【とっておき探訪】 第3回 路地への誘い 〜富岡路地裏酔街〜

更新日:2007年11月17日


ノスタルジックな光景が広がる

今日も街の暮らしを支え続ける「岡重肉店」

この路地街に味で受け継がれる文化もある

細道にネオン灯れば現れる

近代化遺産「富岡製糸場」

世界遺産暫定リストに登載され、一躍注目の的となった富岡製糸場。
週末ともなると、各地から団体見学客が訪れ、近代化遺産の面影に触れる。
明治5年、殖産興業を推進させる為、最新鋭器械と世界最大の規模を兼ね備えた富岡製糸場が操業。
操業を停止する昭和62年3月までの間の実に115年間、戦中、戦後を経て日本近代化の礎として活躍して来た。
それは同時に「街」の歴史でもある。
製糸場の周りには、当時の振興を窺わせる酔街が広がっている。
寄り合い所帯の様に軒を連ねる酒場。
古い建造物が並び、懐かしさを伝え残る、情緒ある路地裏。
主と一緒に刻を止めてしまったかの様な街並。
空気がまどろむ正午過ぎ、路地裏へ踏み入れると、少しジメッとした風が一筋吹いて行った。
目の前には随分前に潰れたであろうパチンコ屋、その先には三軒長屋の飲み屋。
日当たりが悪く、人通りの無い寂しさが染み込む細道に、午後の陽に照らされひっそりと浮かぶ懐古的光景。
足を止め、岡重肉店のコロッケを頬張りながら、しばし路地裏の傍らに立ち思いを馳せる。
多くの人が行き交う活気ある当時の路地裏が、瞼の裏側に一瞬見えたような気がし、ゆっくりと歩を進めて行った。

(文: 抜井 諒一)

名称 富岡中心市街地 URL
住所 群馬県富岡市 営業時間
アクセス 上州富岡駅から徒歩10分 定休日
TEL

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