閑静な住宅街に派手な暖簾
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番台で男女を仕切る玄関 瓶牛乳も有り
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ペンキ絵には、迫力ある富士山がそびえ立つ
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毎週日曜日は薬湯を実施
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鏡には「江木橋湯」の文字
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閑静な住宅街に、ひっそりと派手な暖簾が揺れている。高崎市内の銭湯で、高崎駅から一番離れた場所に位置しているのが、ここ「追分湯」だ。立地を見ると、なるほど、国道17号線とぶつかる幹線道路の分かれ道、その昔は追分だったと見受けられる土地。屋号一つとっても、郷土の歴史を物語っている。
開店が午後2時半と言う、早い営業時間。直ぐ裏手にはゴルフ練習場があり、練習帰りのお客さんが早い時間に寄るのだろう、と推測しながら暖簾をくぐる。入口、ステンレスの引き戸を開けて入る。
玄関横には番台があり、これが男女の仕切りになっている。360円を支払って脱衣場へ。小さな木製ロッカーは鍵付きだが、10個ある鍵の内、いくつかは鍵が刺さっていない。おそらく、常連さんの荷物が入っているのだろう。籐の脱衣籠へ衣服を入れ、浴室へ入る。白タイル張りで清潔感ある洗い場は、小ざっぱりとしている。カランは右に5、真ん中に2、左に5個の計12個。左の5個にのみ、シャワーが付いている。桶は御馴染のケロリン。
浴室奥には、劣化のが少なく綺麗なペンキ絵。題材は樹海越しにそびえる、迫力ある富士山。珍しい構図である。その下、浴槽は一つで深浅に仕切り。ジェット噴射はなく、底部からボコボコと、気泡が湧き上がっている。
湯上りの瓶牛乳はメグミルク。ドライヤー使用料金は20円。実用的銭湯也。
(文: 抜井 諒一) |