 古い都市型銭湯と言った趣
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 市内最古参銭湯の風格が、滲みでている
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 水色のモザイクタイルが生む、清潔感 仕切りの無い浴槽は今日、珍しい
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 金魚も東湯家族の一員
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 ハンドル式のカラン
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「東武宇都宮駅」西口を出て、路地へと入る。「市立西小学校」正門の前を通って、およそ5分も歩けば、材木町通りと交差する信号にぶつかる。信号待ちで向こうの信号の先に揺れるているのは、銭湯の暖簾。そこには、宇都宮市最古参の銭湯である、「東湯」が佇んでいる。
概観は、モルタル造りで、古い都市型銭湯と言った趣。暖簾をくぐると、男女の境に木製番台。番台の女将さんに390円を払うと、番台に付いているブザーに気が付いた。聞くと、女将さんが不在の時、このブザーを押せば、隣の自宅で音が鳴ると言う仕組み。つまりは、「呼び鈴」である。こじんまりとした脱衣場は、板張りで、年季の入った板目が伝統を語っている。置いてある水槽には、金魚が一匹。脱衣籠に服を入れて、浴室へ入る。
浴室内は水色のモザイクタイル張りで清潔感がある。壁にペンキ絵は無く、一面に貼られているのは、小豆色の小さなタイル。浴槽は一つで、中に仕切りは無く、2連のジェット噴射が3基付いている。カランの形状は全て、家庭などでよく見かける、水と湯のハンドルが付いているもの。新しいところを見ると、おそらく古いカランを改装した物だろう。
湯上がり。瓶牛乳の販売は無く、オロナミンCを飲みながら、番台の女将さんとしばし談笑。創業は今を遡る事、70年以上も昔。まさに、街の盛衰を見て来た、宇都宮銭湯史の生き証人である。
(文: 抜井 諒一) |