべきは、この展示に中之条ビエンナーレディレクターは関わっておらず、町の事業というわけでもないという事。つまりは純粋に移住作家たちによる発信なのだ。であるからこそ県内外からのアート関係者に来てもらい彼らを知ってもらいたい気がするが、移住し暮らしてきた彼らが関係する町の人たち、言うなれば失礼な言い方だけど普段アートには関心のない町民の方たちも足を運ぶことになると思う。それはきっと素敵な光景だ。

 

「移住」という言葉に踊らされるのは良くないが、彼らの今後には期待せずにはいられない。

 

拝啓、うつり住みまして展

3784声 5年手帳

2018年03月24日

未だに手帳の使い方が下手なのだけれど、ふと思い立って「ほぼ日」というサイトで5年手帳を購入した。

 

冗談みたいな話だけど、僕は親兄弟の誕生日も親父の命日も知らない。生まれた死んだが大切だということは重々承知だが、その「日」には関心がないというのが本音。でも大人失格だよなぁと。5年手帳ならさ、ほら、一回書けば5年は忘れないじゃん・・

 

そういう性格なので、会った人のフルネームや、気になる人ならその人が過去に携わった作品・仕事などを書き入れ、気になった文章の丸写しなどもたまに行っている。もうこの歳になると「自分が描くもの」は固定しがちなので、自分が考えたことじゃないことを手書きで書くということは、先の何かに影響する気もしている。

 

今ぱらっとめくったら、1/13には土井善晴先生のレシピ通りに唐揚げを作った、と書いてあった。毎年1/13は「土井善晴先生のレシピ通りに唐揚げを作る日」にできたら、素敵だよね。

3783声 影踏み

2018年03月23日

企画:伊参スタジオ映画祭
監督:篠原哲雄
主演・主題歌:山崎まさよし
原作:横山秀夫

 

昨日の記者会見とは、全編中之条・群馬ロケで行われる映画『影踏み』の制作会見のことだった。今日上毛新聞の一面に取り上げられ、スポニチ、WEBニュースにも情報が公開された。

 

伊参スタジオ映画祭誕生のきっかけでもある篠原監督と山崎さんがタッグを組んだ『月とキャベツ』公開から22年。そこにシナリオ大賞の審査員を務めていただいた横山秀夫さん(「64」「クライマーズ・ハイ」等)が加わり、今新たな映画が作られる。そんなことができたらいいね、という話が昨年の伊参スタジオ映画祭で盛り上がり、あれよあれよと話が進んだ。

 

僕も伊参スタジオ映画祭のスタッフと共に、できる限り協力をします。県内何箇所かでの撮影を予定しているので、『影踏み』という名前を聞いたら、ぜひともご協力いただきたいです。

 

山崎まさよし、『影踏み』で14年ぶりに長編映画主演へ『月とキャベツ』篠原哲雄監督と22年ぶりタッグ&主題歌も担当

3782声 記者会見

2018年03月22日

映画の制作記者会見に立ち会うために東京へ向かった。

 

悲しいかな田舎もの、途中で到着先の変更指示を受けてカーナビを操作したら変なルートを選択してしまいおよそ1時間も時間をロス。僕は運転ではなかったのだけど、一人途中の駅に降り、電車を使って会場となるビルに滑り込んだ。

 

今、よほどのことがない限り、制作前に映画の会見が開かれることはないという。この映画はそれだけ、制作する側の熱意が並々ないのだ。監督や出演者などの側にいて、それを再確認した。

 

先に書いた『まく子』といい、この作品といい、近頃急に身の回りが映画づいてきた。映像の仕事も増えてきたし。映画学校を卒業したものの、制作会社の厳しさからドロップアウトし、群馬テレビに受かる気まんまんで内定も何もないのに群馬に戻り、落ちて犬の散歩に明け暮れていた25歳の僕は、一地方のハローワークの求人を眺めては「もしかしたらもう映画に関わることはないのかもしれない」と思っていた。

 

