日刊鶴のひとこえ

この鶴のひとこえは、「めっかった群馬」に携わる面々が、日刊(を目指す気持ち)で記事を更新致します。担当者は堀澤、岡安、すーさん、坂口、ぬくいです。この5人が月替わりで担当しています。令和8年度は4月(坂)5月(ぬ)6月(岡)7月(す)8月(堀)9月(坂)10月(ぬ)11月(岡)12月(す)1月(堀)2月(坂)3月(ぬ)の順です。

5638声 離されている

2026年08月10日

連休へ向けて仕入れ。台風の影響で魚が少ない。高値だがここは惜しまず買った。夜はシンキチで貸切営業である。水洗いだけして夜の仕込みをする。かれこれ10年くらいの付き合いの年上のお客様たちだが皆様よく飲まれる。以前は一緒に飲んだりもしていた。お店側でもてなすことはできてもここに入れるだろうかと勝手に想像するが自信はない。どこで差がついたのか。

5637声 遠ざかっていく

2026年08月09日

朝から蒸し暑い。起きたばかりなのに重だるいのというのが常態化してきた。この半年くらいそうである。2年前くらいにまず長時間眠ることができなくなり始めた。5時間位で目が覚める。その後が眠れない。お酒も弱くなった。酒が弱くなるとよく言うがどういうことか。お酒は飲んで酔っ払うから意味がある。酔っ払う、の時間をなるべく長く味わいたいから飲み続ける。ところが酔っ払わなくなってきた。重だるくだけなる。睡眠と飲酒と、私にとって大事な二つの快楽が遠ざかっていく。少しでも取り戻したいとジョギングをする。せせらぎにも通う。体操も続けている。しかしながら現状維持が精一杯である。

5636声 付け合わせを

2026年08月08日

ソーセージの付け合わせを見直す。粗挽きの肉肉しいソーセージである。マッシュポテトは口当たりは軽いが濃厚な生クリーム仕立てに。柑橘の皮が入ると尚更いい。乳酸発酵の漬物はキャベツよりも緻密な身筋のフェンネルで。野菜は空芯菜をシンプルににんにく塩炒め。粒マスタードを添えて。早いうちから飲み始めたため眠くなるのも早い。日が暮れてさっさと寝ることにした。外ではもう秋の虫が鳴いている。

5635声 持ち味

2026年08月07日

日本酒の温め方を見直す。お酒をちろりに入れて温める時かき混ぜることに抵抗がありそれをしてこなかった。グラスに注いだワインをぐるぐる回すのも同じで、どうしてもあの動作がヒステリックに見えて仕方ない。けれどもそうすることでおいしくなるならやってみるのも必要かもしれないと思い始めた。方のレギュラー酒5種をそれぞれかき混ぜない、かき混ぜるで分けて温める。結果はお酒により混ぜたほうがよいものそうではないものといろいろだった。お酒の温め方にルールはない。大事なのは温めることでそのお酒のどこを表現したいかなのだ。手持ちの日本酒の持ち味を知るいい機会となった。

5634声 準備

2026年08月06日

貸切営業の日。料理付きなのでお店としては準備ができるから仕事はやりやすい。7品11名分合計77皿の料理、器を振り分けてあらかじめ盛り付けておく料理と直前に盛り付ける料理に分ける。客席のセット、ビールの準備、始まってから終わりまでの流れなど打ち合わせ。ここまでできてようやく、どういう気持ちでお客様を迎えるかという心構えの話ができる。今日のご予約はどんな方でどういう好みかを知ってもらい、心からもてなしてほしいと伝えた。大事なところにたどり着くまでが長い。

5633声 カカオ

2026年08月05日

昨日できなかったビールの仕込みをする。カカオマスを使ってスタウトの仕込み。前回は発酵中のビールにカカオを漬け込む方法だったが今回は熱い麦汁に溶かすことにした。簡単に溶けたのだがカカオの油が予想以上に浮いている。これが配管を通ると面倒なことになる。最後の30リットル位はバケツにとって一度冷やして油を固めて取り除いてからタンクに移すことにした。それにしてもカカオはこんなに油を含んでるのか。チョコレートがおいしい理由がわかった気がした。

5632声 腰痛の息子と寝たきりの父

2026年08月04日

数日前から腰に痛みがありだましながら過ごしたが朝になったら痛みが強くなっている。ビールの仕込みの予定だったが急きょ取りやめて安静にしていることにした。そう決め途端にぐっすり寝てしまい二度寝から覚めたのはもう昼近くだった。動けはするので親の様子を見に実家へ。今はほぼベッドで生活の父の部屋のエアコンが急に壊れたらしく大変だったらしい。5月下旬に父が転んで骨折してから実家の状況は一変した。

