【とっておき探訪】 第21回 群馬路地裏銭湯記(前橋市) 〜萩の湯〜

更新日:2009年02月08日


和洋折衷で異質の雰囲気が誘う

間取り、空間共に広い室内 おやっさんは時代劇に夢中

ペンキ画は無しのサッパリとした構造 湯温は激熱

銭湯には珍しい建築様式

ロッカーの数も申し分無し

完全に迷ってしまった。静まり返った、冬夜の昭和町路地裏。街路灯の朧げな光が、焦燥感を一層煽る。往来へ出て、前橋第三中学校を確認。道脇、一方通行の路地を昭和町団地へと進む。200m弱進んだ運転席前方、道の右側にぼんやりと「萩の湯」の淡い光が見えて来た。
ほっと胸を撫で下ろして、建物の脇へ車を駐車。この外観、県内銭湯では珍しい建築様式である。一見、「洋風の診療所」を連想させるが、入口、木製の引き戸には「男湯」の筆文字。伝統的ではあるが、歴史の温度を感じさせない、和洋折衷の雰囲気を醸し出している。
引き戸を開けると、直ぐに番台。傘入れの付いた木製番台。男、女湯の境に腰掛けているおばちゃんに、360円を払って脱衣場へ入る。広々とした室内、収納数の多いロッカーが置いてあるが、先客の三人全員が籐の脱衣籠を利用。私も習って、脱衣籠に脱いで、浴室へ。
ペンキ画の無い浴室には、カランが右に5基、左に5基、真ん中に6基の計13基。シャワーは、左のカラン全てに完備。浴槽は一で深浅に仕切り。浅い方には、下面から気泡が湧いている。湯温、特に深い方は激熱。壁に貼ってある看板が、湯船の「オゾン」システムの効能を力説。
いささか逆上せ気味で上がり、瓶牛乳100円を一本購入。製造元は森永乳業。一息つけば、冷蔵庫脇にあるテレビ、時代劇もどうやら佳境の様子。

(文: 抜井 諒一)

名称 萩の湯 URL
住所 前橋市昭和町 営業時間 午後2時30分〜午後9時30分
アクセス 前橋市立第三中学から群大方面路地へ 定休日 毎週日曜日(月ごとに要確認)
TEL 027-231-4360

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