890声 文章を料理する

2010年06月08日

寂しい冷蔵庫の中を漁って、夕餉の献立を思案する主婦。
丁度、そんな心持ではなかろうかと思っている。
今、机の前で頭をかきむしっている私が、である。
私は勤め人なので、当然、朝起きて勤めに行って、夜帰って来る。
概ね、そう言う日常を送っている。
そこにあるのは、波乱万丈に富んだ日常なんてものでは無く、金太郎飴式の市民生活。
つまり、種類豊富な食材に溢れた冷蔵庫ではなく、
調味料と使い残しの食材だけが目立つ、寂しい冷蔵庫なのである。
そんな状況下においても、上手くやり繰りするのが、一家の主婦たるものだろう。
しかし私においては、冷凍庫を漁って、あわよくば冷凍食品などを見付け、
「レンジでチン」で済ませようとしてしまう。
この文章作業も同じで、今、冷蔵庫の寂しさに呆れ果て、冷凍庫を漁っていたところ。
生憎、手頃な食材が見付からない。
仕方なく覚悟を決め、有り合わせの食材で、拙い腕を振るい、
夕餉の準備に取り掛かる。
毎日、料理を作る動機。
そりゃ単純に、「美味しい」の一言ではなかろうか。