5631声 老眼鏡

2026年08月03日

今日からシンコ、シンイカスタート。鮨屋の夏の風物詩。シンコもシンイカも幼魚である。シンコはコハダに、シンイカはスミイカになっていく。幼魚だからといって組成部位は成魚と変わらない。一つ一つが小さいからそれなりに数を仕入れて捌くことになる。時間と手間のかかるネタである。最近近くの焦点が合わなくなってきて困る。仕込みに老眼鏡が必要な年齢になった。老眼鏡はどこで買えばいいのだろうか?

5630声 深呼吸

2026年08月02日

午前中は仕込みをして午後から軽井沢へ。軽井沢はいつ以来だろうか。高崎は36℃の猛暑日だが軽井沢の最高気温は29℃だった。せせらぎの湯と軽井沢は裏切らない。軽井沢駅に新しくできた鮨屋で食事をし、電車とバスを乗り継ぎハルニレテラスのトンボの湯へ。緑の木立がそよ風に揺れ敷地内を流れる小川と苔むした足元に呼吸が深くなる。テラス内のワインバーでワインをいただく。おいしいワインだった。ワインがおいしくてまた呼吸が深くなった。

5629声 くつろぐ朝

2026年08月01日

8時に目が覚めてベッドの上でぐうたらする。昨日までの税務調査が一段落してようやく少し休んでもいいと思える朝である。振り返れば5月からやることが多くギブアップ寸前だった。普段なら自己容量内で止められるやることリストがあふれ続けて脳神経がショートする瞬間を何度も味わった。きっと虚ろな顔だっただろう。おい、いい歳してもう少しどうにかならないのか!と亡霊のように自分に話しかけるもう一人の自分にも反応すらできなかった。ようやく休んでいい朝が来た。せせらぎの湯に行こうと思う。

5628声 Nomadな国

2026年07月31日

ホテルをチェックアウトし、最後にもう一度NAVATでカザフ料理を味わう。スーパーでお土産を買い足し、アルマトイ空港から帰国の途についた。

「カザフ」という言葉には、「自由」や「放浪」という意味があるそうだ。その名のとおり、この国には今も遊牧民(Nomad)の気質が色濃く残っているように感じた。人との距離感が心地よく、変な圧がない。

世界的な観光地が次々とある国ではない。しかし、その分「今日は何もしなくてもいい」と思わせてくれる、おおらかな時間が流れている。夜11時を過ぎても公園では子どもたちが遊び、大人たちは思い思いにくつろいでいる。それを不安なく眺めていられるほど治安も良かった。

近未来都市アスタナ、天山山脈の麓に広がるアルマトイ、雄大な自然、そして穏やかな人々。日本ではまだあまり知られていない国だが、相性が良く心地よい国であった。また訪れたい。

5627声 鳥の笛

2026年07月30日

午前中はホテルのプールでのんびり過ごし、午後からパンフィロフ公園、ゼンコフ大聖堂、ツェリニー現代文化センター、美術館を巡る。夕方はコクトベへ上り、天山山脈を背に広がるアルマトイの街並みと夜景を眺めながら、Abayレストランで夕食を楽しんだ。

ホテル前の公園を歩いていると、鳥の鳴き声を驚くほど上手に再現する笛を売るおばさんがいた。「これがあれば鳥と話せるかね」と笑いながらホテルへ戻ったものの、娘はどこか浮かない顔。どうやら、あの笛が欲しかったらしい。

時計は夜10時を過ぎていたが、もう一度公園へ戻ることにした。おばさんはまだ同じ場所で笛を吹いていた。娘が笛を買うと、おばさんと鳥の鳴き声を鳴らし合い、しばらく二人で楽しそうに”セッション”。最後には「プレゼント」と言って、鳥の形をしたかわいらしい笛をもう一つ持たせてくれた。旅の最後にお土産が一つ増えた。

5626声 ガイドから学ぶ

2026年07月29日

朝のコルサイ湖は息をのむほど静かだった。深い緑色の湖面と山々を眺めながら、ガイドがカザフスタンについていろいろと教えてくれた。

アルマトイは「リンゴの街」という意味で、この地域はリンゴの原産地とされていること。イリ・アラタウやコクトベ、コクペクなど、何げなく聞いていた地名にも、それぞれカザフ語の意味があること。ソ連時代はロシア語が中心だったが、若い世代はカザフ語を大切にしていること。そしてロシアや中国という大国に囲まれながらも、どちらにも偏らず巧みに外交のバランスを保っていること。

