 銭湯母屋横には、古風な建物
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 板張りの床は経年を感じさせるが、室内は清掃が行き届いていて清潔
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 綺麗な浴室内、ペンキ絵は無く、色タイルを組んで造る松のタイル絵
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 アルギンZのステッカー
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 大人、中人、小人の価格別
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東武伊勢崎線「足利市」駅の南口を出て、前方の丘陵と渡良瀬川の流れに沿う様に、渡良瀬橋の方角へ進む。橋の入り口を過ぎ、借宿町まで来ると信号の在るY字路、左に「三船屋菓子店」を見る直線の道へと折れる。八幡町へと抜けるこの往来は、人通りはまばらながら古風な商店が立ち並び、ひっそりと湿った空気が流れている。かつては、先に在る八幡宮の参道だったのだろうか、立ち並ぶ古い商店の数を見ると、かつての活気が伺える。区画整理の手が付いていない為か、空き家や跡地などが目立つ。
その往来の丁度中間、「足利八幡郵便局」の隣に聳える煙突が、足利市に残る二軒の銭湯の内の一軒「八幡湯」である。外観は、二階建ての古民家をモルタル塗りで改築した様な具合。玄関から脱衣場へ上がり、350円を払う。脱衣場の床は板張り、脱衣籠、木製ロッカー、体重計など、調度品等が、歴史を感じさせる。
浴室は、白タイル張りのこじんまりとした造り。浴槽は一つで深浅に仕切り。深槽にジェット噴射が2基。浴槽の後の壁、ペンキ絵は無く、壁一面の色つきタイルで組まれた松の絵。桶はケロリン。カランは右5、真ん中6、左4の計15基。シャワーは右と左のみ、一つ間隔で設置。備え付けの鏡には、広告入りの物が目立つ。
湯上り、瓶牛乳の販売は無く、清涼飲料水で喉を潤す。現在は息子さんの代に変わり、銭湯文化は受け継がれている。
(文: 抜井 諒一) |