【とっておき探訪】 第13回 群馬路地裏銭湯記(前橋市) 〜東湯〜

更新日:2008年10月19日


琴平橋の東方面、路地に佇む

銭湯マップを見ながら、ご主人の小川さんに、県内銭湯の歴史を伺う

壮大なペンキ絵の景観と遠近法によって、浴室が広々と感じる

実用的で広いロッカー完備

いけねぇ、お湯止めなきゃ

前橋市大胡町に唯一残る、銭湯の灯「東湯」。銀色に輝く、キャラメルボックスを思わせる外観。午後三時。まだ早い時間だが、掛けてある紺暖簾をくぐってみる。誰もいない。「すみませーん」と声をかけると、浴室の奥から、ご主人が小走りで来る。「いらっしゃい、まだ早いからお湯、熱いよ」との事なので、店内の写真を撮らせてもらいつつ、東湯の歴史を伺う。
創業は昭和2年12月25日。今年でなんと、81年目である。ここ、大胡町もさることながら、昔、県内には、現在の倍の数程も銭湯がひしめき合っていた。それが時代の変遷により、年々数が減って行っていると言う。ご主人が遠い眼差しで言うと、なんだか非常に寂しい心持になる。
「群馬県内の銭湯を回ってるんです」と私が言うと、ご主人、親切にも「上州いきいき湯ったり銭湯マップ」なるパンフレットを下さった。感謝の言葉を述べると、「これも見てって良いよ」と、組合の名簿まで見せて下さった。これも、発行が昭和61年2月ってんだから、非常に貴重な資料。いや、これはもはや史料である。
見終わって、さっぱりと片付いる脱衣場で着替え、浴室へ。目に飛び込んで来るのは、男湯女湯を跨いで、壁一面に描かれた、大きな天橋立のペンキ絵。その迫力と、特有の遠近法により、こじんまりとした浴室であるが、あまり狭さを感じさせない。カランにシャワー無し。浴槽は一つ、深浅にしきりでジェット噴射無し。そして瓶牛乳販売も無し。シンプルで良し。

(文: 抜井 諒一)

名称 東湯 URL
住所 群馬県前橋市大胡町 営業時間 午後3時〜午後10時
アクセス 県道16号線を大胡方面 「琴平文化会館」付近「琴平橋」手前 定休日 毎月25日(月ごとに要確認)
TEL 027-283-2354

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