午前零時の手前。
いま、夏の雨が降っている。
遠くに蛙が鳴いているが、吹き来る夜風は、
そこはかとなく秋の涼しさを感じさせる。
涼しさ、だけでなく、雨の匂いが、もう夏のものではない。
昨日の句会では、題詠の季題の中に、「秋近し」だとか、「晩夏」などがあり、
夏の終わりを否応なしに考えねばならなかった。
しかし、夏休みである巷の学生たちは、七月最終週の今時期は、
もう、有頂天の時期であろう。
まだ、これから来る八月の夏時間をたっぷり浪費できる、と言う、余裕と期待。
「夏惜しむ」
なんて気持は、胸の中のどこを探してもなかろう。
とは言っても、それは陰暦の事で、八月八日の立秋を過ぎても、
まだ日中は炎天が続いているので、実生活ではまだまだ、夏を感じている。
八月に入ってから、祭りや花火などの句を、これから大いに作るつもり。
そうなのである。
八月と言えば、祭りの時期ではないか。
第一週から口火を切り、日本列島では毎週、其処此処の街で、祭り囃子が鳴り響き、
花火が上がっていると言う季節。
一戸の家庭も然りで、夕涼みにバケツを出して、風鈴の音を聞きながら、
輪になって手花火をやっている家庭。
そんな純和風の模範になるような家庭が、まだあるだろうか。
夏の終わり。
に色があるならば、あの線香花火の淡い赤光が相応しいと思う。
【天候】
日中、曇りがちなる晴れ。
夕方は大雨洪水警報が出て、ゲリラ豪雨や夕立有り。
その後、断続的に夜半まで降り続く。