 和洋風建築で、モダンな外観
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 風通しの良い脱衣場は、伝統銭湯ならではの味わいがある
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 素朴な浴室 伊豆の景を眺めらがら、浸かる湯は、格別である
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 鍵付き下足入れもある
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 ラドン・ラジウム温浴
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「秩父神社」から国道299号線を渡り、住宅街へと入る。木造平屋建築の家や、土蔵などが散見され、緩やかな刻の流れを感じる。十字路の一角に、まるでこの辻における守り神の様な風格で、「たから湯」が鎮座している。外観は、正面部分にモルタル壁の付いた、和洋風建築。入口に、「玉川の湯」と白抜きされている、鮮やかな朱色の暖簾。くぐると、玄関。男女の境にある番台の高く大きく、重厚な造り。番台の女将さんに、秩父市の湯銭、350円を払い、脱衣場へ上がる。
脱衣場はこじんまりとしており、ロッカー、体重計、マッサージ機、飲料冷蔵庫など、一連の設備が整っている。窓から、外壁を隔て、往来が見える。遮蔽性が少ないが、この位の方が心地好く、オツな雰囲気になる。ロッカーに衣服を入れ、浴室の硝子戸を開ける。
まず、最奥壁に陣取るのは、富士山のペンキ絵。「伊豆エハラ尚栄堂平成14.6.10」との記載。その下、岩装飾付きの浴槽がひとつ。深、浅に仕切り。ジェット噴射の設備はあるが、稼働はなし。やはり、壮大なペンキ絵を眺めながら湯に浸かるのは、格別。カランは左4、真ん中6、右なしの、計10基。シャワーは左に3基。特筆すべきは、「唐傘天井」なる湯抜き。
湯上がり。脱衣場に飾ってあるペンキ絵の写真を、女将さんに訪ねてみる。遡る事、15年位前にあったペンキ絵と聞き、しばし当時の活況に、想いを馳せる。
(文: 抜井 諒一) |