日刊鶴のひとこえ

この鶴のひとこえは、「めっかった群馬」に携わる面々が、日刊(を目指す気持ち)で記事を更新致します。現在の担当者は堀澤、岡安、すーさん、抜井です。この4人が月替わりで担当しています。令和元年は、5月(堀)6月(抜)7月(岡)8月(す)9月(堀)10月(抜)11月(岡)12月(す)1月(堀)2月(抜)3月(岡)の順です。

4293声 強制終了

2020年01月25日

元気があればなんでもできる、というのはアントニオ猪木の口癖だが、ではなんでもできるその状態は、いったいどんな状態なのだろうか?元気は、若ければ若いだけある。逆に言えば元気は、生きた年月と共に減ってくる。当然、なんでもできる状態が普通だった者も、なんでもできない時間が多くなる。なんでもできない状態が訪れたとき、多くの人は元気を自分に取り込むことを考える。元気はどこかにあるかもしれないから、それをもらって自分に追加する、と考えるのである。ところが、元気は本来、自分の中から出てくるものである。なのに外から取り入れると、その取り入れた元気の持つエネルギーにより、その元気が出た反動で、疲労も蓄積してしまうということが起こる。要するに、元気物質があるならば疲労物質もあると考えるのが自然である。なんでもできない状態には、元気物質が足りないという一面があるかもしれない。一方で、疲労物質が多すぎるという一面もきっとある。この疲労物質を排出することも、元気が出るきっかけになるのである。疲労物質を排出する方法にはどんなものがあるか。一番は、寝ることだ。ところがこれが年を取ると、どういうわけか眠れなくなる。寝たのに疲れた、という状態すらときに起きたりする。これは、眠るために必要な元気物質が足りないから眠れないのかもしれないし、逆に、疲労物質がありすぎて眠れないという、とても皮肉な場合もある。飲みすぎたときなんてまさにそれだ。他には断食なんかも、あれは疲労物質をわかりやすく排出できる。身体がリセットする。風呂もそうだし、温泉もそう。これは強度の差。他にはなんだろう。ただ太陽を浴びる、なんていうのだってそうだろうし、森林浴や海水浴もいいだろう。要するに、この、これらの多くに共通するのは、地球力を浴びることである。地球力が、疲労物質の排出、ひいては緊張、交感神経のシャットダウンをしてくれる。まさに強制終了である。疲れてしまい、次の元気がやってくるまで待てないときがある。そんなときは、強制終了が必要である。私はそういうときに、神川町の温泉、白寿の湯に来る。今日も来た。いま、風呂から出たところ。強制終了である。後ろで2歳くらいの女の子が、「おれんじじゅーしゅのみたーい」とずっと言い続けている。駄々をこねている声でもなく、かわいい声でずっと繰り返している。この子も元気がほしいのだろう。

4292声 ケグ洗浄

2020年01月24日

よく働いた。案件が多ければ疲れる。そこに一つ一つ丁寧に向き合えばなおさら疲れる。そんなことは当たり前にしている人からすれば、当たり前である。けれども私は案件ばかり多くてその一つ一つに丁寧に向き合う余裕なんてないというのが、ずっと、常だった。ところがいつの間にか、丁寧に向き合うことは当たり前だ、になってきた。案件を減らせたことが大きい。それはビールを作るようになってからである。料理に比べてビールは案件が少ない。それにより落ち着いて目の前のことに集中できるようになった。集中できるというのは、深堀りできるということにもつながる。それが、丁寧さや気づきをもたらしてくれる。料理ははじめから、一度に2つ以上のことをできることを要求される。それを要求され続けると、一度に3つ4つ同時進行でできるようにはなるものの、目の前のことに対する深堀りが少なくなる。大変さ故に素通りになる傾向が高くなるのである。今日やったこと。税務調査対応、市場への仕入れから久しぶりに魚もおろしたし桂むきもしたこと、シンキチのビールを飲んでくださる団体のお客さんへの接客、スタッフへの、これは接客とは言わないが、信頼を目指した対応、その合間のケグ洗浄。このケグ洗浄で、調子を整える。ケグ洗浄が、自律神経を調整してくれるのである。ケグ洗浄の、なんとありがたいことか。

4291声 圏外

2020年01月23日

税務調査の一日目終了。あー、なんだろうこのもやもやとする感じは。このもやもやの中にきっと社会の成り立ちがある気はするが、とにかく慣れていないのだろう。慣れていないというのは、この歳で慣れていないのはつまり、今まで社会の成立要件の中に自分が入っていなかった、ということでもあると思う。つまりずっと、圏外だった、ということ。圏外にいたままでは守れないものがあることにようやく気がつき始めた。けれども圏外でしか守れないものがあることも、圏内しか知らない人間よりは、よく知っている。

