風流な外観には草津温泉の看板
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広く清潔感ある脱衣場 床は艶のある板張り
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広い浴室には、小ぶりな湯船が二つある
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古い木製下足入れ
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天井は文化財の風格
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「結城」と言えば、紬で栄えた城下町。現代でも、蔵造りの街並みに、当時の活況を残しており、蕪村の住んだ町としても知られる。結城に残る最後の銭湯「喜与の湯」は、ちと風流な佇まいである。
「湯屋」。なんて古風な表現を使いたくなるその概観は、長屋風の木造2階建て。入口脇には「草津温泉」の看板が掛かっている。男女の境には褪せた紺暖簾。屋号が白く抜かれたオリジナル。入口のすり硝子戸を開けると、男女の境に下足棚の付いた大ぶりな番台。反対側に古風な木製下足入れ。女将さんに350円を払い、脱衣場へ入る。
全体的に広く、小ざっぱりとしており、清潔感がある。床は艶のある板張り。天井も板張りで、その乾いた木目は文化財の寺社を思われる。部屋の隅に古風な洗濯機が一台。その裏には縁側が付いている。ロッカーは付いておらず、脱衣籠に衣服を入れ、浴室の硝子戸を開ける。
広くて高い。洗い場の面積がとても広く、小ぶりな湯船が両脇に一つずつ有る。床の白タイルは修繕されており、丸と四角がL字型で分かれ混在している。ペンキ絵は無し。カランは右5、左5の計10基。真ん中には無く、全てシャワー無し。鏡は両側に二つづつ。浴槽は左のみに床面から湯が湧いており、右側は空。ケロリン桶は黄色と白が混在。
湯上がり。女湯から聞こえる、常連さんの楽しげな話声は、味わい深い茨城弁。
(文: 抜井 諒一) |