夕方の早い時間に電車に乗ると、
下校中の小学生の女子と乗り合わせた。
ランドセルのカバーと帽子が黄色いので、
おそらく一年生であろう。
多くの小学生がそう座るように、
ランドセルを背負ったまま席に座っているので、
ランドセルが首の後ろまでせり上がっている。
そのせり上がったランドセルに後頭部を乗せ、
大口を開けてすやすや寝ている。
「乗り越すのでは」と、
つり革からたまに目を落としていた。
列車が或る駅へ到着すると、
まるでタイマーが切れたかのように、
すっと起きて下車して行った。
あまりの素早さにあっけにとられ、
空いた席を横のはげ親父に取られてしまったが、
私ども乗り越し常習者の酔っ払いたちは、
見習うべき所作である。

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