4467声 鉱物回収

2020年07月17日

世にタイムマシンが存在したなら、2020年にやってきた時の旅人は「ナンデコンナニミンナマスクヲシテイルノデスカ?」と不思議がるに違いない。いつまで続くのかもわからないマスクな日々が続いている。

 

当初、ほんとうにマスクが手に入らない時期があった。中之条町「うた種」で布製のかっこいいマスク2枚を作ってもらい、それを交互につけては洗いを繰り返していた。今はマスクも出回って暑さもあるので紙マスクだが、あの2枚の布マスクを交互に使っていたころが早くも懐かしい。

 

マスクはまた、隣人との間に壁を1枚作ることでもある。それにより落ち着く人もいる。いろいろと危ないということが世論となっていた頃に、食料品の買い出しは親に行かせずに僕担当とした。そしてスーパーに買い出しに行く時、マスクをして、ついでに当時書いたてのブルートゥースイヤホンを耳につけて、青葉市子の新譜を聴きながら買い出しをしていた。彼女の歌の浮世離れ感も相まって、人や物がある程度集まるスーパーにおいて、僕は人類のこの先のために必要な鉱物を探しに惑星に降り立った宇宙飛行士の気分だった。言い過ぎだけど。そのようにして、ピーマン、玉ねぎといった鉱物を回収してまわった頃の気持ちも、もはや懐かしい。