赤煉瓦を纏った概観
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老舗レストランの雰囲気漂う店内には、絵手紙が数多く展示されている
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冷やし中華とミニカレーのセットもまた、この店の醍醐味
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多くのメディアが紹介
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味のあるMENU
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富岡市街地でもし、働き盛りの男が大声で「昼飯は」と問うなら。往来の片隅。どこからともなく、「新洋亭のカツ丼」と返答が来る。のではなかろうかと言うくらい、巷の食堂フリークの間では、定石と名高いカツ丼がある。それは、創業大正15年の老舗レストラン「新洋亭」にある。
場所は、富岡市街地、国道254号線(西上州やまびこ街道」の旧街道沿いに、店を構える。「富岡商工会館」の程近く、往来を挟んだ向かい側には、「飯島屋」と「急行食堂」が在る。このトライアングルゾーンは、夥しい数の腹っぺらしたちを暖簾に吸い込んできた。
その外観からは、快い印象を受ける。綺麗で洒落ているからである。特筆すべきは、外装に貼られたシート。赤煉瓦の模様がプリントされている。知っている者が見れば一目で、世界遺産登録を待つ「富岡製糸場」を彷彿とさせる。「街の色」に文化的な色合いを感じる事が出来るか否か。それは、所謂「街づくり」にとって大切な要件だと感じている。その意味において、快い店構えだと思う。
長細い店内は、二階に座敷を有する。店内も洒落れており、全体的に女性的な雰囲気漂う。絵手紙を嗜む女将さんの作品も展示されている。この日私が注文したのは、「冷やし中華セット」。カツ丼は言わずもがなの逸品であるので、冷やし中華とミニカレーを選んだ。この黄色いカレーに、国民的な「懐かしさ」を覚える。
(文: 抜井 諒一) |