4333声 5)映画

2020年03月05日

大林宣彦監督が肺がんで亡くなった(これを書いているのは4/12)。

 

度々口にしていることだが、地元中之条町の伊参スタジオ映画祭のスタッフになって数年目、四万温泉をぷらぷらしていたら『転校生〜さよならあなた〜』のポスターを見つけた。大林監督による、セルフリメイク作品だった。聞くと、一部が四万温泉で撮影されたらしい。

 

当時は実行委員長でもないが、「映画祭でかけるのはどんな映画が良いか」は常に頭の隅にあったので、善は急げと東京の映画館に駆け込む。男の子と女の子が入れ替わる。前半のキャッチーさと、後半のカオス感が新しく、ぜひとも上映したいと思った。結果はOK。そして大林監督はゲストとして中之条町まで来てくださった。その夜の交流会の話。

 

映画祭では「シナリオ大賞」という、全国から映画シナリオを公募し映画化させる取り組みを行なっている。その審査員でもあり映画祭の立ち上げに大きな協力もしてくださった篠原哲雄監督が監督として認められるようになる時、それを評価したのが大林監督であったと知った。大林監督は「むかし僕が審査をした篠原監督が、今は新しい映画作家を見出す事をしている。映画のバトンは続いています」という旨の話をされた。映画祭としても誇らしかったし、大林監督は根っからの映画人なんだなと思った。

 

監督が亡くなった4/10日は、コロナショックによって上映延期になってしまったが、遺作となった『海辺の映画館』の公開初日だったらしい。なんだかそのあたりも、大林監督らしいなと思うのは、考えすぎだろうか。