1120声 朝陽の水割り

2011年01月24日

先の週末、旧知の友人と久しぶりに杯を酌み交わした。
彼の住んでいる神奈川県と、私の住んでいる群馬県。
その中間距離をとって、埼玉県で待ち合わせた。

その彼と飲めばいつでも梯子酒。
唐突に、七五調になってしまったが、つまりそう言う事であった。
しかし、現在はお互いの年齢を鑑み、低価格な宿泊施設で飲むことにした。

男同士。
と言う、気恥ずかしさから、自然と会話も浅くなる。
その分、酒の酔いは深くなる。
気付けば、私。
どうやら知らぬ間に寝てしまった様で、起床したら、朝になっていた。

畳の上には、転がっている缶麦酒。
机に肘をついて、テレビを見ている男が一人。
白障子から入り込む朝陽に、浮かんでいる。
彼が飲んでいるのは、おそらく、水割り。
つまり、昨夜から途切れることなく、飲んでいたのであろう。

「変わってないな」
と言う部分が見たかった。
それが自分の「動機」、であった事に気が付いた。
彼を駅まで送って、帰路に着いた。
バックミラーに、千鳥足で朝の駅へと消えて行く、彼の姿が映った。
後ろ姿。
ってのは、見ない方が良い、と思った。
なんだか、寂しいから。

【天候】
朝より晴れ。
午後に雲が多くなるが、曇ったまま、天気が崩れはしなかった。