 群馬といえば、小麦
|
 WBCの記事の下でクモザル舎完成の話題 あっぱれ桐生タイムス
|
 合もりを頼んだ日 汁は二つ そば用とうどん用 それぞれ違う味
|
 宮沢賢治原画展のポスター
|
 新宿と書いて、しんしゅく
|
|
|
「鍋焼き」は、うどん。「力」は、これもうどん。「南蛮」は、そば。「釜揚げ」は、うどん。誰に教わったわけではないけれど、そういうもんだと思っている。では、「揚げもち入りみぞれ煮」は?
桐生市の目印、桐生育ちならば誰もが知っているロータリー(錦町十字路)の一つ南の信号を東に入ったところに、一見なんの変哲もないそば屋がある。化粧っ気のない店構えは、いちげんの警戒心を取り除いてくれる。店の名は、しみずや。
店に入ってメニューを渡されて驚く、その品数の多さ。もり、ざる、から始まって、天もり、天ざるは定番、冷やし、ぶっかけ、と続く。そのときは、あたたかい麺の欄に書いてあった「揚げもち入りみぞれ煮」を頼んだ。要望すればそばもできるのかもしれないが、これはやはりうどんであろう。
あっさりとしただしに、手打ちのうどん、その上に、揚げ餅が3つ。揚げた餅はだしがよく絡みついて、とても甘い。だし汁までぜんぶ平らげて、言い様のないしあわせ感に浸る。
どんな店でも今の食べもの屋は、料理に、一口目のインパクトを求められる。一口食べてわかりにくい旨さなんてウマさじゃない、というのが大勢だ。本当だろうか。大事なのはぜんぶ食べ終わってどうだったか、ということじゃないのか。
「一口」で勝負しているのではない。「一杯」で勝負しているのである。
(文: 堀澤 宏之) |