1739声 現代のコスモス

2012年10月09日

すっきりとした秋晴れの一日であった。
車で郊外を通りかかったら、コスモスの群生地を見つけた。
高崎市井手町の「二子山古墳」である。

ここは旧群馬町で、私の郷里の町でもあるので、
子供時分から遊んでいた場所である。
そう言えば、中学一年生の夏休みの自由研究は、
郷土の古墳を研究して、この前方後円墳にも訪れた。

古墳の外周を埋めつくす、コスモスまたコスモス。
車を停めて少し歩いてみると、蜂や飛蝗の多いこと。
もう夕方だったので、虫の音も響いていおり、
その中に野生の鈴虫の音を見つけた。

朔太郎の俳句に、こんな句がある。

コスモスや海少し見ゆる邸道

この頃は海辺の高台にある瀟洒なお邸(やしき)道に揺れるコスモスが、
朔太郎で言う「のすたるじあ」を誘っていた。
現代ではコスモスも随分と身近になって、
こんな洒落た景観とは「つかなく」なっている。
しかし、時代感覚は変われど、コスモスの内包している「のすたるじあ」は、
今尚、風に揺れ続けている。

【天候】
終日、秋晴れ。