住宅街にそびえる煙突
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どっしりと構える瓦屋根
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私が初めて見る形の浴槽、これは瓢箪、もしくは雪だるま型
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桐生再演の作品展示中
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火鉢ってのがオツである
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桐生駅を出て、本町通りへ歩く。桐生郵便局を過ぎて、6丁目の住宅街に差し掛かると、西日が薄く染める青空に、ギラッと光る煙突を発見。ここ昭和館は、駅から一番近い銭湯である。どっしりと構える屋根瓦。入口の横には、「桐生再演」の薄緑色が鮮やかな垂れ幕。「わたらせアートプロジェクト」と時同じくして、桐生でも再演プロジェクトが開催中。
サッシの引き戸を開けて、入店。玄関横の番台が男湯、女湯の仕切りになっており、目隠し扉が付いている。330円を払って脱衣場へ上がる。畳張りの脱衣場には、雑誌、マッサージ機、ぶら下がり健康器、火鉢などがあり、湯から上がって、ゆっくりと寛いでから帰る人が多く見受けられる。籐の脱衣籠に衣服を入れ、浴室の戸を開ける。
こじんまりとした室内。カランは左側のみに7基。シャワーは一つおきに付いており、計4基。室内右側には上下2段の窓が付いており、採光が良く室内が明るい雰囲気。桶はケロリン。特筆すべきは浴槽の形である。瓢箪型、もしくは雪だるま型。大きい円が深い、小さい円が浅い、愉快な浴槽。奥のペンキ絵は、桐生再演のアート作品になっており、浴槽と共に、ポップな芸術空間を演出している。
湯上り、瓶牛乳でなく、紙パック牛乳と缶ジュースの販売。マッサージ機に腰掛けているおじさんが、声を掛けてくれた。振動で声が震えており、思わず笑った。
(文: 抜井 諒一) |