 暖簾の掛かって無い簡素な入口
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 入口の硝子戸を開けると、横に番台、直ぐに脱衣場
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 山間に流れる河川が、浴室を一層広々と感じさせる
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 スタイルの良い体重計
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 最寄りは「中央前橋駅」
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上毛電鉄、中央前橋駅前の様相は面白い。この小さな駅を降りて駅前通りへと進むと、往来の脇には小さな雑居ビルがひしめいている。新旧混在した雑多な商店を眺めながら歩くと、県内各特例市の主要駅では見られなくなった、懐かしさを
感じる。駅の直ぐ横に流れる広瀬川を越え、南東の路地へ足を向ける。歩く事4.5
分。閑静な住宅街裏路地、煙を吐きながら、茜色の夕空にそびえる煙突を発見。
ここ「成田湯」の概観は、境町のさくら湯同様、一見、倉庫を連想させる簡素な
造り。入り口に暖簾は掛かっておらず、硝子戸を開けると、番台横の玄関。店主
の女将さんに360円を払って脱衣場へ入る。脱衣場は左程大きくないせいか、真ん中に置かれているテーブルが大きく感じる。鍵付きロッカーを完備。籐の脱衣籠に衣服を入れ、体重計の横に置いて、浴室の硝子戸を開ける。
白タイル張りの浴室。男、女湯に跨る大きなペンキ画は、山間に流れる雄大な河川。桶はケロリン。カランは右に5基、左に4基、真ん中に6基の計15基。シャワーは右左のみ設置。浴槽は1つで深浅に仕切り。ジェット噴射は無し。湯温激熱。
湯上りの瓶牛乳は明治。ドライヤーも有り。競輪の話だろうか、常連の客さんと女将さんが熱心に話し込んでいた。「えっ、あのレース2−3!、いや、だってまさか2−3とはね」。大衆の憩いの場であり、情報交換の場である事を実感。
(文: 抜井 諒一) |