1414声 紅葉探勝合宿二日

2011年11月14日

起きて、障子を開け放つと、山の端に白じらとした月が浮かんでいた。
空は薄く雲を引いて、まだ青色が整っていない朝。
鏡面のような湖面に、山紅葉が燃えていた。

欠伸をしながら、窓際の景色をぼんやりと眺めていると、
見覚えある服装の人が一人。
紅葉の下に突っ立って、歩いては手元に書き、歩いては手元に書き。
あの奇妙な動作は、紛れも無く「俳人」と言う奴である。
仲間の一人は、もう朝の榛名湖畔を吟行しているではないか。
部屋に居る先生と私と二人で、その光景を眺めて感心した。
感心しつつ、不精なこの部屋の人間は、窓の景で俳句を作っていた。

朝食を食べて句会。
宿を出て、伊香保まで下り、水沢観音で合流した仲間と一緒に句会。
この二日、伊香保温泉は随分と賑わっている模様だった。
車窓からその光景を眺めつつ、瓶ごと昨夜の残りのワインを飲んでいるのは、
やはり先生だった。
箕郷の鳴沢湖まで足を伸ばし、水鳥や鴨などを眺めながら吟行。
水面に返る午後日は、金色に輝いていて、漣も鴨もその光と融和して行く景色は、
紅葉とはまた違った趣があった。
止めに、渋川市内まで戻り、ファミリーレストランで最後の句会。
心地好い疲れを感じつつ、先生宅まで戻って解散。
自分の句は兎も角、佳句と沢山出会えた事が、一番の御土産となった。

【天候】
朝より雲多くも晴れ。
夕方より、3分ほど強く雨降って直ぐ止む。
暖かく、奇妙な天候であった。