目を覚ましたのは、旅館の一室。
秩父事件の刀傷が残る宿、「今井家旅館」である。
二日酔いの重たい体を引き摺って、襖を開ける。
そこには、朝日眩しく、空気清々しく、
とても気持ちの良い秋晴れの日があった。
前夜の宴会で食べた鹿鍋により、心持ち精がついた感がある。
さて、俳句ingの会場である「まほーばの森」へ出発。
往来の脇には可憐なコスモスたちが揺れており、
詩情をさそう野趣風景を楽しみながら向かう。
まほーばの森へ到着すると、既に用意が始まっており、
チラホラ、気の早いお客さんの姿も見える。
と言うのも、この日、まほーばの森周辺では、「上野村フェスティバル」と言う、
木工作品などが展示即売されるお祭り期間中なのである。
テントブースには、岩魚の焼ける香ばしい匂いや、
売り子さんたちの威勢の良い声が響き始め、俄かに活気づいてきた。
そしてぼちぼち、「焼きまんじゅうアイス」も販売を始める。
そうなのだ、この日、第10回ワルノリ俳句ingと並行して行われたのが、
野外イベント初となる、「ほのじ」の焼きまんじゅうアイスの販売である。
(焼きまんじゅうアイスについては、コンテンツ「学校ほのじ」に詳細)
「えっ、焼きまんじゅう、味のするアイスだって」
店の前を通る度、訝しげな顔をするお客さん。
「でも、まぁ、一寸試しに」
なんて、興味があってか、怖い物見たさか、徐々に一つまた一つと売れ始める。
味の評価の方も上々。
ともあれ、俳句である。
独りぽつねんと座っているアイス売りを残し、極少人数の俳句ing一向で吟行開始。
まほーばの森から、「スカイブリッジ」を渡る。
山間に架かるこの吊り橋で、腰を抜かす人、約一名。
なんとか無事に渡り切り、その先にある鍾乳洞「不二洞」へ入場。
不二洞では、無料のガイドさんが案内してくれるので、非常に分かり易く楽しめる。
入って出て来るまで、およそ一時間。
まさに、ハイキングの名に相応しい山歩きとなった。
鍾乳洞と言えど、高低差のある道中を行くので、疲れる。
悠久の歴史に思いを馳せ、太古の空気を吸いながら、鍾乳洞でコウモリと一句。
不二洞観光を終え、上野村フェスティバル会場へ戻る。
昼過ぎの会場は、人出も盛況。
会場内を見学したり、特産品を食べたり、アイス売りを手伝ったり、木陰で昼寝をしたりと、
皆、思い思いに祭りを楽しむ。
楽しみながら、句を吟ずる。
陽も暮れなずみ、祭りも落ち着いてきた頃、俳句の発表。
のんびりとした一日を過ごした為か、穏やかな作風の句が目立つ。
林に満る木漏れ日の中、それぞれの句を味わいつつ、俳句ingの結果が出揃う。
今回の「第10回ワルノリ俳句ing」、結果発表は明晩。
前回、特選を勝ち得た私。
その防衛戦の結果は、如何に(抜井)