日刊鶴のひとこえ

この鶴のひとこえは、「めっかった群馬」に携わる面々が、日刊(を目指す気持ち)で記事を更新致します。現在の担当者は堀澤、岡安、すーさん、抜井です。この4人が月替わりで担当しています。平成30年前半は、5月(堀)6月(抜)7月(岡)8月(す)9月(堀)10月(抜)11月(岡)12月(す)1月(堀)2月(抜)3月(岡)の順です。

4000声 乗れない

2018年10月27日

初めての句会へ。
三ノ輪から南千住までの千束周辺、
つまり吉原のあたりを吟行した。
まったくと言っていいほど、句はできなかったが、
句会メンバーは慣れているらしく、
巧みに捉えている句がたくさんあった。
それに乗れるか、乗れないか。
ディズニーランドの世界観に乗れるか、乗れないかに、
近い部分がないだろうか。

3999声 清々しさ

2018年10月26日

卓球の福原愛さんが引退した。
スポーツは普段あまり見ないが、第一線のスポーツ選手の姿勢には、
いつも清々しさを感じる。
明確な敵と格闘している、また格闘してきたからだろうか。
それはいうまでもなく、自分の限界であるが。

3998声 訪問者

2018年10月25日

夜、未知の男が訪ねてきた。
坊主頭で四十がらみの顔色の悪い男であった。
昔、裏のアパートに住んでいたから始まって、
いろいろと身の上話をしていたが、とどのつまり、
「二千円貸してください」という。
貸す理由も、義理もないのだが、貸した。
次は貸せない旨と、返却はポストに入れて置くよう伝えた。
男が去ったあと、いろいろと考えをめぐらした。
貸さなかったほうが良かったか、
五百円ないし千円だけ渡し、返却は不要としたほうが良かったか。
しばらくは、玄関先の闇に男の気配がまだあるような気がして、
なんとなく落ち着かなかった。

3997声 齟齬

2018年10月24日

どうやら、時代との齟齬に美を感じてしまう。
という感覚が、私にはあるらしい。

3996声 興味なし

2018年10月23日

ケーキを買おうとして、駅ビルや駅周辺をうろうろしていた。
記憶の中であった洋菓子店の場所に行くと、店が変わっていたり、
そこが和菓子屋だったり、なかなかたどり着けない。
なんとか、改札口のすぐ脇の洋菓子店で買うことができた。
毎日、通っているのに まったく気がつかなかった。
周辺の立ち食い蕎麦屋と立ち飲み屋、
千円カットの床屋と赤提灯ならば、スマホで検索するよりも、
早く正確に案内できるのだが。

3995声 朗高く

2018年10月22日

自宅のすぐ前に、桜並木の一本道があり、道の奥には中学校がある。
したがって、朝夕には学生たちがたくさん通る。
部活帰りだろう、黄昏時ないし夜に、
同じ部活の仲良しと見られる男女が、歌いながら自宅の前を通る。
ほがらかに、たからかに、歌謡曲を歌っている。
自分にもあんな時代があったろうかと、台所で茶碗など洗いながら聞いていた。

3994声 高崎の夜

2018年10月21日

昨晩は、10年くらい会っていなかった知人と、
4人で高崎市街で杯を酌み交わした。
年を取ると思い出話が楽しくなる気がする。
都合の悪い部分は補正して、
思い出の記憶を更新していくからだろうか。

3993声 稲架日和

2018年10月20日

昨晩いささか飲みすぎせいか、予定時刻にすんなり起きれなかった。
パンを齧りつつ慌てて家を出て、車を飛ばす。
こんな日に限って、外環も関越も高速道路は事故渋滞。
句会場の倉渕に着いて、小一時間ほど吟行、そして句会。
町内の田んぼには稲架がたくさん組まれていた。
秋の倉渕は、谷を抜けて来る風といい、
周囲を囲む真っ青な山の影といい、とても清々しかった。
句会が果てると、酒席の約束があったため、すぐに高崎市街へ戻った。

3992声 邪道

2018年10月19日

栄養が偏っているのか、口内炎が何個もできていた。
明日は群馬の山里まで行く用事があるので、
晩酌はせずにと思うが、口内炎が痛く、結局、缶麦酒をあける。
酔ってくると、当然、感覚が麻痺してきて口内炎の痛みが軽減される。
邪道な飲み方をしたことを悔いつつ、一杯二杯。

