1306声 夏の終わりの色

2011年07月29日

午前零時の手前。
いま、夏の雨が降っている。
遠くに蛙が鳴いているが、吹き来る夜風は、
そこはかとなく秋の涼しさを感じさせる。
涼しさ、だけでなく、雨の匂いが、もう夏のものではない。

昨日の句会では、題詠の季題の中に、「秋近し」だとか、「晩夏」などがあり、
夏の終わりを否応なしに考えねばならなかった。
しかし、夏休みである巷の学生たちは、七月最終週の今時期は、
もう、有頂天の時期であろう。
まだ、これから来る八月の夏時間をたっぷり浪費できる、と言う、余裕と期待。
「夏惜しむ」
なんて気持は、胸の中のどこを探してもなかろう。

とは言っても、それは陰暦の事で、八月八日の立秋を過ぎても、
まだ日中は炎天が続いているので、実生活ではまだまだ、夏を感じている。
八月に入ってから、祭りや花火などの句を、これから大いに作るつもり。
そうなのである。
八月と言えば、祭りの時期ではないか。
第一週から口火を切り、日本列島では毎週、其処此処の街で、祭り囃子が鳴り響き、
花火が上がっていると言う季節。
一戸の家庭も然りで、夕涼みにバケツを出して、風鈴の音を聞きながら、
輪になって手花火をやっている家庭。
そんな純和風の模範になるような家庭が、まだあるだろうか。
夏の終わり。
に色があるならば、あの線香花火の淡い赤光が相応しいと思う。

【天候】
日中、曇りがちなる晴れ。
夕方は大雨洪水警報が出て、ゲリラ豪雨や夕立有り。
その後、断続的に夜半まで降り続く。