ただ、好き、を続けた結果なんだけどね。周りに感謝しないとね。

3781声 月の湯

2018年03月21日

中之条町から渋川市へ向かう途中、中之条町市城と呼ばれる町の東部の吾妻川添いに「月の湯」のセットはあった。

 

それは1996年公開『眠る男』のセットだった。撮影後は資料として伊参スタジオ公園に移築されたが、いまはもうない。僕は撮影当時中学生で、市城には同級生がいたので、河原で「警ドロ」(警察役と泥棒役に分かれて行う鬼ごっこみたいなもの)をして遊んでいた。「月の湯」のセットは多分もう撮影が終わった後で、もぬけの殻になったセットの中に入り(映画では、外見だけをそこに作り、中は県内の法師温泉を使った)よくはわからないけど興奮したことを覚えている。

 

ここでも何度か書いたかもしれないけど、小栗康平によって『眠る男』が撮影され、その直後に山崎まさよし主演の『月とキャベツ』が撮影され、そのファンが全国から集まったので映画資料を展示するために木造校舎が残され、「伊参スタジオ」と命名され、やがてそこで映画祭が行われるようになり、僕は今その実行委員長。また一方では『眠る男』で見事な屏風絵を描いた平松礼二氏が伊参スタジオで絵画教室のようなものを開き、そこに来たのが山重徹夫さんで、彼を中心にして「中之条ビエンナーレ」が立ち上がり、今や映画祭を越えて(ちょっと悲しいかな)「中之条町はアートの町」と全国的に認知されるまでになった。

 

映画は、映画そのものとしての意味で語られることが多いが、群馬県人口50万人記念で作られた映画『眠る男』は種となり、今やその幹は太くたくさんの葉や花を蓄えるまでになった。その行く末を見守りたい。

3780声 音は届く

2018年03月20日

「アーティストが社会に関わる」とはどんなことなのだろうか?

 

2016年のアーツ前橋「表現の森」展より現在まで、長期に渡り映像記録で関わらせていただいている「えいめい」での活動が、動画とそれに関わる人々の言葉とを合わせて公開された。

 

特別養護老人ホームでの撮影は、自分にとって常にスリリング。それは撮影初日に、昔見た舞踏家・大野一雄さんのドキュメンタリー【晩年の大野さんが体が動かせなくなり、けれど手のひらを「はらはらはら」と動かし、その動きが見惚れるくらい美しかった】を思い出したからかもしれない。

 

 

文化庁×群馬大学によるこのプロジェクトの研究も始まり、今後も続く老人たちの撮影。自分にとってとてもプラスになる現場なので、気張っていきたいと思う。

 

表現の森

 

3779声 すっぱい焼きそば

2018年03月19日

灯台元暗し。生まれ大部分を過ごした中之条町にも知らないことは多い。

 

四万温泉をメインに撮影されている映画『まく子』の打ち合わせということで、呼ばれたのは落合通りにある「ゆうみん」という中華料理屋だった。四万温泉自体が観光地なので、僕のような地元の人は足を運ぶことは少ないと思うけど、この店に対しては「観光地の料理屋だから高くてそれほどじゃないんじゃない」と思っていたことも事実。

 

一緒に入った四万温泉協会の宮崎くんは四万温泉育ちなので、まるで自分の親戚のうちに飯を食いに来たような気軽さ。それに答えるご主人も、全く飾らない人の良さげなおじさんだった。

 

「注文もらってから皮を伸ばす」という餃子は美味しかったし、何より普通の焼きそばが、あんかけではない炒めた普通の焼きそばが、すっぱい。酢を使っているという。これが始めて食べる味で、かつとても美味しかった。四万温泉は宿の飯以外にも特製釜で炊くシャリがうまい「一力寿司」や、カレーの存在感抜群の「あすなろ」のカレーラーメンなど、実は美味しいものが多いのだ。この焼きそばも、それに並べようと思う。

 

