【名店のしきたり】 第30回 笑い声まで香ばしい、商店街のベーカリー(下仁田町)

更新日:2011年06月12日


商店街のパン屋さん

バラエティー豊かな品揃え 香ばしい菓子パンが勢揃い

私が思うに、「カスタードデニッシュ」は絶品

名物「こんにゃくパン」も販売中

総菜パンの種類も豊富

 上信電鉄の終点「下仁田駅」から、「下仁田中央通り商店街」へと足を向ける。商店街路地の入り口十字路を右折しすると、その先の十字路に、街のパン屋さんの、銀色の外観が見える。
 店舗脇からは、西上州の連山を一望でき、清流「鏑川」に沿うて開かれた町には、いつも爽やかな風が流れている。その爽やかな風に、香ばしいパンの匂いを乗せているのが、ここ「ベーカリーモテキ」である。ウィンドウ越しに、所狭しと陳列された、美味しそうな菓子パンが見える。入店し、トレーとトングを持って、早速、パン選ぶ。
 驚くのは、菓子パンの種類。豊富な事はさることながら、「こんにゃくパン」や「原宿バナナ」など、興味を魅かれる変わり種も多い。「あれもいいこれもいい」と、惑い箸ならぬ、惑いトングをしながら、トレーの上にパンを積んで行く。レジへ持って行き、会計の途中で、親父さんとしばし世間話。
 以前に比べ、すこしさみしくなってしまった商店街を、憂う一方で、とても陽気な親父さん。揚げパンのように、カラッとした親父さんの笑い声が、店内に響く。買いに来た常連さんと、入れ違いに、店を辞す。駅まで歩いて、駅舎の椅子に腰かけて、パンのビニールを剥がす。まずは、一番心魅かれた、「カスタードデニッシュ」に齧りつく。香ばしいパリパリの生地と、濃厚なカスタードクリームが相まって、絶品。思わず、笑みをこぼしながら、食べ進めて行く。午後一時を回った駅舎の中には、私一人。列車の着く気配は無く、午後の陽が、床に長い影を落としていた。

(文: 抜井 諒一)

店名 ベーカリーモテキ TEL 0274-82-3155
マスターの名前 URL
通称 営業時間
住所 下仁田町大字下仁田 定休日 毎週日曜日
アクセス 上信電鉄「下仁田駅」から「Aコープ」方面へ

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