4290声 安住紳一郎①

2020年01月22日

帳簿をやりながら、ラジコで安住紳一郎の日曜天国を聞く。ラジコは過去の放送を聞けるからいい。46歳は人生で最も過酷で辛い年齢だと、安住さんは言い続けているらしい。そしたらアメリカの大学の研究で、人種民族に関係なく人生で最も憂鬱で不幸せを感じる年齢は47.2歳だという研究結果が出た、と話していた。来月3日に47歳になるからタイムリーな話題だ。安住さんと俺は、同世代らしい。自分は不幸せかと言われれば、不幸せだとも思わないし、憂鬱は、10 代の頃からずっと憂鬱だから、今更何をと思う。むしろ40代も後半になって、憂鬱とのつきあい方をわかるようになってきた。憂鬱と向き合ってきてよかったなとすら思っている。むしろその話題よりも、男は褒められたい、という話をしていたのがよかった。男は些細なことでも褒められたことに喜びを感じる生き物で、週に一度仕事で一緒になるあのビートたけしさんでさえ、ずっと楽屋で「褒められてぇなぁ」と言っていると話していた。いやほんとそうです。それを喋れる安住さんがいい。

4289声 これも戦争

2020年01月21日

昨夜寝たのは遅かったが、仕込みをした。動きは悪いが無事終わった。糖化の途中で松屋へ。いつものベーコンエッグ定食を券売機で購入。座ろうとしたら、カウンターに片付けられていないお盆がたくさんある。そこに数名の、まだこれから券を渡して食べようとしているお客さんが厨房を眺めている。厨房には女の子が一人。タッチパネルに向き合って何か一生懸命やっている。一人なのか?店を見渡しても他の従業員はいない。テーブルにも食べたあとのお盆。この子一人でやってるんだ。むごいな。

4288声 寝るために生きる

2020年01月20日

今日も帳簿。外は暖かい。着替えて走ってきた。腕立て伏せ60回、腹筋を60回、背筋40回。動かすことが大事。動かないときは動かない。動くときにボケっとしていないで動かすことが大事。動かさなければ動かなくなる。そういう歳だ。まずは身体。それから脳。おとといすずきに行ったときに、カウンターに一人客の女性が二人いた。一人は50代、もう一人は60代か。マスターに、夜眠れないという話を二人ともしていた。「疲れていないから眠れないのよ」と。なるほどなぁ。ちなみにマスターは5分で眠れるとのこと。マスターも60は過ぎているはず。使うことが大事。寝るために生きるというのがあったっていい。

4287声 鍛える

2020年01月19日

椅子に座ったときに足を組む頻度が増している。いまその理由にふと気がついた。肉が落ちて、尻が骨ばってきたから足を組まないと痛いのである。足を組めば尾てい骨が倒れる。だから痛くない。なるほどこれも、老化の一つに違いない。今日千晶ちゃんに、「クレヨンの臭いがする」と言われた。加齢臭と、冬の閉じたニオイが合わさるとクレヨンなんだ。クレヨンの臭いがしたら要注意だ。火曜日に久しぶりに腹筋をしたのだが、実はまだ筋肉痛が残っている。たった40回である。今は一年で最も動きたくない時期。寒いから。その上椅子に座って帳簿ばかりやっていると気が狂いそうになる。よし、腹筋をしよう。

4286声 いい店について

2020年01月18日

ケグ詰めとタンク洗浄をして、その後はずっと帳簿。一段落もしないが、腹が減ったのですずきに来た。すずきは手づくりの塩辛が食べられる。手づくりの塩辛を食べられる店が少なくなった。するめいかの値段が高いというのもあるかもしれないが、それだけが理由ではないだろう。高崎は新しい店がどんどんできる。新しい店の多くが、おいしいの基準がゆるい。そんなことは言われたくないに違いない。おそらくそれよりも問題なのは、いい店の基準がゆるいことである。いい店を説明するのは簡単ではない。いい店に共通するのは、すべてのメニューについておいしいかどうかに、ある一定以上の念を持って興味がある、ということである。料理だけでもだめ、飲み物だけでもだめ。その上、メニューだけでもいい店にはならない。人間そのものに対しても念を持って興味がないと、ただの気取っただけの店になってしまう。念を持って、というのは、人生を賭けて、ということである。飲食店を始める理由はいろいろだと思うが、いい店であるためには、飲食店でなきゃだめだった理由が何かあった、という前提がないとだめなのである。始めたときになかったら、あとから考えればいい。ところが、採算が先頭に立つと、念は削がれる。万人受けという体のいい店は増えるが、いい店は少なくなる。塩辛も手づくりではなくなる。

