 和洋風で、モダンな印象の外観
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 清潔感ある脱衣場は整理整頓されていて、清々しい
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 浴室は、控え目な富士山が描かれた、壮大なペンキ絵とタイル絵を備える
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 心遣いを感じる、本棚
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 明治時代の東町地図
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秩父鉄道「御花畑駅」を降りてから、徒歩でおよそ5分。秩父2湯の内の1軒、路地に佇む、「クラブ湯」へ辿り着いた。外観は、モダンな印象の和洋風建築。常連さんが、入口脇に自転車を駐輪し、硝子戸を開けて入って行く。営業中でも、暖簾を掛けないのが、慣習である。
硝子戸開ければ、玄関に番台。座っている女将さんに湯銭410円差し出すと、お釣りが60円。問えば、埼玉県の湯銭は410円に値上がりしたが、秩父の2軒は、350円に湯銭を据え置く。と言う事にしている、と言う。確かに、地域性など考えたら、さもありなんと思う。こじんまりとした脱衣場にロッカーは設置されておらず、脱衣籠を使用する。室内は清掃が行き届いており、底光りする床板に清潔感を感じる。隅に有る本棚は、もてなしの心。
浴室の硝子戸を開けると、目に飛び込んでくるのは、奥に鎮座しているペンキ絵の富士山。男女に掛かる、壮大な風景である。浴槽は一つで、深浅に仕切り。手すり付き。ジェット噴射はなし。浅槽の方には、ネットに入った岩石が浸かっている。カランは、右3、真ん中6、左3の計12基。シャワーは右に4基。カランの数より、1つ余分に設置されている。
湯上がり。親切な女将さんに色々、教えて頂いた。ペンキ絵は3、4年毎に塗り替えていると伺い、とても粋だと感じた。それは、浴槽に入っていた、北海道のブラックシリカなる天然鉱石然り、である。
(文: 抜井 諒一) |