梅雨晴れ間で蒸し暑し。深夜までかかり溜まってきた校正を済ませる。その一つは若手句集を読むという企画だ。出版業界にもDXの波が来て、デジタルコンテンツを届けるメディアやプラットフォームが急増して久しいが、その中で俳句、というか詩歌全般にいえることかと思うが、アナログ、つまり紙が根強い。デジタルネイティブと言わる世代の若手でも、処女句集は紙、という例が大半であろう。ここでアナログとデジタルどっちがどうという、浅はかな見解を披瀝するつまりはないが、いま紙は本当に金がかかるという印象がある。それだけに特別感があるのだが、自費出版が大半な詩歌の世界で、出版社を通して書店に流通する紙の本で数百部から作品を発表しようとすれば、おおむね軽自動車一台分の費用がかかると言われる。そんな状況にあって、デジタル化のブレイクスルーはいつ来るんだろうかと、真夜中に濁った頭で考えている。