1262声 田口町蛍句会

2011年06月15日

一夜明けて、16日記。

「みてみて」
小さな手の中で、息づいている蛍火。
友達二人が覗き込むと、掌からゆったり飛翔して行く蛍。
追いかけて、追いかけて、飛び跳ねながら、追いかけて。
向こうの闇へと、消えてゆく、子供たち。

蛍の沢へ行くと、毎年、こんな光景を見掛ける。
それは、日本全国、どこへ行っても同じだろう。
子供と蛍。
てぇのは、かけがえのない里山の夏風景である。

前橋市のどん詰まり。
と表現すると怒られそうだが、実際にそうなのだから、
殊更、怒られる事を恐れずに、訂正は加えない。
そのどん詰まりの、更に奥の、細道に、一本の沢がある。
毎年ここで、蛍が飛ぶ。
「ホタルの里」
と言う、近隣住民の方々が、手塩にかけて育てた蛍沢、なのである。

ここ数年、毎年出かけては、俳句などを幾つか認めて来るが、
昨日は、近隣の俳人が集い、蛍句会と相なった。
長袖で丁度良いくらいの気温だったので、蛍は飛ぶのだろうかと、
いささか心配した。
しかし、日暮れ時になると、数え数えではあるが、草むらに火が点き始めた。

乱舞。
とまでは行かないが、今年も、幽玄な蛍の火を、鑑賞できた。
慌てて、真っ暗闇の中、当てずっぽうで、ペンを走らせ、句を認める。
他の参加者はみな、携帯電話に句を書き留めている様子。
そんな光景に、時代を感じてしまった。

近所にある主催の家へ戻って来て、十句投句でさて句会。
私は、先生から特選を頂いたものの、まずまずと言った結果。
蛍から授かった様な一句は出来なかった。
「これ、ちょっといい句だろ」
私の背中をのっそり歩いていた猫に、句を書いた短冊をこっそり見せる。
「どれどれ、ふん」
そっけなく首をかしげて、大きなお尻を振りながら、行ってしまった。

句会が終わって、帰る頃には、すっかり夜も底辺り。
蛍の光を全て吸い込んだかのような、大きくて太っちょな満月が浮かんでいた。

【天候】
日中は晴れて蒸し暑し。
夜になると、涼しい風が吹き、長袖で丁度良いくらい。