4285声 帳簿

2020年01月17日

朝から帳簿。ビールの帳簿には、仕込み簿、発酵簿、容器詰め簿、原料簿複数、残しビール受払簿、廃棄簿、出庫簿、とこれは仕込みやケグ詰め、出庫の度に付ける帳簿で、これにプラス酒税申告、製造方法申告、表示方法申告、廃棄申告を毎月税務署に申告する。ここまでやるのは、米が税金だった日本ではきっと酒はお金であり、ならば他の酒も=お金で、密造や隠し酒は脱税そのものだからとにかく徹底して取り締まらなければならない、という考え方が根底にあるのだと思う。この帳簿をすべて把握するまでに、3年かかった。

4284声 追いついてきた

2020年01月16日

11月にヨーロッパから戻った後ずっとビールの足りない状態が続いていたが、ようやく供給が追いついてきた。旅の前後を含めて1ヶ月の遅れを取り戻すのに2ヶ月半かかった。これを基準にすると、10日空けたらそれを取り戻すのにおよそ1ヶ月かかる計算になる。今後休みを取るとしても、最長の休みはこのくらいかなぁと思う。今日も朝からのんびり。ビールの発酵待ちの状態。来週税務署の検査があるからそれに向けて資料を整理していかなくてはならない。整理が苦手な自分にはいい機会だと思う。身体を休めながら。久しぶりにきゃらばん。坂口さん一押しのモカマタリ。深煎りだが透明感があって苦みが柔らかい。おいしい。

4283声 寝て過ごす

2020年01月15日

昨夜仕事が終わったのは11時過ぎだった。いつもよりお客さんはゆっくりして楽しんでいた。ガストでビールを1杯飲んで帰宅、お客さんに頂いたお土産の和菓子を食べて、1つでやめられずに2つ、3つ。朝思いの外早く起きられて、ごみ捨てにザブンへ。今日はリサイクルゴミの日。残った片付けをして、そのままガストへ。モーニング。昨夜来てからまだ6時間くらいしかたっていないからついさっきまでいた感覚。ガストばかり。そのまま仕事にかかれると思ったが家に戻り寝てしまう。起きて少し動いたが午後も寝て過ごす。疲れが取れるのに時間がかかる。

4282声 準備の多さ

2020年01月14日

今日は食中酒百席。17回目。朝から仕込みをして市場で仕入れ、実家へ土鍋を取りに。こなつは相変わらず小さいが元気そう。足が細くなったように見えるが、母によればまだ本棚の上にジャンプして乗れるらしい。人間でいえばもう80歳を越えているはず。たいしたものだ。高崎に戻って珈琲館でモーニング。今日の料理をさらう。菜の花チーズ和え、 ほっき貝と白菜の塩漬け、鰯の麹漬け、干柿バターと金柑、青大豆醤油漬け、銀杏味噌、練り菊芋、パプリカ胡麻和え、牛すじ赤ワイン煮、マッシュ里芋、白子の鹹豆漿、湯葉ヨーグルト。料理はビールと違い案件が多い。これから準備してザブンへ。

4281声 時差調整の日

2020年01月13日

昨夜飲みすぎてしまい起きられなかった。それでも7時前には仕込みを始めた。順調に終わって家に戻ってきて、今11時52分。そうか、こうすればザブンの日でも仕込みができる。ただ車で行くようなところまで仕入れには行けない。コーヒーを入れて休憩。今日はマカプのペルー。端正な旨みが日置桜に似ている。これから昼寝をする。しっかり寝る。今夜閉店まで笑顔で接客できるコンディションを目指して寝る。

4280声 早起き

2020年01月12日

だいたい6時前には起きるようにしている。今日も6時には仕事をしていた。そのほうが仕事がはかどる。夜は22時前には寝たい。22時以降は集中してやる仕事はできない。頭が働かない。18時くらいから集中力が切れてくる。なので酒を飲む。テレビも見ないしやることはない。10月にヨーロッパに行ったときから、暇なときは玉置浩二のユーチューブを見ている。それも最近飽きてきた。そうしたら20時にはもう寝るしかない。しかし20時に寝るのは早い。夜中に目が覚めてしまうのである。だから21時までは寝ないように努める。そして6時前には起きたい。

