2234声 嵩山

2014年05月05日

「5月5日のこどもの日には、山に登るものだ。」
全国共通行事だと思っていたこどもの頃。
というのも、僕が住む中之条町の人たちは、この日に
嵩山(たけやま)という地元の山に登ることが
今なお習慣化されている。

 
知人に誘われ、何年かぶりに登った。
その昔この山に城があり、攻められ命を落とした
者たちを供養するために様々な顔かたちの
観音像が掘られ、それがあちこちに点在している。
どこからともなく桜の花びらが落ちてきた。
山頂付近では赤い皐月の花が咲き誇っていた。
急いで駆け降りるこどもたちを見て、
あの頃は観音像も花も、何も見えてなかったんだな、
と思い、一緒に登った子に

対人関係に疲れるまで、花を愛でる気持ちがわからなかった。

と言うと、ははっ、と笑われた。

あと5年もすれば、観音様を拝む姿も様になるかもしれない。

 

よく聞くように登山を人生に例えるならば、
わりといい場所まで登ってしまったようだ。