「あすなろ」は、奥さんが亡くなられてからは店を開ける機会が減ったということだが、店主には元気に頑張っていただきたい。

3778声 なまけるな

2018年03月18日

画家へのインタビューも終わり、インタビュアーを務めた美術館関係者と3人、駅近くの常連で賑わう焼き鳥屋で酒を飲んだ。画家は映画にも精通していて、面白い話ばかりだった。駅へ入り彼と別れる時、最後の最後で彼は僕らにこう言った。僕は少々酔っていたけれど、その一言を忘れないようにしようと思った。

 

「俺もある人から言われた事なんだが・・なまけるなよ。」

 

3777声 悲しき天使

2018年03月17日

近年、ありがたいことに美術関係の映像仕事が続いている。今日明日は、美術館関係者と共に著名な画家へのインタビュー回りを行う。その2件目、一見倉庫のようなアトリエに入ると、どこかで聞いたことのあるメロディーが流れていた。TVCMでイントロが使われている曲だった。

 

約1時間のインタビュー。画家は、自分の作品や自分の生き方を語り、その途中でその曲に関する個人的な体験を語った。それは、言ってみればたわいもないある夜の出来事であり、普通の人だったら同じ体験をしても右から左へ聞き流す程度の状況だったと思う。けれどその瞬間その画家の内面に起きたことは、大げさに言えば彼にとっての「絵を描く」という重要な行為と同等の、「彼の内面にある美に触れる瞬間」だったのだと思う。

 

その曲の名は「悲しき天使」。その画家が教えてくれた。

 

3776声 家族の風景

2018年03月16日

中学生時に同じ柔道部だったYが結婚した。久しぶりの結婚式出席。撮影しない結婚式も久しぶり。Yは県内の大きな企業で大事な役職についており、数千万の大きな予算を動かし、仕事はまじめで、酒が好きなので酒を飲み飯を食い、ちょっと心配するくらいに太っている。奥さんとなる人には小学3年生くらいの女の子がいた。結婚を境に、Yは突然お父さんになる。「お父さんって呼んでくれた時嬉しかった」と話すY。だいたい恥ずかしいことになる「新郎がギターを持って歌う」という余興を真顔でやってのけ、でも女の子はそんなYを一生懸命携帯で撮影していた。最後のあいさつでYは奥さんに「長い付き合いになるね。よろしく」と一言。男前だなー。いい結婚式だった。

3775声 きたかる

2018年03月15日

きたかるには、ゆっくりとした時間が流れている。

 

そしてまたフリーペーパー「きたかる」編集長であり、北軽井沢で町外から人が訪れ愛される喫茶店「麦小舍(むぎこや)」のオーナーでもある藤野麻子さんはとても魅力的な人だ。初めて会ったのは多分tsumujiで、麦小舍で行われたイベントに僕が出店したこともあった。数は多くないけど、たまーに麦小舍へ行っては癒され、彼女たちが制作したフリーペーパー「きたかる」もすぐに読者になった。北軽井沢の魅力を大判の魅力ある写真と麻子さんの魅力ある文章で見せる「きたかる」は、すごく良い出来だった。だからその「きたかる」が日本タウン誌・フリーペーパー大賞の「タブロイド部門賞」を獲った時も、へへへ、そうでしょうとも、と一人ほくそ笑んでいた。

 

「中之条を通るから」ということで連絡をもらい、久しぶりに彼女に会い昼食を食べた。現状報告とたわいもない話、二人共通して大ファンであるシンガーの寺尾紗穂さんを中之条や北軽へ呼びたいねという話。

 

軽井沢ほどごみごみしていないし、当然長野原町のような山間の田舎町でもない。別荘地やカフェや品のいい森があって、北軽井沢にはいつもゆっくりとした居心地のよい時間が流れている。藤野さんは移住者ながら、まさにそのきたかるの空気を身に纏ったような人だ。

 

冬は雪が多く生活も大変そうだけど、春夏秋といい感じになる北軽井沢。行って「きたかる」を手にし、きたかるを周遊してほしいと思う。

3774声 見逃シネマ

2018年03月14日

スマホの小さな小さな画面で寝床で映画が見られてしまう時代。

 

昔の人っぽいこと言いますよ。「映画は映画館で見てこそなんぼ」。

 

