平屋造りの質素な外観
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脱衣籠の棚の脇には、常連の洗面道具が沢山置かれている
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工業都市「日立」と調和している浴室
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メグミルク専用の自販機
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カラフルな暖簾が印象的
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日立駅前から歩く事、15分程度。老舗の飲み屋ひしめく弁天町を行く。焼き鳥、小料理、スナックにパブ、昭和の風情溢れる看板が立ち並ぶ路地裏に、「東湯」のカラフルな暖簾がたゆたっている。その外観は木造平屋建築だが、モルタルに覆われ、商業施設のようでもある。塗り直したばかりか、綺麗な外壁である。外には木製の椅子があり、先程まで近所の仲良し男子三人組が、濡れた髪の毛のまま腰掛けていた。夏休みの愉しい一幕なのであろう。
入口は男女に分かれいて、男湯の硝子戸を開けると、番台ではなく、受付式。受付の女将さんに300円を払い、脱衣場へと進む。こじんまりとした脱衣場に、ロッカーは無く、脱衣籠を主に使用する。常連さんの洗面道具も多数置かれており、常連保有率の高さが伺える。脱衣籠を棚にしまい、浴室へ入る。
脱衣場に対象的に広い浴室内は、特徴的な構造。天井が低く、剥き出しのコンクリートとその下に伸びる白いタイル。巷の事務所でよく見るような蛍光灯の光とが相まって、無機質な空間を演出している。工業都市「日立」のイメージと、調和している。カランは左6、真ん中4、右5基。シャワーは左のみ。広い浴槽が一つあり、深、浅に仕切り。浅槽にジェット噴射、深槽に下面気泡が湧いている。
湯上がり。特筆すべきは、瓶牛乳が自動販売機にあると言うこと。早速、この可愛らしいメグミルク仕様の自販機に、コインを入れ、ボタンを押してみた。
(文: 抜井 諒一) |