 閑静な住宅街に溶け込んでいる
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 鍵付きロッカーが、豊富にある脱衣場
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 天窓から入り込む西日とペンキ絵が、調和して幽玄
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 オリジナル暖簾は玄関の中
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 鍵付下足入れも完備
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最寄駅は秩父鉄道「上熊谷駅」だが、天気の良い日などは、街歩きを兼ねてJR「熊谷駅」から、ふらりと歩いてみるのも良い。そう思って、歩き出したのだが、如何せん、天気が良すぎた。梅雨の晴れ間から注ぐ日は、もう炎天と言えるほど。住宅街を抜け「見晴湯」に到着した時にはもう、汗みずくになっていた。
その外観は家屋風の建築で、住宅街に溶け込んでいる。二度目の訪問だが、いつも辺には猫が沢山寝転がっている。玄関をくぐって、引き戸を開ける。「お暑ぅございます」、番台のおやっさんの粋な挨拶。汗まみれだが、とても清々しい心持になった。410円を払って、脱衣場へ入り、直ぐに鍵付きロッカーへ衣服を押し込めて、浴室の戸を開ける。
「お見事」思わず、胸の中で拍手を贈ったのは、男女にかかる大きなペンキ絵。サインは見えないが、中島絵師の作と思われる。岬の松、その下に伸びる影が、天窓から入り込む西日と調和しており、幽玄な雰囲気を醸し出している。浴室内、カランの数も多いが、特筆すべきは「湿式サウナ」である。特に別料金もかからず、サウナが利用できる。さんざん汗をかいてが、当然、サウナに入室。その後にケロリン桶でかぶる水は、とても爽快。
夕暮時になると、常連さんが次々に来た。新聞を読みながら常連さん同士世間話をしている姿は、全国どこの銭湯へ行っても変わらぬ光景である。
(文: 抜井 諒一) |