・・と言いながら、僕もほとんど映画館に足を運べていない。でも、「1つの映画を複数人で見て、その場を共有する、さらに見た後にあれこれ言ってみる」という体験は、幾つになってもいいものだと思っている。ので、過去映像関係の仕事をして今は中之条町へ帰ってきた知人と一緒に年明けくらいに「仲間内で映画を見る会」を作った。映画祭よりも、もっと気楽な。

 

企画人の一人である僕は参加してなかったんだけど(おいおい)、今日は「見逃シネマ」と銘打って『ラ・ラ・ランド』『この世界の片隅に』『三度目の殺人』の上映会を行った。前2本は多分説明不要。最後の1本は、是枝裕和監督による新作で数日前の「日本アカデミー賞」で作品賞・監督賞など各賞をかっさらった作品である。こういう作品こそ、見るべきだけど見逃されがちである。

 

気の合う人と・・気の合わない人とでも。一緒に映画を観ること。それってかなりオススメです。

3773声 サラバ!

2018年03月13日

小説「まく子」が町内で撮影される話を聞いてから、西加奈子さんが書いた「まく子」はもちろん、すでに映画化もされた「きいろいゾウ」の原作を読み映画も見て、そして西さんの名前を一躍有名にした分厚い小説「サラバ!」を読破した。

 

フィクションではあるが、この小説には「地下鉄サリン事件」や「阪神淡路大震災」といった実際起こったことが物語内の転機となり、実在の人物・映画・音楽の名前も出てくる。主人公の歩は日本以外にもイラン、エジプトと世界各地で暮らす人生を辿るが、基本は「僕が生きてきた年代」と同じ年代を過ごしている(それは西さんが生きてきた年代でもある)ことに、個人的な思い入れを抱かないわけにはいかなかった。

 

「サラバ!」についてつらつら書き出すと日が暮れそうなのでここには書かないけれど、凄く面白い小説であるからゆえに・・また、小説の中の登場人物と同時代を生きた僕であるからゆえに、「サラバ!」を読んで「物足りないと思ったこと」を大事にしたいと思った。「いやいや、俺たちが生きて来た時代それだけじゃないよ」ということを。では具体的にその物足りなさを説明できるかというと・・やりにくいんだけどね。そしてそれは小説自体の評価とは無関係なのだけど、そう思わせてくれた時点で、この作品はいつかまた読みたいと思っている。おすすめです。

3772声 まく子

2018年03月12日

四万温泉を舞台とした商業映画が生まれる。

 

それはいくつかの偶然が重なった結果だった。僕が関わる「伊参スタジオ映画祭」とは直接関係がないところで、人が人を呼び、その際にその人が四万温泉を気に入って、「それほど栄えてはいない温泉場」を舞台とした人気作家・西加奈子さんによる小説「まく子」の映画化の舞台として四万温泉を選んだ。僕もロケハンから関わらせてもらっている。

 

フィルムコミッション、という言葉はすでに一般化されたと思うが、それは主に地方において映画の撮影場所を提供する自治体やNPOによる組織のことを指す。中之条町は、伊参スタジオ映画祭が行っているシナリオコンペの映画化において同様の働きをするが、フィルムコミッションとしては成り立っていない。

 

けれどなぜこんなにもFC(フィルムコミッション)、FCと言われるかと言うと、一つには地域のPRとして地元を使ってもらい認知や集客に繋げたいという提供する側の希望もあるが、製作者側の希望として、大掛かりなセットなど作れない時代に、映画をより魅力的にするために魅力的な(かつ撮影がしやすい)現場を欲しているという傾向が強くなっているからだと思う。

 

その点において、「まく子」はその7割を四万温泉、残りを町内の小学校や一部東吾妻町・渋川市で撮影し、そのどれもが中之条町町内・周辺となる。そのどれもが「観光PRのための場所ではなく(町の名所の○○滝などは、往往にして映画には不要だったりする)、映画の内容に順じたベストプレイス」を揃えられたと思っている。全国上映は来春。とても楽しみである。