人前で、映画祭と自分について話す機会をもらった。人前で話すことは、それほど嫌いじゃないのだけれど、時間は40分。けっこう長い。けど、好きなことを話すわけだしと、何の準備もしなかった。
日本映画学校を卒業して、すぐに群馬に戻り、犬の散歩と工場バイトで鬱々と暮らしている時に、伊参スタジオ映画祭関連の映画撮影現場に出くわし、映画祭スタッフになって、そこにいたスタッフに誘われ仕事もゲットした。
という話は、小話程度に度々している。そのあたりは饒舌だと思うけれど、映画祭が始まるきっかけとなった『眠る男』『月とキャベツ』の話も一通りして、よく話したなーと思ったらまだ20分程度だった。まずい。
話に詰まった僕から出た言葉は、行き当たりばったりだけどうまくいっているという人生自慢だった。これは、うまく話さないとかっこ悪い。実際、話しながら、自慢話だこれかっこ悪いな、と思っていた。
映画を見るべき時は2度あると思っています。1度は思春期青年期、体験できないことを映画で学びました。もう一つは、仕事も家庭もある程度落ち着いて来た今時。人生を経て、昔見た映画をもう一度見た時に、若い時には気づかなかった大切なことに気づくことができます。初めて見た時はどうしようもない奴にしか見えなかったフェリーニの『道』のザンパノが、自分と重なるんです。
最後は苦し紛れにそんな話をした。話始めた時は一切あたまになかった話だけど、それは、いい話だったと思う。