【名店のしきたり】 第8回 アーケードと裏通りと至福のおでん(高崎市)

更新日:2009年02月12日


健さんここに、極まれり

目の前に浮かぶおでん、おでん、おでん さてどれから食べようか

大入りの額の隣で可憐に咲くのは梅の花 まさにこれからが旬

アーケード伝いにビルの中

このおからがまた秀逸

高崎の名物商店街、中央銀座通り。昭和の名残を色濃く残すアーケード街も今は人通りが少ない。私が子供の頃は賑やかだった。20年以上も前の話である。
知り合いの魚屋がこの商店街の中にあって、よく映画を見に連れていってもらったのを覚えている。映画館の建物は今でもあるが、今となっては映画にしか出てこないような映画館になってしまった。中央銀座通りの雰囲気は、昔のままだ。
アーケード街を南から入ってちょうど真ん中辺りまで歩くと、右側に小さな看板が見える。「おでん・酒・肴 梅ふく」。看板には→方向の矢印。その先を覗くとビルの中に通りがあって、その通りの脇に店がある。これが高崎でよく見かける、ビル中裏通りスタイル、である。それがまた、呑み助の心をくすぐる。
暖簾をくぐると店内を覆う、ほのかなだしの香り。ここは群馬では決して多くはない、「おでんの店」である。しかしなぜ、県内にあまりおでんの店を見かけないのだろうか。焼き鳥の店は多いのに。
梅ふくのおでんだしは、あっさりとして、品がいい。そこに丹精込めて作ったおでん種が加わるから、味はおのずから奥が深くなる。仕上げにマスターの名調子が加われば、これが本当の、おでんの宝石箱、に違いない。
目移りするのはおでん屋の常。この店を楽しむために何より必要なのは、決断力である。

(文: 堀澤 宏之)

店名 梅ふく TEL 027‐326-9910
マスターの名前 URL
通称 営業時間 17:30〜22:00
住所 高崎市寄合町7番地ダイアモンドビル1階 定休日 日曜・祝日
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