【ものづくり自慢】 第5回 石原清紫

更新日:2009年07月10日


下絵からフリーハンドで

植物の図柄が多い

やわらかく緻密な筆さばきはそれだけで芸である

仕事のときは野武士のよう

年季の入った仕事道具

手描き友禅絵師。反物に絵を描く職人のことをそう呼ぶ。石原清紫さんもその一人である。
数々のコンクールで受賞歴のある石原さんの作品には、今では少なくなってしまった友禅絵師の伝統技法が遺憾なく発揮されている。それ以上に見る人を惹きつけるのは、その独特のタッチである。
20代の頃に描いたという絵を見させていただいた。やっぱりはじめから絵がうまいのだと納得をし、その絵がどれも空想的なことに驚いた。ファンタジーがこぼれ落ちそうなのだ。石原さんの絵には、石原さんにしか描けない世界というのがある。
その絵の中で、猫が一匹たたずんでいるスケッチがあった。これが誰かの描く動物の絵に似ている。思い巡らして気がついた。山下清である。永遠の少年、裸の大将と言われた、昭和の天才画家その人である。そういえば名前も同じだ。
他の絵を比べて似ていると思うことはなかったが、他にも二人の共通項を見つけた。人柄に嘘がないことである。あるのかもしれないが、私にはわからない。幾つもの顔を使い分けて世渡りをしない。この点でも、お二人はすこぶる似ている。それが石原さんの魅力である。
一途な純粋さは世の中を生きにくくする。合理的で狡猾な紳士淑女には、石原さんの作品はわかるまい。

(文: 堀澤 宏之)

名前 石原清紫 TEL 0270-26-4812
通称 URL
住所 伊勢崎市若葉町11−4 作品の購入方法 直接お問い合わせください
アクセス

「私の好きな作家」を教えてください。
メールにてお待ちしております。