1732声 山廬忌

2012年10月03日

今日は山廬忌。
甲斐の俳人、飯田蛇笏の忌日である。
朝刊の上毛新聞に目を通していると、一面の「三山春秋」に、
この蛇笏の句がいくつか引いてあり、思わずニヤリとしてしまった。

没後50年らしい。
そんなものかと、意外と近く感じた。
その句業の大きさから、漠然と、もっと古い時代の俳人。
と言う、印象を持っていたのである。

俳句の世界では、高齢の方々が一線で活躍している。
主流はまだまだ、旧かなづかいで文語体の句である。
それらも時代を感じさせないことに起因しているだろうが、
一番の大きな要因は、蛇笏の句が古びていないことにあろう。
つまり、50年やそこらでは色褪せない、硬質で清新な詩。
それが、少なくとも私の感じている蛇笏俳句である。

くろがねの秋の風鈴鳴りにけり  蛇笏

【天候】
終日、曇り。宵の口に小雨。