【とっておき探訪】 第36回 栃木路地裏銭湯記(足利市) 〜花の湯〜

更新日:2009年10月24日


街の栄華を伺わせる外観

床や高い天井には檜か何か、風格ある木材がふんだんに使われている

天井が高く広い浴室、男女に繋がる壮大なペンキ絵は「大沼公園」

元は改装前の浴室タイルか

章仙の久谷焼きタイル絵

JR足利駅北口を出て、駅前の目抜き通り、駅入口信号を「通一丁目」へと折れる。古都の風情が残る足利市街地。鑁阿寺など旧市街地の路地を観光。巴町の往来まで来ると、道路は整備されていながらも、古風な商店が道脇に並ぶ一角に出る。その中、銭湯「花乃湯」がどっしりと居を構えている。弁柄色で二段天井式の破風は、街の栄華を思わせる。立ち止まって見入ってしまう程、立派な建築。
暖簾を潜り、男湯の硝子戸を開ける。番台の女将さんに350円を払い脱衣場へ入る。木製番台も高いが、天井がかなり高い。格子状に組んである板は、綺麗に磨かれ反射している。板張りの床も、艶が残っていて綺麗だ。映画のセットの様に古風な銭湯だが、清掃が行き届いている点が素晴らしい。ロッカーに衣服を押し込んで、浴室の戸を開ける。
床は白タイル張り。タイルが六角形である。浴槽は一つで深浅に仕切り。真ん中に岩装飾。浴槽の狭さが歴史を感じさせる。ジェット噴射は無し。その上、壁一面に広がる巨大なペンキ絵。大沼公園のその絵には、劣化が顕著に見られる。カランは、右6、真ん中6、左6の計18基。すべてに丸鏡が備え付け。シャワーは右のみに4基設置されており、その上には、章仙のタイル絵がはめ込まれている。
湯から上がって、森永の瓶牛乳を一気。地元のおやっさんと意気投合し、パンツ一丁で話し込む事、小一時間。

(文: 抜井 諒一)

名称 花の湯 URL
住所 足利市巴町 営業時間 午後1時30分〜午後10時
アクセス 「足利織物会館」の裏手 定休日 毎週日曜日(月ごとに要確認)
TEL 0284-21-8538

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