3991声 夜の蜜柑

2018年10月18日

夜、句会のため笹塚へ出かけた。
兼題が出ていいたので、地下鉄車内で作る。
題のひとつは「蜜柑」だったので、家を出る間際、
台所においてあった蜜柑をひとつ、急いで食べた。
暗がりで皮を剥いた蜜柑の白さに、やや驚く。
笹塚駅へ着いたら、吟行。
雑踏の駅前や、人家の立ち並ぶ路地裏などでは、
なかなか、集中できず消化不良のまま、句会場へ。
ここの句会は麦酒を飲みながらのラフなスタイルである。
空腹で飲んだ麦酒と風邪も相まって、
ややへろへろになりつつ、帰ってきた。

3990声 必殺

2018年10月17日

先日の台風の雨で、雨粒に塩気があったらしく、
家のポストが雨粒の形に錆びてしまった。
安物のポストだけに、いっそう、みすぼらしい様相である。
帰ると、注文していた山口波津女の句集「紫玉」が、
その錆ポストに届いていた。
紫陽花が好きらしく、紫陽花を愛でた句が多く、
ムカデが嫌いらしく、ムカデを殺す句が多かった。
ムカデを見つけると「必殺」していく姿に、
思わず笑ってしまった。
しかし、自身も夫も病を得ての生活、
それが切実な必殺であろうことは、伝わってきた。

3989声 リポD

2018年10月16日

風邪をひいてしまった。
引きたくない時期にかぎって引いてしまうから、やっかいである。
さしあたり、風邪薬は飲まずリポビタンDを飲む。
体が動かなくなってくると、なにかと忘れているような気がしてくる。
今週末締め切りの結社誌の原稿がひとつ。
いまからそれにとりかかるため、リポDをもう一本。

3988声 蜘蛛の家

2018年10月15日

雨の日および小雨のまじる曇天の日など、
どういうわけか、家の中に蜘蛛が出る。
小指の爪ほどの、小さな奴ならば良いのだが、
中には親指ほどもある大きな奴もいる。
今朝見かけた蜘蛛も、この大きい方の奴で、その姿は、
映画「エイリアン」に登場するフェイスハガーを彷彿とさせる。
とても、素早い。
そして、敏感。
こちらの殺気を察知したのか、構えると同時にさささっと、
棚の脇などに隠れてしまう。
これくらい大きいと、殺虫剤に対しての耐性が相当あり、
蚊や蠅に使用するようなものではあまり効かない。
しかし、一時弱らせることはできる。
追いかけては殺虫剤を吹きかけつつ、弱ったところをティッシュでつまみ、
ようやく窓の外へ落とした。
窓の外の植木には蜘蛛の巣があり、大きな女郎蜘蛛がいた。

3987声 白い旗

2018年10月14日

所用で柴又の帝釈天へ。
小岩から久しぶりにバスに乗った。
バス路線は新しい店などが出来ていたが、
参道までくると昔と変わらぬ雰囲気である。
小店に並んでいる寅さんグッズをひやかしながら、
江戸川の土手まで歩いた。
土手から江戸川をぼけっと眺めていると、
「旗」と声が聞こえた。
振り向くとすぐ脇におじいさんがおり、私に向って、
「白い旗が見えるか」と問う。
振り向いて、遥か対岸の旗を確認し、「見えます」と答えた。
うなずきながら「矢切の渡しがやってる合図だ」と、おじいさん。
私も小さくうなずきながら、おじいさんと旗を眺めていた。
人影を乗せた小舟が、ゆっくり旗に近づいていた。

3986声 秋祭

2018年10月13日

近所の秋祭へ行った。
あたたかい食べ物が美味しいのも、
夏の祭にはない楽しみである。
しかし、焼きそばがすぐに冷えてしまうのは、
夏の祭にはない悲しみである。

3985声 守宮の瞳

2018年10月12日

すっきりしない天気が続いている。
今日も小雨まじりの一日であった。
そんな天気だからか、最近家の中に守宮が出現する。
群馬に住んでいたころは守宮など見たことがなかったが、
千葉に越してきてからはよく見かける。
先ほども、風呂場の天井に張り付いていた守宮をとって、
窓から外に放り投げた。
蜥蜴よりもずんぐりしていて、かわいらしい。
てのひら、というのが正しいか分からぬが、丸っこくて、
愛らしい形をしている。
つまんで灯下にまじまじと眺めていたら、守宮と目があった。
目は、その瞳は、やはり爬虫類だとはっきりわかる光が宿っていた。

3984声 歯車

2018年10月11日

歯車が徐々に狂っていくときは、歯車が徐々に狂っていることに気がつかないものである。

3983声 その人の酒

2018年10月10日

句集を献本いただいたので、この作者へ何の酒を贈るかここ数日悩んでいる。
なぜ、句集のお返しが酒かというと、私が句集を献本した際、
その人の住む土地の酒をいただいたからである。
土地の酒蔵と懇意にしているらしく、自信を持って贈ってくださったことが、
うれしかったことを覚えている。
私には、自信を持って贈呈できる酒があるだろうか。


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