1044声 クローバーの物語

2010年11月09日

今日、帰路の途中に寄ったのが、古本屋。
狭い店内に、本棚が天井すれすれに配置されている。
その間に挟まりつつ、目当ての本の背表紙を、丹念に探して行く。
今、震度6以上の地震が発生したら、おそらく生きては返れないだろう。
と言う事は、出来るだけ考えないようにして、蟹歩きで移動する。

目に止まった一冊の詩集を本棚から抜き取り、
パラパラと頁を捲った。
その流れを止ましめたのは、頁に入っていた、栞。
栞を摘んで眺めてみる。
ドライフラワー状になった、四つ葉のクローバー、である。

気取り腐った男が、女性にプレゼントしたか。
あるいは、文学少女が思いを馳せたか。
何れにせよ、この本の前所有者は、「物語」を求めていた人だろう。
頁を閉じて、そっと本棚に戻した。

【天候】
雲多くも冬晴れの一日。
午後より風が強なったが、夜半の冷えはそれほどでもなし。