【とっておき探訪】 第48回 茨城路地裏銭湯記(結城市) 〜喜与の場〜

更新日:2010年10月11日


風流な外観には草津温泉の看板

広く清潔感ある脱衣場 床は艶のある板張り

広い浴室には、小ぶりな湯船が二つある

古い木製下足入れ

天井は文化財の風格

「結城」と言えば、紬で栄えた城下町。現代でも、蔵造りの街並みに、当時の活況を残しており、蕪村の住んだ町としても知られる。結城に残る最後の銭湯「喜与の湯」は、ちと風流な佇まいである。
「湯屋」。なんて古風な表現を使いたくなるその概観は、長屋風の木造2階建て。入口脇には「草津温泉」の看板が掛かっている。男女の境には褪せた紺暖簾。屋号が白く抜かれたオリジナル。入口のすり硝子戸を開けると、男女の境に下足棚の付いた大ぶりな番台。反対側に古風な木製下足入れ。女将さんに350円を払い、脱衣場へ入る。
全体的に広く、小ざっぱりとしており、清潔感がある。床は艶のある板張り。天井も板張りで、その乾いた木目は文化財の寺社を思われる。部屋の隅に古風な洗濯機が一台。その裏には縁側が付いている。ロッカーは付いておらず、脱衣籠に衣服を入れ、浴室の硝子戸を開ける。
広くて高い。洗い場の面積がとても広く、小ぶりな湯船が両脇に一つずつ有る。床の白タイルは修繕されており、丸と四角がL字型で分かれ混在している。ペンキ絵は無し。カランは右5、左5の計10基。真ん中には無く、全てシャワー無し。鏡は両側に二つづつ。浴槽は左のみに床面から湯が湧いており、右側は空。ケロリン桶は黄色と白が混在。
湯上がり。女湯から聞こえる、常連さんの楽しげな話声は、味わい深い茨城弁。

(文: 抜井 諒一)

名称 喜与の湯(現在廃業) URL
住所 結城市浦 営業時間 午後3時〜午後10時
アクセス 市内、「蛭子神社」の付近 定休日 7、17、27日(月ごとに要確認)
TEL 0296-33-3374

「私のとっておきの場所」を教えてください。
メールにてお待ちしております。