2252声 田に空

2014年05月23日

田んぼの畔に腰かけた麦わらのおばあさん。

何をするでもなく、じっと田んぼを見ていた。

田植えが済んだばかりの田んぼ。

稲はまだ細く、そのほとんどは張られた水。

―――水鏡。

今日のような天気の良い日は、田んぼ一面に反射した青空が映る。

おばあさんはその光景をじっと見ていたのだろうか。

秋には秋で、田んぼ一面は黄金色に輝く。

それもまた、見入ってしまうほどに美しい光景。

しかと目に焼き付けておかないと、季節はひゅんと過ぎ去ってしまう。