歴史や文化だけでなく、自身の暮らしや家族の話も交えながら語ってくれた。その穏やかな人柄も含め、この旅で出会った一番の「観光資源」は彼だったのかもしれない。二日間、家族のように接してくれたガイドに感謝しながら別れを告げた。

5625声 大自然へ

2026年07月28日

今日から一泊二日のプライベートツアー。アルマトイを早朝に出発し、まずはチャリン渓谷へ向かう。長い年月をかけて大地が削られてできた奇岩群は、写真で見るよりはるかに雄大で、自然のスケールに圧倒された。

午後は山道を進み、湖の中から木々が伸びる神秘的なカインディ湖へ。透き通る湖面と立ち枯れた木々が織りなす景色は、まるで絵画のようだった。途中、川辺で昼食をとり、冷えたスイカを頬張る。娘も自然の中を駆け回り、街では見られない表情を見せていた。

夜はサティ村に宿泊。窓の外には静かな山々が広がり、久しぶりに時計を気にしない時間を過ごした

5624声 TUMO Astana

2026年07月27日

今回の旅の大きな目的の一つが、今年4月にアジアで2番目に開所したTUMO Astanaへの表敬訪問である。場所はアスタナ万博のシンボルでもある球体建築「Nur Alem」の中。14のワークショップルームを備え、近未来的な「Tumobile」も導入された、TUMOらしい遊び心あふれる空間だった。

スタッフの皆さんにも温かく迎えていただき、運営やプログラムについて有意義な意見交換を行う。開所から数か月とは思えないほどスムーズな運営に感心した。娘にも施設内のピアノを弾かせていただき、プレゼントまでいただいた。

群馬に続き、アスタナでも子どもたちが夢中になって学ぶ姿を見て、TUMOという教育モデルが世界へ広がっていることを実感した。

5623声 首都の物語

2026年07月26日

国立博物館、独立広場、カザフ・エリ記念碑、平和と和解の宮殿、そしてアスタナ・グランドモスクを巡る。どの建物も壮大で、この国が独立後に築いてきた歩みを象徴しているようだった。

しかし、博物館や記念碑を巡って、その印象は大きく変わった。

カザフスタンは1991年、ソ連崩壊とともに独立。そして1997年、それまで南部のアルマトイにあった首都を、ロシア国境に近いアスタナへ約1,000km遷都。

その狙いは、北部を含めた国土の一体化と、「ここがカザフスタンの国土であり、国家である」という意思を内外に示すことだった。

ガ首都がアルマトイからアスタナへ移された理由や、独立後の国家建設について話を聞く。単に新しい街を造ったのではなく、この国の未来そのものを設計した都市なのだということがよく分かった。観光地を巡るだけでは見えない背景を知ると、街の印象も大きく変わる。

5622声 近未来都市

2026年07月25日

朝、国内線で首都アスタナへ向かう。草原の中に突然現れる近未来感あふれる高層ビル群。黒川紀章がイチから街のデザインをしたらしい。ホテルに荷物を置き、バイテレクタワーやEXPO地区を散策。巨大な球体施設「Nur Alem」をはじめ、街全体が未来都市のようだ。オイルマネーによる巨大な社会実験か。

夕食はSAXAULというカザフ料理の有名店へ。馬肉をほろほろになるまで炊き上げたベシュバルマクが絶品。カザフ産の赤ワインが期待を裏切り美味しい。食後はレストラン前の公園へ。娘は遊具を見つけると夢中になって走り回り、帰ろうと言っても聞かない。未来都市でも、子どもの一番の目的地はやっぱり公園だった。

5621声 長い乗り継ぎ

2026年07月24日

早朝に仁川空港へ到着。アルマトイ行きの便まで14時間近くあるため、空港近くのパラダイスシティへ向かった。韓国料理で昼食をとり、娘は大好きな「ティニピン」の企画展へ。長い待ち時間も、子どもにとっては遊び時間だ。

夕方、アシアナ航空でアルマトイへ。ようやく中央アジアの大地が見えてきた。乾いた空気と広い空、日本とはまったく違う景色に「遠くまで来たな」と実感する。ホテルへ着く頃にはすっかり夜。移動だけで一日が終わったが、旅の高揚感は十分だった。