4279声 北寄貝

2020年01月11日

ホップを抜いてオリ下げ、酒を運ぶ、市場、ガスト、樽詰、タンク洗浄、料理仕込み、魚屋、料理仕込み。よく働いた。市場で大きな北寄貝を見つけた。一個600gはあるか。さばいたが身も大きく締まっていて甘みも強い。甘くて、ちゃんと海臭い。貝にはこの臭みがあるからいい。牡蠣なんかよりもよほどミルク感がある。発酵させたくて、麹にするか乳酸にするか考えたが、乳酸のほうが合うなと判断した。年末に仕込んだ白菜漬けに包丁舌北寄貝を一緒に漬け込んだ。北寄貝のマセレーションである。火曜日まで寝かせる。

4278声 古典酒場を

2020年01月10日

昨夜は21時に寝たのに今日は8時近くまで起きられなかった。飲み疲れ。旅疲れ。人それぞれ時によりその人によりペースが違うから、知らぬ間に違うペースを受け入れていて気づいたら疲れているということはきっとよくある。それにしてもよく飲んだ。初日の増山、煮りん、F、2日目の一平、宇ち多、二毛作、ブンカ堂。増山、一平、宇ち多は古典酒場。煮込みがメインの大衆酒屋。だが宇ち多は別格。料理は煮込み、串焼き、お新香しかない。酒も選ばれたものがいくつかあるだけ。何より店の佇まい、働いている方の所作振る舞い、年季、無駄のなさが、まるで小さな劇場にいるような気分になる。煮りん、二毛作、ブンカ堂は燗酒の店。とくに二毛作、ブンカ堂はハイブリッド。自然派ワインも置いている。いろんな店で飲むたびに、自分の店に生かせるところ、今高崎で店をやるなら、ということを考える。燗酒がメインなことは外せない。その上で手間のかかる料理を出すか、シンプルな料理を出すのか。客席数はどうなのか。焼酎は置くのか。大手のビールは置くのか。気持ちはどんどん、古典酒場に向かう。高崎にない店である。席数40席から50席。煮込みがメインで刺し身が食える。串焼きは悩むが串は刺さずにタレ焼きというのがあればいい。あっさりの煮込みと甘辛のタレ焼き。あとはお新香だけ。焼酎はホッピーのみ。日本酒は常温かお燗で定番は一つ。竹鶴純米。ほかに50種類くらいを別メニューで。ビールはアサヒスーパードライを瓶で。シンキチのビールをドラフトで1種類。ベーシックのみ。ワインはルミエール南野呂を1種類。煮込み300円、お新香200円、刺し身350〜650円、酒はすべて600円以下。店の名前も決まっている。いい店に出会うと、気持ちが早る。

4277声 吸収力

2020年01月09日

船橋からさらに電車に乗って1時間半の齊藤ぶどう園に行ってきた。詳しいことはフェイスブック食中酒百席とザブンのインスタグラムに書いた。ワインだけでなくあらゆる醸造の現場を見るたびに、大事なのは現場を見ることだと感じる。忙しくても行くべきである。逆にうちを見たいという方には、忙しくても見せてあげるべきだとも思った。今が最も行くべきかもしれないと思うのは、醸造についてわかる部分が多くなってきたから。話を聞いたときの吸収力が違う。おいしいビールが作りたい。この頃ますます思うのは、おいしいビールとして想像しているその味は、ビールよりも自然派ワインに近く、完全発酵の熱燗に近い。そっちに舵をきるときなんだと思う。

4276声 怖い思い

2020年01月08日

ばっちゃんと千葉へ。来週の食中酒百席で使うワイン醸造所を見学するため。遠いので船橋に一泊し、翌日そこから醸造所のある横芝へ向かう。船橋にはうちが日本酒を買っている酒屋があって、その酒屋が酒をおろしている飲食店もある。その店をはしごした。夕方の16時にもなると飲み屋が開いている。1つや2つではない。昼から飲んでいる人間がいる街なのである。3軒目で行った店のワインがおいしくて、結構飲んだ。一人で飲んでいるときよりも、誰かが一緒にいる方が飲んでしまう。夜中に、身体が熱くて目が覚める。一生懸命アルコールを分解しているのがわかる。頭が痛い。いつものことだが、このとき不安、恐怖心が強くなる。風邪を引いて熱が出た、というのならば、じっと耐えていればよくなるはずだと思える。けれどもこの飲みすぎたときの頭痛は、終わるから大丈夫とはなかなか思えない。同じ頭痛でも種類が違うのである。酒の麻薬的作用からくる不安反応なのだろうと思う。朝、身体の熱さも治まった。頭痛もずいぶん和らいでいる。よかった。あんなに怖い思いをしたのに、また飲むんだ。


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