【とっておき探訪】 第43回 栃木路地裏銭湯記(鹿沼市) 〜末広湯〜

更新日:2009年12月19日


二階建てのビル型銭湯

ロッカー数の多い、機能的な脱衣場

浴室に華やぎを添える、ペンキ絵とタイル絵

下足入れの数も多い

情緒ある紅葉の日本庭園

福田屋百貨店の道向い。対峙するように佇んでいる銭湯「末広湯」。豪壮な外観に圧倒される事なく、凛としており、ゆったりとたゆたう暖簾からは、余裕さえ感じられる。外観は、二階建てのビル型銭湯。暖簾をくぐると、玄関、数の多い下足入れ。その数は脱衣場のロッカーにも比例しており、今尚、第一線で活躍する、地域の伝統銭湯と言う事が窺い知れる。
番台のおやっさんに、350円を払って脱衣場へ入る。板張りの細長い室内は、右にロッカー、左に鏡、その間に椅子と、機能的。ロッカーに衣服を入れ、鍵を抜いて、浴室の硝子戸を開ける。
まず目に飛び込んで来るのが、奥、男女に跨る壁一面に描かれた立派な富士山のペンキ絵。女湯との境の壁には、紅葉の日本庭園が描かれたタイル絵。ペンキ絵の左下、「シバタ」とサインが入っており、この作品が柴田絵師の手による物だと判明。この2つにより、浴室内が華やいで見える。カランは右5、真ん中8、5基の計18基。所々破損しているが、シャワー、鏡は全てに設置。浴槽は一つで深、浅に仕切り。浅槽にはジェット噴射が2基。湯船には、盤寿は越していると思われる禿頭のおじいちゃんと、私と二人。
湯上り。明治の瓶牛乳で一息つき、番台のおやっさんにお願いして写真を撮らせて頂く。浴室の隅っこで不思議そうに見ていた、禿頭のおじいちゃんに挨拶すると、おじいちゃんも、首をコクッと一回。

(文: 抜井 諒一)

名称 末広湯 URL
住所 栃木県鹿沼市東末広町 営業時間 午後3時〜午後8時15分
アクセス 「福田屋百貨店鹿沼支店」の隣 定休日 毎週土曜日(月ごとに要確認)
TEL 0289-64-3494

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