1046声 俳句と、衝撃と、興奮と

2010年11月11日

「ファミコン」
と言えば、現在は死語になっており、
直ぐに年齢が推察される単語である。
「ファミコン」、正式名称は、任天堂の家庭用ゲーム機、
「ファミリーコンピューター」。

私が初めて、このファミコンに触れたのは、保育所時代だったと記憶している。
無論、我が人生において、小学校に上がる前の時代である。
保育所から自宅へ帰ると、親父がテレビに張り付いて、一心不乱にやっていた。
ソフトは確か、「スーパーマリオ」だった。

夢中になった、あるいはそれを通り越して、虜になっていた。
小学校へ上がる前には、同級生は皆、
いっぱしにファミコンを使いこなしていた。
学校へ行けば、友達とファミコンの話。
学校から帰れば、友達の家へ集まって、ファミコンに興じる。
当時は、テレビゲーム全般が社会問題として、
しばしば槍玉にあげられていたので、それを禁止している家庭も多くあった。
学校の先生も、どうやってそれを抑制させるべきかに、頭を悩ましていた。

あれから20年以上を経た今、ファミコンに夢中になっていた子供は、
俳句に夢中になっている大人となった。
現代風に言えば、俳句にハマっている、と言うべきか。
当時と違う点は、同級生いや同世代ではあまり、俳句に興じている人がいない。
しかし、何故か、「似ている」、と感じている。
それは、私が俳句を作り始め、おぼろげながら、初めて良い句が詠めた、と感じた瞬間。
あの日、親父がやっていた「スーパーマリオ」のテレビ画面を、
初めて見た時の、衝撃と、興奮と。

【天候】
風も雲もなく、穏やかな冬晴れの一日。