【とっておき探訪】 第28回 群馬路地裏銭湯記(桐生市) 〜桜湯〜

更新日:2009年04月09日


木造民家風建物の前は駐車場

こじんまりとした脱衣場は、湯客たちの語らい、憩いの場

白タイル張りの浴室 奥には見事なタイル絵が誇らしげに構える

毎週金曜日は温泉気分

昭和レトロな佇まい

桐生七銭湯内では一番南側に位置し、最寄り駅は東武桐生線の「新桐生駅」になる。車で来るお客さんも多く、開店の午後4時前ともなれば、建物前の駐車場に一番湯を待つ湯客の姿がある。白抜き文字のオリジナル紺暖簾をくぐり、入口すり硝子戸を開ける。脱衣場との仕切りが無い玄関。隅には木製下足入れ、鍵付きで24扉。番台の旦那に330円を払う。
こじんまりとした脱衣場は、カット板張りで蓆が敷いてある。蓆の上には、年季の入った木製テーブルが一台。そして、番台対面にテレビが一台。籐の脱衣籠を冷蔵庫脇に置き、浴室の戸を開ける。
浴室は清潔感有る白タイル張り。奥の湯船の上、ペンキ画でなく、大きなタイル絵。描かれているタイルの数を数えたら、300枚。図柄は、小高い丘に城、その下に流れる河川に帆船が一艘。丘の木々が紅葉している辺り、芸の細かい風情ある風景画である。湯船脇の壁にも、鯉が泳ぐ小さなタイル絵が一つ。桶はケロリン。カランは右5基、左4基、真ん中4基の計13基。シャワーは右3期、左4基。真ん中の島カランにも鏡が設置されている。浴槽は1つで深浅に仕切り。ジェット噴射は浅槽のみ2基。心地良い湯加減。
湯上りの瓶牛乳は明治。20円式ドライヤーは、昭和レトロな緑色。番台の旦那としばし談笑。ふと浴室に目をやると、入り込む西日。茜色に輝くタイル。孫と御爺さんだろう、仲良く湯船に浸かっている。

(文: 抜井 諒一)

名称 桜湯 URL
住所 桐生市広沢町 営業時間 午後4時〜午後10時30分
アクセス 錦桜橋南を広沢町方面へ100m程 定休日 8.18.28日
TEL 0277-54-0472

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